第3回は、関東勢の記録です。
春は6チーム、夏は9チームが甲子園に出場しますので、
膨大な量の記録になりますね。
かつては神奈川、千葉が引っ張り、
近年は北関東勢の躍進が目立つ関東地区ですが、
記録をひもとくと、どんな傾向が現れるでしょうか。
関東勢は、今夏の選手権予選に1045校(チーム)が参加。
全国での占有率は、26.8%を占めている”大票田”です。
≪関東勢の記録≫
*記録の見方;春⇒選抜大会の成績 夏⇒選手権大会の成績
勝敗; 〇勝〇敗〇引分 勝率 優勝-準優勝-ベスト4-ベスト8
◇茨城地区戦績
2010~2015 春 2-3 .400 0-0-0-1 夏 4-6 .400 0-0-0-1 合計 6-9 .400 0-0-0-2
2000~2009 春 8-9 .471 1-0-0-0 夏 10-9 .526 1-0-0-0 合計 18-18 .500 2-0-0-0
1990~1999 春 10-6 .625 0-2-0-0 夏 13-10 .565 0-0-1-2 合計 23-16 .590 0-2-1-2
1980~1989 春 4-6 .400 0-0-0-2 夏 13-9 .591 1-1-0-0 合計 17-15 .531 1-1-0-2
36年合計 春 24-24.500 1-2-0-3 夏 40-34 .541 2-1-1-3 合計 64-58 .525 3-3-1-6
◇栃木地区戦績
2010~2015 春 5-4 .556 0-0-1-0 夏 10-6 .625 0-0-1-1 合計 15-10 .600 0-0-2-1
2000~2009 春 6-7 .462 0-0-1-1 夏 6-10 .375 0-0-0-0 合計 12-17 .414 0-0-1-1
1990~1999 春 5-5 .500 0-0-0-1 夏 4-10 .286 0-0-0-1 合計 9-15 .375 0-0-0-2
1980~1989 春 8-4 .667 0-1-1-0 夏 7-10 .412 0-0-0-0 合計 15-14 .517 0-1-1-0
36年合計 春 24-20.545 0-1-3-2 夏 27-36 .429 0-0-1-2 合計 51-56 .477 0-1-4-4
◇群馬地区戦績
2010~2015 春 7-6-1.538 0-0-1-2夏 13-5 .722 1-0-0-1 合計 20-11-1.645 1-0-1-3
2000~2009 春 0-6 .000 0-0-0-0 夏 9-10 .474 0-0-1-0 合計 9-15 .375 0-0-1-0
1990~1999 春 4-7 .364 0-0-0-2 夏 16-9 .640 1-0-2-0 合計 20-16 .556 1-0-2-2
1980~1989 春 0-3 .000 0-0-0-0 夏 6-10 .375 0-0-0-0 合計 6-13 .316 0-0-0-0
36年合計 春 11-22.333 0-0-1-2 夏 44-34 .564 2-0-3-1 合計 55-56 .495 2-0-4-5
◇埼玉地区戦績
2010~2015 春 11-5 .688 1-0-1-0 夏 5-6 .455 0-0-0-1 合計 16-11 .593 1-0-1-1
2000~2009 春 9-6-1.600 0-1-0-2 夏 7-11 .389 0-0-0-1 合計 16-17-1.485 0-1-0-3
1990~1999 春 14-8 .636 0-1-1-2 夏 11-11 .500 0-1-0-0 合計 25-19 .568 0-2-1-2
1980~1989 春 2-5 .286 0-0-0-0 夏 12-10 .545 0-0-2-0 合計 14-15 .483 0-0-2-0
36年合計 春 36-24-1.600 1-2-2-4 夏 35-38 .479 0-1-2-2 合計 71-59 .546 1-3-4-6
◇千葉地区戦績
