SPORTS! SPORTS! 寝てもさめても

16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

村田諒太 オレはこのボクサーを、絶対に忘れることはないぞ!!

2019年07月12日 | ボクシング

7・12 エディオンアリーナ大阪・第1競技場  

◇WBA世界ミドル級タイトルマッチ 12回戦

チャンピオン                挑戦者・同級4位   
ロブ・ブラント(米国) ●  TKO  〇 村田諒太(帝拳)
            2回 2分34秒


◇WBC世界Lフライ級タイトルマッチ 12回戦  

チャンピオン              挑戦者・同級4位   
拳四朗(BMB) 〇  TKO  ●  ジョナサン・タコニン(フィリピン)    
           4回 1分

 

 

村田諒太の人生をかけたリベンジマッチ。
前回のラスベガスの対戦で、
「すでに決着はついている」との予想が多く、
村田がリベンジするという予想は少なかったように思います。

世間の注目も今一つかな?
という感じのこの試合。

しかし。。。

村田はそのすべてのモヤモヤを吹っ飛ばしてくれるような、
何十年も思い出に残るようなTKO勝ち。

もう何というか、
「やった~」
と叫びに叫んだ、
コ―フンの夜になりました。

https://blog.goo.ne.jp/angeldad/e/df3209fb8c4f9a3dfc35c5d610684b8b

 

ワタシはこの”リベンジマッチ”が決まった時、
上のような記事を書きました。

とにかくこの試合は村田の引退をかけた試合。
それだけにワタシは、
この試合で「突き抜けた村田」というか、
「ブチ切れた村田」が見たいと書きました。

これまでの村田は、
哲学者のような言葉とあくまでも冷静な戦いぶり、
計算された戦いで自分の能力を最大限に発揮する「新世代のファイター」というイメージをまとっていました。
リング上でも常に笑みを絶やさず、
それもまた冷静さを保ちリラックスするという計算されたものだったと思うのですが、
まだまだワタシはその笑顔の下に、
【ホンモノの村田】
が隠れている気がずっとしていました。

笑顔の村田の下に、
ある意味ゾッとするような、
”野生全開の本物の村田”
が隠れているという気がずっと……していました。

そうでなくては、
オリンピックの金メダルなんて、
獲れるわけがないと思っていました。

『こんなところで終われるか』
という村田の強い気持ちでの現役続行は、
そんな「これまでの村田の仮面」をはがしてくれる試合になるのでは。。

それがワタシの「いい方の期待」でした。

しかしロブ・ブラントに「あしらわれた」あのラスベガスの試合を、
果たして覆すことができるのか?
あの強かった内山がリベンジマッチで返り討ちにあってしまった・・・・
あの強かった山中もリベンジマッチで返り討ちにあった。。。。。

そんなこともまた、
頭の中に浮かんでは消えました。

ある意味非常に複雑な気持ちのまま迎えた昨日の試合。

拳四朗が見事なTKOで6度目の防衛を飾った後、
村田の控室が映し出されると、
ブラントの余裕綽々なたたずまいとは真逆の、
今までにはない村田の思いつめたような表情とたたずまい。

そこにある種の危機感を感じつつも、
その村田の目の奥にある「野生の光」をかいまみて、
この試合にかける村田の決意みたいなものが、
ビンビンと感じられました。

入場の時も、
もう今までの試合のように、
「リラックスする姿を醸し出すことで、能力を最大限に引き出す」
というこれまで村田がとってきた”戦略”ではなく、
何か”むき出しの村田”がそこにいる感じがしました。

そして。。。。。

「村田の思い」は、
ゴングが鳴った直後の1回から、
リング上で炸裂することとなりました。

初回の最初の30秒、
やっぱりブラントが高速のジャブから村田に何発かいいパンチを当て、
『やはりラスベガスの再現か?』
と思いましたが、
この日の村田はそこからが違った。

まさに「追い詰められてホンモノの村田が目覚めた!!!」
という感じの力強いパンチがブラントに炸裂。

初回からこんなにいくのか?!

そんな場内の驚きそのものの、
これまでの村田の『計算された戦い』とは違った、
「あとさき考えず、初回から倒しに行く姿」
がそこにはありました。

相手との距離を詰めながら、
村田が「この野郎、おら、そりゃ、・・・・」
という叫びまで聞こえてきそうな初回の攻防でした。

しかし村田もブラントの強打をいくつも被弾。
すでに1ラウンド終わりのコーナーでは、
左ほほを赤く腫らしていました。

しかしこの夜の村田は、
ひるむどころか、
『おらおら~来いよこらア』
と2ラウンドもひるまず前へ、前へ。。。。。

まるで次のラウンドなどないかのように、
そしてあたかもケンカのどつき合いのように、
「次なき戦い」に向かっていきました。

ワタシが見たかった村田、
「それまで耐えに耐えてきて、最後にブチ切れる映画の高倉健のようなファイト」
がそこにはありました。

右、左、アッパー、ボディ・・・・・

村田はまさに、
「自分の持っているパンチのすべてを相手にただ、叩き込む」
そんな感じの2ラウンドの詰め寄り方でした。

そして難攻不落と思われたブラントは、
ついに陥落したのです。

村田の凄み全開の、
忘れられないTKO勝ちとなりました。

本当にすごかった~~~!
そしてコ―フンした~~~~~!

