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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第103回全国高校野球選手権 第2日 なぜ名電は・・・・・

2021年08月12日 | 高校野球

2日目を迎えた甲子園。

強豪が相次いで登場という事になり、
盛り上がった1日となりました。


第1試合では優勝候補の一角と目される智弁学園が登場。
今年の智弁は強力打線が看板。
しかしこの強力打線、
他の打線とは一味違うという評判。

というのも、
長打が打てるにもかかわらず、
徹底して低く強い打球を打って繋いでいくという、
素晴らしく完成された打線という事。

長打がバンバン出る打線というのも魅力的ですが、
この「究極のつなぎ」というのもまた、
ものすごく魅力的な打線です。

このつなぎは本当にエグい。
県大会の映像も観ましたが、
本当に『すごいなあ』と感嘆の声をあげてしまいました。

そしてその『つなぎの威力』、
この甲子園での初戦でもその威力はいかんなく発揮されました。

倉敷商の投手陣がそれほど劣っていたわけではありませんが、
いとも簡単につながって得点を取っていく様は圧巻でした。
エース西村も小畠も順調に調整できているようで、
この試合を見る限り優勝候補の有力な一角ですね。

第2試合は注目の対決。
県大会で100本の安打を連ねた「新生横浜」と、
3本柱の投手陣が強力な「今年の公式戦たったの2敗」の広島新庄の対決。

試合は広島新庄が投手を中心とした「攻撃的な守り」が見事にはまり、
9回2死まで横浜を圧倒していました。

しかし9回2死1・3塁という場面で、
打席に入った横浜の1番、1年生の緒方が放った打球は、
打った瞬間にそれとわかる打球で一直線にレフトスタンドへ。

まさかの大逆転サヨナラ3ランとなって、
横浜がこの苦しい試合を最後にひっくり返してモノにしました。

ワタシはこの試合、
というか村田監督に代わった新生・横浜の試金石になる試合として、
注目していました。

前監督の時はきめ細かい野球には目をつぶって、
とにかく力でねじ伏せる野球を標榜し、
幾度も「ものすごい打線と投手力」を持って甲子園に乗り込んできました。

神奈川県大会ではまさに力で相手をねじ伏せる野球を実践。
毎年チームにはドラフトされる逸材を必ず2,3人は揃え、
それゆえこのような「大型チーム」は毎年甲子園でも優勝候補に挙がっていました。

しかし肝心の甲子園では、
大型チームはことごとく「さらに大型なチーム」に行く手を阻まれ、
最後は『横浜らしからぬ』と必ず言われるような崩れ方をして、
去っていきました。

ライバルの東海大相模は、
大型チームを志向するところは変わらないながら、
守備や走塁、試合運びなどで全国の強豪の上を行き、
「全国大会にこそ強い」姿を見せつけました。

神奈川県ではライバル関係として激しく争うものの、
ここ10年ぐらいで考えると、
全国での戦い方には大きな違いがありました。

今年もさほど大型と言われていなかったチームで選抜を制した東海大相模が、
神奈川県では横浜を大きく上回るだろうと思われていましたが、
コロナ感染で県大会を辞退するという事になり、
ライバルの横浜が浮上しました。

横浜は既に神奈川県では「名将」と言われて白山を県大会上位まで引っ張り上げた村田監督を昨年から招聘して、
立て直しに躍起となっていましたが、
春まではなかなか浮上のきっかけをつかめずもがいている姿がありました。

しかし、
県大会では1年生の杉山をエースに、
そして緒方を1番ショートという要のポジションに使って、
活性化を図って夏に臨みました。

その結果、
ライバルのいない神奈川県大会を圧勝。
勇躍甲子園に乗り込んできた夏だったわけです。

この歩み、
横浜高校が愛甲をエースに、安西を1番ショートに据えて「東海大相模絶対」だった県大会を勝ち、
2度目の夏の甲子園をつかんだ昭和53年(1978年)とそっくりではないですか。

横浜はこの愛甲ー安西を軸に、
2年後の昭和55年には、
夏の甲子園を制するのですが、
そうなっていく可能性は十分にありますね。

昨日の甲子園での勝ちは、
横浜高校、そして村田監督にとっては、
本当に大きな1勝ではなかったかと思います。

横浜が「完全復活」なるかはこの秋以降のことだと思いますが、
2回戦で優勝候補の智弁学園とどのような試合ができるかは、
今後の横浜を占ううえではとても大きいと思います。
どのような試合をしてくれるでしょうか。

さて、
第3試合は松商学園の打撃に驚きました。

前回、前々回の大会でともに甲子園2勝を挙げた高岡商を相手に、
初回から看板の打線が大爆発。
初回から4,3,3と点を重ねて3回で何と11点をゲット。
楽々逃げ切って「令和初勝利」をあげました。