2010~2015 春 1-2 .333 0-0-0-0 夏 9-6 .600 0-0-1-1 合計 10-8 .556 0-0-1-1
2000~2009 春 8-7 .533 0-0-1-0 夏 14-11 .560 0-1-1-0 合計 22-18 .550 0-1-2-0
1990~1999 春 5-4 .556 0-1-0-0 夏 19-11 .633 0-1-1-2 合計 24-15 .615 0-2-1-2
1980~1989 春 7-8 .467 0-1-0-1 夏 8-10 .444 0-0-0-1 合計 15-18 .454 0-1-0-2
36年合計 春 21-21.500 0-2-1-1 夏 50-38 .568 0-2-3-4 合計 71-59 .546 0-4-4-5
◇東京地区戦績
2010~2015 春 14-11 .560 0-1-2-1 夏 21-11 .656 1-0-2-1 合計 35-22 .614 1-1-4-2
2000~2009 春 8-15-1.333 0-0-1-2 夏 35-18-1 .660 2-0-1-5 合計 43-33-1.566 2-0-2-7
1990~1999 春 19-18 .513 1-0-2-1 夏 23-19 .548 1-0-0-4 合計 42-37 .532 2-0-2-5
1980~1989 春 27-18 .600 1-4-0-0 夏 33-19 .635 1-1-2-2 合計 60-37 .619 2-5-2-4
36年合計 春 68-62-1.523 2-5-5-4 夏 112-67-1 .626 4-1-5-12 合計 180-129-2 .583 7-6-10-18
◇神奈川地区戦績
2010~2015 春 7-4 .636 1-0-0-0 夏 14-5 .737 1-1-0-1 合計 21-9 .700 2-1-0-1
2000~2009 春 20-10.667 2-1-0-1 夏 20-11 .645 0-0-2-3 合計 40-21 .656 2-1-2-4
1990~1999 春 15-12.556 1-1-1-0 夏 20-10 .690 1-0-0-2 合計 35-22 .614 2-1-1-2
1980~1989 春 15- 8.652 0-1-3-0 夏 18-9 .667 1-1-0-0 合計 33-17 .660 1-2-3-0
36年合計 春 57-34.626 4-3-4-1 夏 72-35 .673 3-2-2-6 合計 129-69 .652 7-5-6-7
◇山梨地区戦績
2010~2015 春 0-1 .000 0-0-0-0 夏 7-6 .538 0-0-1-0 合計 7-7 .500 0-0-1-0
2000~2009 春 3-4 .429 0-0-0-1 夏 8-10 .444 0-0-1-0 合計 11-14 .440 0-0-1-1
1990~1999 春 11-7 .611 0-0-2-1 夏 10-10 .500 0-0-0-1 合計 21-17 .553 0-0-2-2
1980~1989 春 7-5 .583 0-0-1-2 夏 11-10 .524 0-0-1-0 合計 18-15 .545 0-0-2-2
36年合計 春 21-17.553 0-0-3-4 夏 36-36 .500 0-0-3-1 合計 57-53 .518 0-0-6-5
【関東地区戦績】
2010~2015 春 47-36 .566 1-0-3-3 夏 83-51 .619 3-1-5-7 合計 130-87 .599 4-1-8-10
2000~2009 春 62-64-1 .492 3-2-3-7 夏 109-90-1 .548 3-1-6-9 合計 171-154-2 .526 6-3-9-16
1990~1999 春 83-67 .553 2-5-6-7 夏 116-90 .563 3-2-4-12 合計 199-157 .559 5-7-10-19
1980~1989 春 70-57 .551 1-7-5-7 夏 108-87 .554 3-3-5-3 合計 178-144 .553 4-10-10-10
