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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

2016年 年末ボクシング観戦記 

2017年01月07日 | ボクシング

昨年末も、
12月30日・31日の年末2日間4会場で、
7つのボクシング世界タイトルマッチが行われました。

近年の傾向ではありますが、
なぜこんなにもたくさんの世界タイトルマッチが、
たった2日間で行われるのか、
理解に苦しんでいるワタシです。

こんなにあったんじゃあ、
世界タイトル戦の感動や興奮も分散・分割されて、
人々の心に残らないんじゃないかな……そんなことを思っています。

世界タイトルマッチというボクシング界きっての大イベントなんだから、
一つずつ丁寧にやって、顔も名前も売ってみたらどうかな?
世界チャンピオンなのに世間では全く顔も名前も知られていない人、
誰とは言わないけれど、これから紹介する中にもいますしね。。。。

とはいえボクシング好きにとっては、
年に1度の『超豪華ビュッフェスタイルのディナー』ってところで、
フランス料理もありゃあ、ステーキ、握りずし、イタリアン・・・・・おまけに郷土料理まであら~な
って感じで今年も、楽しんじゃいました。

でも一つだけ、言っときます。

昨年までは放送の時間だけは被らせなかったのに、
今年はTBSが時間を繰り下げたおかげで、
TBSとテレ東のタイトルマッチがまさに『まる被り』状態。

ボクシング界にとってどうなのよ、こういうのは……って、
ちょっと怒っています。


ということで、レビューを。


12/30

≪ボクシングフェス2016≫ ~有明コロシアム~
 ▼WBO世界Sフライ級タイトルマッチ 12回戦
  王者・井上尚弥(大橋) 6回1分1秒TKO  同級10位・河野公平(ワタナベ)
 ▼IBF世界Lフライ級タイトルマッチ 12回戦
  王者・八重樫東(大橋) 12回2分13秒TKO 同級8位・サマートレック・ゴーキャットジム(タイ)
 ▼10回戦(戦評;おまけ)
  WBO世界ミドル級3位・村田諒太(帝拳) 3回2分53秒KO ブルーノ・サンドバル(メキシコ)
 ▼8回戦(戦評;おまけ)
  清水聡(大橋) 3回1分9秒KO カルロ・デメシーリョ(フィリピン)


井上尚弥のSフライ級タイトルマッチで、WBAの前チャンピオン・河野公平を挑戦者に迎えました。
井上尚弥はとにかくボクシングファンからは『ロマゴン戦はいつ?』ということばかり言われ、しかも2年前のナルバエス戦以降はケガとの戦いに悩まされて、ある意味フラストレーションのたまった状態だったと思います。今回の相手にあの亀田興毅を破った河野公平を選んだのは、ある意味いろいろなモヤモヤを吹っ飛ばすために、苦労人にして粘りの戦いぶりを見せ、しかも前チャンピオンという肩書もある河野に『挑戦する』という意識もあったのではないでしょうか。試合前、河野が入場してくるときの、何か吹っ切れたような、それでいて決意をみなぎらせるような、そんな何とも言えない『いい表情』がとても印象に残って、心を揺さぶられました。そして1-5Rまで、これまでの中で『明らかに河野のベストバウト』ともいうべき動き、気合を見せられ、後半勝負にもつれ込むのかと思っていたところ、6Rに井上の左が一閃。まさに鮮烈なKOで、あのナルバエス戦を思い起こさせるような勝利を挙げて、改めて井上尚弥のポテンシャルの高さに驚きを感じました。まさに『強い!強すぎる!!』という感じ。やはり彼は、『日本のボクシングの歴史を変える男』に間違いはありません。一方多分これが引退試合になるであろう36歳の河野。この試合を見た誰もが、河野のきらめきを忘れないことでしょう。いい試合でした。

八重樫は1Rから続く『お父ちゃん、がんばれ~』の声に後押しされながらも、この日は実に冷静に相手をさばききった勝利でした。会場からは『KO見にきてんだよ!』なんて声も飛んでいましたが、ワタシはこの日のように本来の持ち味であるフットワークを巧みに使いポイントを稼ぐ八重樫の戦いに、安心感と心強さを感じました。そして最後は、判定で完全に逃げ切れる状況の中、最終Rであえて相手を仕留めに行って仕留めてくる凄さは、『う~ン、さすがは激闘王』と留飲を下げました。2017年のお正月は、きれいな顔のまま迎えられて、何よりですよ、八重樫チャンプ。まだまだワタシ達八重樫ファンを、興奮のるつぼに叩き込んでくださいね。