やっぱり村田は「ただもの」ではなかったということですよ。
それを世界に証明した、
素晴らしい夜となりました。

今までもすごかったが、
このファイトを見られただけで、
本当に村田を応援してきてよかった!!
そんなことが心の底から思えたファイトでした。

これはもう、
日本のボクシング史に残るファイトだったですね。

あの長谷川穂積の引退試合となったスーパーファイト、
あるいは古くは輪島功一がショットガン・アレバラードと柳済斗をリベンジマッチで破った一連の試合、
それらに匹敵する素晴らしい試合でした。

昨日はコ―フンして、
しばらく寝付けなかったですね。

村田の突き抜けたファイト。
そしてリング上での、
饒舌でユーモア満点の村田、
更に少し時間を置いた後の、
またまた哲学者のような村田。。。。。

どの村田も、
本当にかっこよかった。

村田は今後について、
防衛回数にはこだわりはないとのことを語っていました。
ワタシもまさにそう思います。

村田はやはり、
記憶の人なんですよ。

記録なんてどうでもいい。
ビッグファイトに挑戦していってほしい、
心からそう思いますね。

GGGでもいい、
カネロでもいい。

ビッグファイトで、
また「ブチ切れる村田」が出現した時、
また我々日本人は『これまで見たこともないようなファイト』がみられる気がします。

村田の本当のピークはこれから。

一瞬のまばゆいばかりの輝きを見せて、
いつまでも我々の心の中で輝き続ける【村田諒太】でいてほしい、
そんなことを思った夜でした。

それにしても。。。。。。


これがあるから、
ボクシングはやめられね~んだよ!!!!!


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まさかまさか! (hanahana)
2019-07-13 12:48:15
あんな試合見せられて感動しないボクシングファンは、感情の伝達が機能していないのでは?と思うぐらい感動しました。
(後で思うと、煽りVが効いていました。 作り手も「もうこれが最後ですよー」みたいな。笑。 なんとなく。)

涙でましたもんね。。。ラウンドガールが泣いているなんて、初めて見ました。
間違いなく、後世に語り継がれる1戦でしょう。


正直勝てるとは全く思っていませんでした。
前回のワンサイド負けが物語っているように、コンビネーションが乏しく、スピードがない村田は
フットワークを駆使し、その上手数の多い相手には明らかに相性が悪いのです。

何度やっても同じ結果、いやそれ以上にレフェリーに止められるだろうなと・・・。
そんな風に予想していました。


しかーし!

まるで別人でした。
あんなに変われるものですかね?

あんな上下を打ち分けるコンビネーション初めて見ました。
それまで村田に対し、一番欲しかった、欠如していた部分だと思っています。

1Rが終わった時点で早くも会場のボルテージは大盛り上がり。こりゃいけるんじゃ?

そういった雰囲気に後押しされ、被弾も厭わない前進。
本来の強みでもある圧力も相まって怒涛のラッシュ。
最高でした。

試合後リング上でのインタビューも、“らしく”て良かったですねー。


ここにきてGGG戦の話が再浮上してきたようですが、どうでしょうか。
あのようなボクシングができるようであれば期待してしまいます。

GGG戦をクリアすればその次はアルバレス戦。(個人的には後者を望みます。ブッ倒してほしい。)

まだまだ夢を見させてください。

そんな風に思った最高のTV観戦でした。



拳四郎選手は、立ち上がりを見て動きが堅いというか、めっちゃ体が重そうでした。
これは・・・やばいなあ。

どんどん距離を詰めて出てくる相手にやりづらそうでしたが
ところが、3Rから動きを見切ったのか、いつもの軽快な動きに。
最後は打ち終わりのがら空きの顔面を打ち抜くという、スッキリする勝ち方でホッとしました。

地味ですが1番安定した戦い方をするボクサーだと思います。(当然、井上は別格です)

京口との統一戦も見えてきました。楽しみです。
自身の目標でもある具志堅越えを是非果たして欲しいですね。



P.S
大阪なので観戦に行く選択肢もありましたが、負ける試合なんて・・・
と思った自分を責めたいです。泣泣

それにしても大阪府立体育館。
前回の井岡。その前にあった長谷川選手の奇跡のタイトル奪取、山中モレノ第2戦の名勝負の一夜。
そして今回。

大阪のボクシングファンは楽しくてたまらんだろうなあ。
返信する
凄かった! (まめちち)
2019-07-16 08:27:33
hanahana様、コメントありがとうございます。返事がすっかり遅れてしまいました。
村田の感動、これは本当に、「ボクシングファンでよかった~」って感じでしたね。心に残る夜になりました。これからの村田については、本当に「ビッグファイトの実現」この一点しかありません。
村田が心も体もピークを迎えている今、ぜひ世界が注目するようなビッグファイトをやってほしい。GGGとの東京ドーム決戦。。。。。いいですねえ。絶対見に行っちゃうんだけどなあ、実現したら。
そういえば日曜日に、追っかけではありますがはじめて亀田和の試合を見ました。思っていたよりはしっかりしたボクシングやるなあという感じではありましたが、ワタシは「井上尚弥が階級を上げたら当たるかも」という視線で見ていたため、正直ほっとしたというか、勝者にも敗者にも、「井上尚弥の印象に残るコンテンダーにはなり得ないなあ」って感じしか残りませんでしたね。

村田、井上、『日本ボクシング界の宝』には、堂々と、光り輝く道を歩いてもらいたいと思っています。
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