36年合計 春 262-224-1.539 7-14-17-24 夏 416-318-1 .567 12-7-20-31 合計 678-542 .556 19-21-37-55
70年代から、その力をグングンと伸ばして来た関東勢。
70年代初頭、2年連続で神奈川勢が選手権を制覇したと思えば、すぐその後には2年連続で東京勢が選抜を制覇。その中には、史上初の東京決戦(日大桜ヶ丘vs日大三)という対戦も含まれていました。そして74,75年には千葉勢が選手権を連覇。その翌年には東京勢が久々の全国制覇と、≪関東を制する者が全国を制する≫と言われた時代が続きました。
しかし70年代後半になり、近畿勢、四国勢などの巻き返しにあい、後塵を拝する80年代を経験します。80年代は、箕島の春夏連覇に始まり、”やまびこ打線”池田の時代を挟んでKKを中心としたPL学園が王国を築くといった時代。まさに高校野球は、西日本を中心に回っていました。そんな中で、愛甲の横浜が80年に、のびのび野球の取手二が84年に、そして帝京が89年にぽろっぽろっと出てきて優勝はしますが、この時期の関東勢の姿をいちばんよく表しているのは、ワタシは荒木大輔擁する早実だったのではないかなと思ったりしています。
荒木の早実は、そのスマートな野球で甲子園を席巻するものの、いつも『たくましい』と表現されるチームに叩かれて優勝まで届かず敗北。最後まで大旗には届きませんでした。『エリートを取り揃えて、戦い方もスマートなんだけど、なんというか、ここという時に、ひ弱さが隠しきれないんだよね~』という様なチームカラーでしたね。『あ~。東京のチームだな~』と良くも悪くも言われるようなチームでした。
その一方で、『そうそう、こういうのも、実に関東らしい』と思うチームもありました。それが取手二。優勝した時、そののびのびとした振る舞いが話題になりましたが、彼らは典型的な”関東人”のチームのような気がしますね。そのココロは、『調子に乗っている時はとてつもない力を発揮する。しかし調子に乗れないときは、淡泊になって、思わぬところでぼろが出たりする。』そんなところでしょうか。優勝した時の彼らは、まさにその気質の”正の側面”が凝縮したような感じでした。それでなければ、あの最強のKKコンビ擁するPLを、9回に追いつかれるという展開の中で倒せるはずがありませんからね。
そんな80年代を過ぎて時代は平成に突入。平成に入ると、関東の高校野球も、質的な変化に見舞われました。伝統を誇った銚子商・習志野、上尾、横浜商などの公立勢が力を落とし、新たに野球部の強化をうたった私立勢が台頭。完全にその勢力図は塗り替えられました。
90年代に入り、関東勢も『強豪』と呼ばれるチームがそのまま力を出して全国上位に食い込むケースが多くなり、横浜・常総学院・浦和学院・帝京などが主に地区の中でも抜きんでた存在になっていきました。これらのチーム、特徴は『長く監督を続ける名指揮官に率いられ、長期スパンでチーム作りを推し進めてきた』という特徴があります。コロコロと監督が交代するチームよりも、じっくりと腰を据えて強化を図ったチームが席巻したということです。『学校の名前よりも、指揮官の名前』でチームが語られる時代と言えるでしょう。中でも光ったのは、なんといっても98年の横浜高校。空前絶後の、1年間公式戦負けなしという大記録を打ち立てて、時代を駆け抜けていきました。この10年間で、関東勢は5度の優勝、7度の準優勝に輝き勝率は.559。輝きを放っていた時代と言えますね。
00年代に入り、さらに『私学偏重』の流れが加速。その流れは、今まで公立の天下だった埼玉、群馬、栃木などの北関東も巻き込んで、決定的な流れとなってきます。この10年は、神奈川・東京の力が突出し、その他の県では常総学院が01年春・03年夏の2度の全国制覇を達成したのみで、横浜、日大三、早実などのキラ星スターを揃えた学校が実績を残していきました。神奈川・東京で83勝、優勝4度という実績は、他の追随を許さない輝きを放ちました。しかし関東全体でみると、なんだか『地盤沈下』という感じがしないでもなく、特に北関東勢の巻き返しが期待されていた時期でもありました。