世界戦ではありませんが、この興行の前の試合の村田諒太の戦評をおまけで。もうあとは世界戦を残すのみとなっている村田諒太。ようやく世界が見えるところまでたどり着いた昨年の村田の、1年を締めくくる【世界前哨戦】でした。まあ、タイトルマッチができるのかどうかは興行でもあるので相手次第というところもありますが、いずれにしても『そこ』までたどり着いていることを十分にファンは意識できるKO勝ちでした。村田は2年ぐらい前の『話題先行』感が強くて無用にテレビであおられているころとは全く違ったファイトを見せてくれていますね。どこで、いつ世界戦が組まれるか。2017年は、ファンもドキドキしながら待つ1年となりそうです。
そして同じくロンドン五輪のメダリストである清水もこの日の興行に出場。デビュー戦は見ていなかったのですが、この日の試合を見る限り、『さすがはオリンピックのメダリストだなあ』と感心したとともに、プロ仕様のKOパンチの破壊力にも2度びっくり。30歳という、ボクサーとしては若干トウのたった年齢でのデビューとなりましたが、『ひょっとしたら世界まで届く?』という可能性を感じさせるファイトでした。ちなみに井上家のいとこ・浩樹もいいファイトを見せて、『これから』を感じさせてくれました。

この興行は、ワタシが楽しみにしているイベントで、今年も有明まで足を運びました。
昨年と比較して、なんだか盛り上がっている感じがしましたね。あまり間延びもせず、いい感じで試合が進行して、長時間ですが疲れは感じずに大晦日を迎えることができました。


  
12/31
~岐阜~
 ▼WBO世界Lフライ級王座決定戦 12回戦
  同級2位・田中恒成(畑中) 5回1分52秒TKO 同級1位・モイセス・フエンテス(メキシコ)

田中選手、2階級制覇ですか。しかし『なぜ?』が一番多い興行です。大みそかの夕方にやっても、テレビではほとんど見られることはないでしょう。かなり強さを見せてのいい勝ち方をしたということなので、もったいないです。名前、顔、どんどん売り出したらいいのではないでしょうか。楽しみな逸材ですね。


12/31
~京都・島津アリーナ~
 ▼WBA世界フライ級王座統一戦 12回戦
  正規王者・井岡一翔(井岡) 7回2分51秒KO 暫定王者・スタンプ・キャットニワット(タイ)
 ▼IBF世界Sバンタム級タイトルマッチ 12回戦
  同級5位・小國以載(角海老宝石) 3-0 王者・ジョナタン・グスマン(ドミニカ)
   ※3者とも115-112

井岡選手のタイトルマッチは、チラっチラっと見た程度だったので、特に戦評はありません。安定の防衛というところではないでしょうかね。それよりも小國選手の素晴らしさ。実は初めて試合を見た選手なのですが、見事な戦いぶりでしたね。ローブローと判定されたものも、明らかに倒していましたし、3ポイント差というのも個人的には納得いかないぐらいの完勝劇でした。なにやら、小國選手は、この後岩佐選手との防衛戦をやる模様ですね。ずっと前から注目してきた岩佐選手ですが、なかなか最後の殻を破れていない状況なので、この日本人対決は楽しみです。それにしても小國選手、こんなに素晴らしいボクサーだったんですねえ。。。。見ていてうれしくなっちゃいました。



12/31
≪THE BEST OF BEST≫ ~大田総合体育館~
 ▼WBA世界Sフェザー級スーパータイトルマッチ 12回戦
  王者・ジェスレル・コラレス(パナマ) 2-1 同級3位・内山高志(ワタナベ) 
   ※117-110、113-114、115-112
 ▼WBA世界Lフライ級タイトルマッチ 12回戦
  王者・田口良一(ワタナベ) 1-1ドロー 同級3位・カルロス・カニサレス(ベネズエラ)
   ※116-112、112-116、114-114

もうなんというか、ショックでしたね。あの内山が春に敗れたということ自体がワタシの中では整理できていなかったのに、再戦でまた敗れた。。。。それがショックで、なんだかいい年越しになりませんでした。確実にリベンジしてくれるだろうと思っていたもんですから。
序盤まったく捕まえられなかった内山が、中盤に捕まえ始めると終盤には見事なボディでダウン寸前まで追い込みました。『決まったああああああああああ』と大興奮だったのですが、その後はコラレスが見事なまでの姑息なクリンチ・ホールディング、挙句の果ては靴紐結ばず時間稼ぎ・・・・・の必殺技まで繰り出してきて、しのぎ切られてしまいました。コラレスは8Rぐらいから、あれだけ下がって下がって、クリンチ、ホールディングを繰り返していたので、判定は『競るけど内山だろう』と思っていたのですが、その淡い期待は見事に裏切られて、1-2の判定負けとなってしまいました。
まだ引退するとは言っていないところが、唯一の救いでしょうか。コラレスをぶちのめしてくれなきゃあ、胸のつかえは取れません。内山チャンプ、まだまだグローブを置くのは、早いんじゃないでしょうか。
一方の田口。こちらは『ひょっとしたら負けたんじゃ・・・・・』と思いましたが、何とかドローで防衛。救われました。この試合をいい糧として、今後も防衛回数を伸ばしてもらいたいものです。


ということで、
7つの世界タイトルマッチのうち、
現地観戦=2
テレビライブ観戦=2
テレビ録画観戦=2
未観戦=1
ということで2016年を締めました。

2016年は、
長谷川と山中のあの『超絶な夜』もありましたし、
楽しく観戦できた年でしたね。

2017年もワクワク、ドキドキが止まらない年になるといいですね。
村田諒太もいることだし、井上尚弥の海外進出もあるかもしれんし。。。。。
話題満載の匂いが、ぷんぷんしています。


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