明治神宮大会は、
高校、大学ともに決勝のカードが決まり、
今日決勝が行われます。
高校の部では、
健大高崎(関東)と中京大中京(東海)という決勝のカード。
好ゲームが期待されます。
健大高崎は1回戦から登場の不利な組み合わせでしたが、
初戦から3試合連続で接戦を制し勝ち上がってきました。
もともとは群馬県大会の準決勝で敗れ、
たまたま今年関東大会が群馬県開催だったところから救われて3位で関東大会に出場。
関東大会でも接戦に次ぐ接戦を制して秋初制覇したと思ったら、
この明治神宮大会でもその粘り強さの本領を発揮しています。
初の「全国制覇」まであと1勝と迫ってきました。
一方の中京大中京は、
剛腕・高橋投手を擁して盤石の強さでこの秋の陣を勝ち上がってきました。
東海大会でも一歩抜け出た強さを見せたと思ったら、
この神宮大会でも明徳義塾、天理という全国屈指の強豪を次々に破っての決勝進出。
今年度を「中京大中京の年」にすべく、
まず一冠を目指しています。
関東(あるいは東京)、そして東海の微妙な位置にいる各校にとっては、
まんじりともしない1日となるでしょう。
関東が「神宮枠」を取ったら、
花咲徳栄、西武台、そして帝京がその恩恵を被ると思われます。
もともと関東・東京での選抜枠は6校。
5校までは確定的ですので、
あと1校を花咲徳栄・西武台の関東大会ベスト8組と、
東京2位の帝京が争うという構図になっています。
現在のところ、
関東が東京をレベルで上回ると思われるので、
関東・東京の6校目には花咲徳栄が最有力、それを西武台が追うという形になり、
帝京は少し分が悪いと思われていましたが。。。。。。
もし健大高崎が「神宮枠」を持ってくると、
神宮枠で花咲徳栄(もしくは西武台)が選出され、
関東・東京の6校目は逆にフィードバックして、
出場校数のバランスをとって東京の2位である帝京に来るのでは。。。。。
ワタシが予想するのはそんなところです。
よってこの健大高崎の奮闘には、
帝京が一番熱い視線を送っているかもしれませんね。
一方の東海地区。
通常の枠は2校ですので、
東海大会で決勝に進出した中京大中京と県岐阜商で決まりというところでした。
しかし「神宮枠」が1枠追加されると、
東海大会4強敗退の2校、
加藤学園と藤枝明誠という静岡の2校にチャンスが広がってきます。
この2校を比べると、
4強では加藤学園が県岐阜商に延長10回3-4で敗れたのに対し、
藤枝明誠は中京大中京に8回コールドの5-12で敗退。
この試合内容の比較では加藤学園が有利なように感じますが、
そう簡単に行かないとも思われます。
というのも、
東海大会前の静岡県大会では、
藤枝明誠が加藤学園を5-4で破り優勝を飾っているからです。
しかも東海大会で藤枝明誠が敗れたのは、
優勝校である中京大中京。。。。。。
う~ん、
何とも言い難い。。。。。
いずれにしても、
この明治神宮枠で笑う学校が確実に一つ出てくることだけは確かです。
なんか罪作りな「枠」だなあ。。。。
いつも思うことですが。
さて、一方の大学の部。
前評判通り慶応が圧倒的な強さを見せて決勝に進出。
決勝でも優位に試合を運ぶのでは・・・・
そして19年ぶり4回目の秋の日本一に輝くのではと予想しています。
しかしそこに待ったをかけたいのが関西大学。
ワタシはこの関大については、
あまり野球が強いというイメージはありません。
イメージとして持っているのは、
OBである村山実と山口高志。
この二人のみです。
野球ファンならだれでも知っているこの二人、
長く野球界で活躍し阪神の監督までになった村山に対し、
山口高志はまさに「太く短く」プロ野球を駆け抜けていったというイメージが強く残っています。
その山口高志は、
この大会の創成期であった第3回大会で優勝し、
胴上げ投手になっています。
関大はそれ以来の決勝進出。
いやそれ以前に、
関大は明治神宮大会での勝利も、
その大会以来でしょう。
この明治神宮大会での山口高志の投球。
ワタシはもちろん目にしたことはありませんが、
記録を見ると凄いものです。
今も「大会記録」として燦然と輝いています。
持っている記録は、
・連続イニング無失点 30回1/3(大会歴代2位)
・奪三振 38個 (大会歴代最多)
・連続奪三振 8個 (大会歴代最多)
・ノーヒットノーラン
何というすごい記録の宝庫でしょうか。
ちなみに勝ち上がりは、
1回戦 2-1 中京大
2回戦 1-0 慶応大
準決勝 2-0 早稲田大
決勝 1-0 法政大
六大学勢を3連破という所に時代を感じます(この大会で六大学勢は4校出場)が、
それにしてもすごいですね。
4試合でわずか1失点ですよ。。。。。
ワタシはさすがにこの頃関西の大学の選手までは知りませんでしたが、
そののち山口高志が松下電器で都市対抗野球に出たことは、