そして10年代に突入。ここ6年は、関東の高校野球に激変が起こっているといってもいいでしょう。完全に『新たなる波』が押し寄せて、今までの流れでは語れない高校野球界となっています。そのニューウェーブは群馬から。新たなる学校として、健大高崎が名乗りを上げて『機動破壊』という新しいチームスローガンのもと、素晴らしい戦いを見せてくれていると思えば、負けじと登場したのが『凡事徹底』の前橋育英。その前橋育英がなんと初出場で全国制覇を達成し、この2強が県内で激しいつばぜり合いを演じることでレベルをあげ、ずっと関東の中では地味な存在であった群馬県勢が一躍≪関東トップレベル≫に君臨することになっているというのが現状です。そしてそのお隣の栃木では、名門の作新学院が若き名将・小針監督で復活を遂げて5年連続の選手権出場。00年代はずっと『関東の中で、ややお荷物』的な感じの受け止められ方をしていた栃木のレベルを、一気にあげました。そして長年の強化により、ようやく【全国の強豪】として実績を上げ始めた浦和学院も加わり、00年代は北関東勢が関東全体をリードするという構図になりかけ・・・・・・・ました。しかし今年の夏、長いこと”強い強い”と言われながら脆さも出していた東海大相模が、選手権でその強さを満天下に見せつけて、新たな時代をリードしていくことを高らかに宣言。『15年に一度』スーパースターを生む早実からは、清宮というスター候補が飛び出しました。ということで、ここ数年、関東の高校野球界、活況を呈していると言えるのではないでしょうか。
優勝は36年で19回、準優勝は21回。36年で40回の決勝進出ということは、毎年何らかの形で決勝の舞台を踏む関東勢。これからは、近畿勢に加えて東北・北信越勢が大きなライバルになってくることが予想されています。勝率は36年間全体で.556。この数字は、ほぼ36年間一貫しているといってもいいでしょう。
この数字は、今後も大きく変化していくことはないとみられます。この東京を中心とした首都圏では、高校野球に求められるのは、スーパースター。古くは荒木、松坂、斎藤、清宮・・・・・。これらのスターがいる時は、一時的に高校野球人気は上がっていきます。しかしながら、関西の人たちなどと違って、スターがいない年は高校野球人気はさっぱりというのも関東人の特徴。『野球文化』が土地に根差していないともいえます。(唯一神奈川の『高校野球熱』だけは別だと思っていますが。)
そんな関東の高校野球。これからどうなっていくかは、どんなプレーヤーが出てくるかにかかっているかもしれませんね。(実に東京のマスコミが作り出す『人気』ってとこですかね。)
一言ずつ各県ごとに見ると。
茨城は、木内監督抜きに高校野球を語ることはできません。取手二・常総学院で全国制覇3回準優勝2回という実績は見事というほかありません。『木内の前に木内なし』ですが、『木内の後に』果たして道は作られているのでしょうか。
栃木は、先にも触れましたが、今までの”(73年の)江川後”の四半世紀の沈んだ空気を、作新の小針監督がすべて吹き飛ばしてくれそうな勢いです。それまでほとんど勝ち越すことがなかった栃木県勢の勝率は、”小針時代”が始まってからは6割を超えます。作新の台頭に触発された他校にも戦力アップの兆しがあり、『いい傾向』にあると思いますね。
群馬は、過去20年で桐生一、前橋育英の2度の全国制覇を達成し、近年は健大高崎が台頭。これまでとはガラッと変わった勢力図になりました。関東最後の『公立王国』でしたが、今後は公立校が甲子園に登場するのは至難の業になりそう。期待と注目は、健大高崎がいつ全国制覇を達成するのか。『大エース』出現と同時に、その野望は達成されそうな予感です。