松本商が前身で大正年間の1920年に初出場。
24年には準優勝、28年には全国制覇を成し遂げた超名門で、
37回目の出場の今回、
大正、昭和、平成、そして令和と4元号での甲子園勝利を挙げたのでした。

松商学園と言えば、
ワタシぐらいの年代では「出ると負け」というイメージが強かった名門です。

昭和50年代、
毎年のように年中行事で甲子園に来るも、
松商学園と高松商は、
甲子園で勝利をつかむのが難しかった。

松商学園は75年から6年連続、
高松商は76年から5年連続、
甲子園に出場しながら初戦負けを続けていました。

その時の印象があまりにも強いので、
この両校についてはその後甲子園で準優勝があったものの、
「名門校」だという認識はあるものの、
「強豪校」だという認識はあまりしていないワタシです。

しかしながら、
一度ずつ輝いた年代があったこの両校、
今年の松商学園はあの上田(元日ハム)がエースだった91年のチームに似ていますね。

もちろん「打線が」という事です。
上田のような超絶なエースはいません。
しかしその振りの鋭さは選抜で旋風を巻き起こして準優勝し、
夏も8強まで勝ち上がったチームの鋭い攻撃力に、
似ていますね。
期待しましょう。

ところで高松商も今大会、
出場しています。
いったいどんな戦いを見せてくれるか、
楽しみにしています。


さて、
第4試合です。

創立130年でまさに悲願の甲子園初出場を決めた東北学院。
高校野球で東北学院という名前、
正直意識したことがなかったチームですが、
その「無印良品」のチーム、
夢の甲子園でまさに生き生きと自分たちの野球を展開して、
優勝候補にも挙げられていた愛工大名電を堂々と寄り切りました。

見事すぎる試合でした。
『これが東北学院の野球だ』
と全国にお披露目できましたね。
素晴らしい1勝だと思います。

一方。。。。。。

今年もまた、
ワタシが考える『甲子園七不思議』の一つが、
繰り返されてしまいました。

それは、
「愛工大名電は、なぜ夏の甲子園では活躍できないのだろう」
ということ。

春の選抜では優勝、準優勝各1回を誇る名将・倉野監督が、
夏の選手権ではものすごく力のあるチームを作って甲子園に挑むも、
9回目の甲子園にしてわずか1勝。
1勝9敗という戦績なのが、不思議でしょうがありませんでした。

この間の夏の出場チームの力からして、
30勝ぐらいを挙げていて何の不思議もないほど、
強いチームを引き連れて甲子園に来ているのに・・・・・です。

初めて指揮官として出場の98年もいいチームだったし、
05年は春夏連覇を狙い乗り込んできました。
12年にも優勝候補と言われるチームで敗退し、
今年も『(自チームを除く)私学3強』をことごとく力で倒して甲子園をつかんだのに、
力を出せずに初戦で敗退しました。

愛知県大会を見ていると「このチームは優勝候補の一角だな」と思うほど強いチームでしたが、
この日は試合のペースをつかめないままズルズルと後半を迎え、
リードを許して追いつくことができませんでした。

愛知県の人たちは「あの名電が」と、
信じられない思いでしょうね。

名電はこれまで敗れた相手を見ても、
さほど強豪校に敗れているわけではありません。
敗れた試合はほぼすべて戦前には「名電有利」と言われていた試合ばかり。

しかしなぜか試合に入るとペースがつかめず、
この日の試合のように「なぜか」敗れ去ってしまうという試合ばかりです。

という事は『甲子園に弱い?』と言われそうですが、
選抜で優勝や準優勝に輝いたときは、
まったく違う『強い名電』の姿を見せて勝ち上がっていくのですから、
そうともいえないでしょう。

だからというわけではありませんが、
ワタシは『なぜ名電は夏の甲子園に来ると、まったく力が出なくなってしまうんだろう』というのが、
不思議でなりません。

ライバルの中京大中京や東邦などは、
夏の甲子園でも『これでもか』と活躍していますしねえ。。。。
本当に不思議です。

まあ昨日の試合は、
東北学院をほめるしかないような試合ではありましたが。

あの全国一の出場校を誇る愛知県大会で、
強豪同士の激戦を制したチームが初戦で散るなんて、
ちょっとびっくりせざるを得ないものですから。

全国的に地域差もまったくなく、
どの試合がどっちに転んでも全く驚かなくなってはいますがね、
昨今の甲子園は。

ということで、
今後は天気の状況が本当に気になる甲子園です。

秋雨前線とか、
やめてくれよ~。




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