ワシントンではトランプ大統領が誕生したその日、
日本では「今か今か」と待ち望まれていた瞬間が訪れました。
大相撲初場所で、
大関・稀勢の里がようやく初優勝。
この日の相撲で、
稀勢の里は逸ノ城を破り1敗を堅持。
すると結びの一番で、
横綱・白鵬が初顔の貴ノ岩にまさかの完敗。
その瞬間、
日本国中が待って待って待ち望んだ、
稀勢の里の初優勝が決まりました。
今場所好調の稀勢の里。
常に優勝争いのトップを走っていましたが、
全勝・白鵬に土がつくとすぐ翌日に自分も敗れるなど相変わらずの気の弱さは全く変わっておらず。
そのため新聞の紙面でも、そしてNHKの放送でも、
『まだまだ分かりません』
という声がいつになってもやむことはありませんでした。
しかし今場所は、
まさに稀勢の里に『そろそろ優勝してくれよ』という風が吹き、
白鵬は平幕に敗れ続け、
日馬富士・鶴竜は対戦の前に休場。
しかも難敵だと思われた大関・豪栄道は対戦の前日に負傷して、
あろうことか不戦勝をもプレゼントしてくれるという展開。
これはもう、
相撲の神様のありがたい思し召し以外の何物でもないなあ・・・・・
そんな風にワタシは感じていました。
苦しいはずの13日目は不戦勝、
14日目は平幕との対戦、
そして追ってくるはずの横綱は自分で崩れ。。。。
やっと巡ってきた初優勝でした。
支度部屋での稀勢の里は、
テレビカメラに背を向け、
そっと涙を流していました。
本当にその瞬間、
長く苦しかった今までの苦難の道のりが、
走馬灯のようによみがえってきたのではないでしょうか。
常に『日本人力士のトップランナー』と言われ、
初優勝し、横綱に昇進することを半ば義務付けられているような空気。
これが元来肝っ玉が据わっているわけではない心優しき大関を苦しめていたことは、
想像に難くありません。
本来最も信頼し相談する相手である師匠は既に亡く、
世間の風は時に冷たいだけでなく、
昨年は同じ日本人大関の琴奨菊、豪栄道が相次いで初優勝を飾り、
常に『稀勢はなあ……』
という声が耳に届いていたと思います。
「持っている実力は一番なのに」
と言われ続けてはやン年。
ついに初優勝を成し遂げました。
しかも「決戦」の前に転がり込んできたという形で。
稀勢の里にとっては、
この決着は本当に良かった。
これで無用な肩の荷も降りて、
これからは本来の実力通りの結果を残してくれることでしょう。
明日の白鵬戦に勝てば、
師匠・隆の里と同じ”遅咲きの横綱”になることが濃厚。
期待していますよ。
それにしても先代の若乃花の言っていた言葉、
「人間辛抱だ!」
がこれほど似合う平成の男も珍しい。
苦労人が花開くのは、
まさにここから。
『遅咲きの大横綱』
に向かって、邁進してください。
おめでとう!稀勢の里!!
待って、待って、待ちくたびれたぞ!!!!
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