埼玉も80年代終盤までは公立王国。何しろ85年に立教が出場するまで、夏の選手権に私立校を送り込んだことはなかったのですから。しかしそれも今は昔。センセーショナルなデビューを飾った後しばらく甲子園で勝てなかった浦和学院が、近年ようやくその殻を破った感じで『絶対王者』の地位を確立させてきています。そこに花咲徳栄、春日部共栄などが絡んでいるものの、まだ夏の選手権で全国制覇の経験がないのもまた事実。関東では埼玉と山梨だけで、これを早期に解消することが『強豪県』と位置付けられるための一里塚。
千葉はかつての栄光はいずこに・・・・・の状態が長く続く。それはとにかく選手が各校に分散することが主因だろう。かつては銚子商と習志野が県の覇権を激しく争い、勝った方は甲子園で上位に進出するのがお約束・・・・の時代が続いた。『千葉を制する者は、甲子園を制す』の言葉も生まれたほどだ。選手の質は相変わらず高く、しかも野球熱も高いから現在でも甲子園出場校は、聖地で1・2勝程度は挙げることができるが、『絶対的なチーム力』を有していないからなのか、上位進出は厳しい状況が続く。この36年間で全国制覇を経験していない県は、栃木・山梨とこの千葉だけ。今年の選手権も、関東各チームが大活躍する中で、あえなく初戦敗退。王国復活はなるのか。そのためには、県を引っ張る『絶対王者』の出現が不可欠か。
東京は、予選の出場校は多いものの、『甲子園で勝つ強豪と、その他のチーム』の色分けが実にはっきりしている。そのため予選が激戦になりにくい傾向が長く続いたが、近年は若干その傾向にも改善が見られてきた感じがする。『本気で甲子園を狙う』チームも多くなってきたか。甲子園では6割近い勝率を残し、優勝7回、準優勝6回とかなりの実績を残すが、この実績のほとんどは数校の『特定のチーム』によるもの。早実、帝京、日大三に近年では関東一などを加えた、ごく少数のチームが実績を積み上げてくれているというのが実情だ。それゆえ、東京の高校野球ファンは、甲子園に出場するチームによって『今年は期待できるか否か』を判断。それが年によって注目度がかなり違う・・・・・という現象を生んでいるとみる。まあ、たまに都立が出場するときには、その地域だけはやけに盛り上がるが。。。
神奈川は、こうして数字を出してみるとその実績の凄さに改めて驚かされる。『全国屈指の野球強豪県』の面目躍如だ。この36年の数字にしても、『神奈川を制する者は全国を制す』と言われた70年代や、夏春夏の3連覇を狙った法政二の黄金時代の実績は入っていないのだから恐れ入る。.652という勝率の凄さはもとより、7回の全国制覇、5回の準優勝などの実績もさすが。夏の神奈川大会を見ると、『どうして神奈川は強いのか』が一目瞭然。何しろ2回戦ぐらいから、質の高い野球をするチームが目白押しで、どうしても東京大会と比べてしまうワタシなどは、『東京と神奈川の、ベスト8以下のチームのレベルの差はいかんともしがたい』といつも思ってしまう。そして、4回戦で球場を満員札止めにしてしまうほどのファンの熱気。夏の大会は『神奈川にしかない』ものがたくさんある大会だ。関東の中で唯一、『高校野球が文化だ』と言えるのは、神奈川しかないように思う。
山梨は、関東で唯一春夏共に全国制覇のない県。周辺各県に比べて、突出して少ない県大会参加校数ということがその要因。しかし近年は、それゆえの『甲子園への近道』ということで、東京、神奈川の有力な中学選手たちが有力校にこぞって進学するという流れも出来上がっている。そういう点では、なかなかのチームを作っている学校も多い。歴史をひもとけば、80年代の東海大甲府は、大八木監督の元『全国制覇』を意識して作られたチームだった。しかしその夢破れ大八木監督が去った後、なかなか全国での実績が追い付いていかない20年を過ごしてきた。だが、近年は東海大甲府の復権や山梨学院大付の台頭など、面白いことになってきている印象もある。勝率は各年代ともに5割前後をたたき出しており、決して『戦えない』県ではない。しかし大舞台における最後の最後では、激戦地を勝ち抜いてきたという『積み重なった経験値』がないというのが、ウィークポイントとなってしまっているように思える。何とか早く決勝に進出して、県の高校野球史に新たな1ページをかきこみたいところだ。