第８７回選抜高校野球準決勝 雪辱！

≪第８７回選抜高校野球大会≫

【準決勝】

第１試合　　敦賀気比　　１１－０　　大阪桐蔭

第２試合　　東海大四　　　３－１　　浦和学院



センバツの準決勝が行われた甲子園。

ワタシのみならず、
世間の多くは『決勝のカードは大阪桐蔭vs浦和学院』と思っていたのではないでしょうか。

しかし、
そう予想通りいかないのが高校野球の面白いところ。

決勝のカードは、　敦賀気比vs東海大四の【雪国対決】となりました。
いや～やられました。
と同時に、非常に興味深い決勝のカードとなりましたね。

もちろん両校ともに『初優勝』を狙います。


準決勝の２試合のキーワードは『雪辱』。

昨年の夏、甲子園の準決勝で大阪桐蔭の猛打の前にボコボコにされて涙をのんだのが、
敦賀気比のエース・平沼。

この日は期するものがあったのでしょう。
疲れもあって本調子ではなかったと思いますが、
『悔しさを晴らしたい』という意思のこもった、
素晴らしい投球を見せてくれました。

そしてこの日は、
これまで当たりが止まり平沼に負担を強いていた打線が大爆発。

８７回というセンバツの歴史、
いや、１００年という高校野球の歴史の中で初めての、
『２打席連続満塁ホームラン！』
というドデカいことを、
背番号１７の６番打者・松本がやってのけました。

凄すぎますね。

やはり甲子園という舞台は、
思いもよらないヒーローを生み出す場所です。

試合は２回で１０-０と、
そこで決まってしまいました。

大阪桐蔭の『夏春連覇』という夢は、
木端微塵に打ち砕かれてしまいました。

ワタシも大きな衝撃を受けています。
『大阪桐蔭というチームでも、いったん流れを失うとああなってしまうのか！』
という衝撃です。
やはりどんなに強豪で経験値が高くても、やっているのは高校生だということを、
久しぶりに思い起こさせてくれた試合でした。


第２試合の『雪辱』は、
このチームでの大敗から半年後に、
東海大四がやってのけました。

この『北の猛者達』のたくましさは、
どうでしょう！

秋の明治神宮大会で、
この日の相手である浦和学院に手も足も出ず六回コールド、０－１０で敗れた姿は、
この日の戦いぶりからはどこにも感じられませんでした。

たった半年で、
よくぞここまで鍛え上げたものです。

冬の間に鍛えたであろう守備力は、
エース大沢の素晴らしいピッチングを支えて、
相手に得点をほとんど許しませんでした。

４試合でわずか３失点。
なんと素晴らしいディフェンスなのでしょうか。


ということで、
福井県の敦賀気比と、北海道の東海大四。

冬の間は雪に閉ざされてしまう両地域の学校が、
見事なまでの試合ぶりを見せて、
決勝に進出してきました。

この決勝。
面白いことになってきましたね。


『悲願の』という言葉でまとめることができないほど、
優勝を待ち望むファンが多いのではないかと思います。
大いに盛り上がった決勝になってほしいと思いますね。


その決勝の見どころは、
やはり両投手の出来以外にはないでしょう。


両チームのここまでの勝ち上りは、以下の通りです。

【敦賀気比】
１回戦　　　　３－０　　奈良大付　
２回戦　　　　２－１　　仙台育英
準々決勝　　４×－３　　静岡
準決勝　　 １１－０　　大阪桐蔭

平沼投手は、４試合で４失点。しかも自責点は２という素晴らしさ。
打線も準々決勝ぐらいからようやく目覚めだし、今がピークの風情があります。


【東海大四】
１回戦　　　　３－０　　豊橋工
２回戦　　　　３－２　　松山東
準々決勝　　１－０　　健大高崎
準決勝　　　 ３－１　　浦和学院

初戦、２戦目といずれも２１世紀枠の好投手を最後に崩して辛勝。
そして準々決勝からは、健大高崎、浦和学院という関東の猛者を、
きわどい点差で振り切っての決勝進出です。
大沢投手は４試合で３失点。安定感が光ります。


戦力的には、
敦賀気比が平沼投手を中心として若干上回っているように感じます。
打線もよくなってきて、スキのない戦力になってきました。

東海大四としては、
この大会ずっと『こうして勝ち上がってきた』という戦いぶり、
要するにロースコアの競り合いに持ち込みたいところでしょう。

そして最後の決勝に、
看板の打線の爆発を期待しているかもしれませんね。


両投手の疲れが心配ですが、
『春は投手力』と言われる通りの決勝になってほしいと、
思ったりしています。

０９年の清峰vs花巻東の決勝での、
今村と菊池の投げ合いのような緊迫した投手戦が見たいと、
思っています。

天気が若干心配ではありますが、
熱い甲子園の戦いの最後を飾るにふさわしい熱戦を、
期待しています。