なぜか覚えたりしています。(出場の歴史をひも解くと、補強選手としての出場だったんですね。)
ちなみにワタシはあの頃、
親類で関係のあったカネカ(鐘淵化学)の応援に、
よく連れて行ってもらったりしていました。
都市対抗の応援のすごさに、
やられっぱなしでした。
そんな山口高志を見て本当に驚いたのが、
昭和50年(1975年)の日本シリーズですね。
あの広島カープの初優勝の年です。
その3年後には完全にワタシも【純パの会】会員(勝手に名付けているだけです)となってパ・リーグの試合ばかり見るようになりましたが、
その頃はまだテレビに映る巨人中心のセ・リーグの試合しか目にしたことはありませんでした。
特に関東に住んでいましたから、
パ・リーグの関西のチームを目にすることは、
ほとんどありませんでしたね。
阪急、南海、近鉄とその名は知っていたし、
プロ野球カードに載っているそれらのチームの選手の名前は知ってはいたものの、
いったいどんなプレーをするのか見たことはありませんでした。
しかし人間って、
目にしたことがないものに対する想像力は、
本当に極限まで膨れ上がるもので、
その頃の阪急というチームに対するある種の『畏れ』みたいなものは、
子供心にしっかりと根付いていたと思います。
下手投げの山田は毎年20勝以上を上げるような投手だし、
韋駄天の福本はなんだか毎試合走って走って走りまくるらしい。。。。。
長池とか加藤なんていうすごいバッターが並んでいて、
外人のマルカーノ、ウイリアムスなんてのもすごいらしい。。。。
しかも代打には”神様”といわれる高井なんて選手までいるらしい。。。。。
まあよく「耳情報」は知っていたし、
それに対してなんだか「巨大軍団」というイメージ、
抱いていました。
そしてそこに、
とんでもない速球を投げる「山口高志」という投手もいるらしい。。。。。
そんなことも耳にしながら、
広島との日本シリーズを見ました。
初優勝したカープの”超にわかファン”だったその年のワタシ。
山本浩二や、衣笠、ホプキンス、シェーンが大活躍する姿を思い浮かべての観戦は、
阪急の完膚なきまでの強さに、
粉々に打ち砕かれてしまいました。
何と0勝4敗2分け。
あのカープが1勝も挙げられずに敗れ去った相手の中心に、
山口高志がどっかりと座っていたのは、
子供心に衝撃的な”事件”でした。
何しろ山口高志の投げる球、
見たこともないぐらいに速い、速い。
160センチ大の小柄でずんぐりとした体から放たれる球、
まさに高めにグイ~~~~ンと伸びて、
バッターが「あんな高めの球、なんで振るんだ」というぐらいの高さを次々に空振り。
その速球の伸び、
「見たこともない」というのが正直なところ。
まさに漫画で形容されるとおりの「バッタバッタと三振」に取られて、
広島の強力打線、なす術がありませんでした。
おぼろげに子供心に残っていた、
「阪神の江夏が一番速い」
というそれまでの概念が、
このシリーズの山口高志によって完全に覆されました。
それほど「衝撃の速さ」だったですね。
そして球筋がよかった。
あのグイ~~~ンと形容するような球筋は、
その後全盛期の藤川球児ぐらいにしか記憶にありませんね。
ワタシの記憶の中では、
「ものすごい球」っていうのは、
あんな感じのグイ~ンと低めから高めに伸びる球。
それは江川だって、マーくんだって、ダルビッシュだって、
そして大谷だって、
決してマネできない球って感じでした。
(まあ、球筋が違うってことですが。)
ワタシが見てきた中で、
掛け値なく「すっげ~」って思った球を投げた投手は、
この山口高志、藤川球児を置いて他にはありません。
中でも山口高志は、
本当に忘れられない投手です。
ちなみに昨年、
その衝撃を継いでくれる投手が現れたかな?
と思ったのが金足農の吉田輝星投手。
今はまだ苦しみの中にいますが、
将来山口、藤川を継ぐ投手に、
名乗りを上げてほしいです。
*ちなみにこの「すっげ~」と思ったというのは、投手としてのトータルの能力ではありませんのであしからず。投げる球を単純にすっげ~ッと思った・・・・・・という事です。さらにちなみに、MLBでノーラン・ライアンとランディ・ジョンソンを見たときは、その「すっげ~」を超えて「怖え~~~」と思ってしまいましたが。。。。。
そんなワタシにとっての本当に特別な投手である山口高志を、
こんなに思い起こさせてくれた関西大には感謝です。
今日は頑張って、その3回大会以来の優勝、勝ち取ってくださいね。
ちなみにその大会では慶応を破っていますから、
いいジンクスにしてほしいと思います。
投手を総動員してつないでつないで、
勝機をつかんでほしいと思います。
ちょっと気温は低いですが、
いい日和になりそうな明治神宮大会の決勝の日。
激戦を期待しています。
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