アルファロメオと小倉唯

最後のHappy Christmas?

いろいろあって、結局、昨晩の主日のミサには参加しませんでした。

 

本当はボイコットしたわけではないのですが、今の教会の有様を見ていると…

 

ミサをボイコットしてもおかしくないぐらいなので、まあいいかと。

 

ただ、思いがけず私の息子が、恋人を伴って実家の所属教会のミサに与かって…

 

(彼女は信徒ではないのですが「後学のために」でしょう)

 

妻はその彼女から挨拶されたそうです。

 

息子の恋人、会ってみたかったな。

 

それだけでも行く意味はあったのに。後悔先に立たず。

 

 

 

ところで、かなりの日本人が、楽しくクリスマスを迎えたであろうことを思うと…

 

それに水を差すようで申し訳ないのですが…

 

個人的には、キリスト教に全く関心がない人がクリスマスを祝う必要はないと思います。

 

日本でここまで多くの人が、大々的にクリスマスを祝うようになったのは…

 

戦後の進駐軍や、朝鮮戦争に向かう米軍人のまねをしたのが始まりのようです。

 

特に、過酷な朝鮮戦役に向かう、なかば自暴自棄になった兵士たちの乱痴気騒ぎが…

 

浮かれて楽しそうに見えたので、それを、私らの親世代がまねたのが最初のブーム。

 

父親が若いころは主に男が、三角帽をかぶり、夜の街を集団で飲み歩くものだったとか。

 

男だけの集団でというのが、いかにも軍隊のマネらしいところ。

 

父などは、調子に乗りすぎて地元のチンピラと喧嘩騒ぎを起こした仲間の巻き添えで…

 

留置場で朝を迎えたこともあったとか。

 

日本でかりそめの休暇を過ごす米兵の、酒場での馬鹿騒ぎそのものです。

 

米兵だって母国では、そんなクリスマスの祝い方を、まともな人ならばまずしない。

 

そこから時代が下るにつれて、資本主義=消費万歳のネタになって…

 

チキンだ!ケーキだ!の食欲と、サンタさんが来る!の物欲の祭典に変化して。

 

80年代に入ってそこに性欲まで加わり、その夜はカップルで慣れないフレンチなど食べ…

 

その後は、分不相応な高級ホテルに泊まるのが、お約束だと。

 

バブルに向かう頃から90年代前半まで続いたこの「リア充の祭典」としてのクリスマス。

 

「聖夜」ならぬ「性夜」だと、雑誌などのメディアが面白おかしく囃し立てる状況。

 

ここまで本来のものとかけ離れてしまうと、もはやグロテスク以外の何物でもない。

 

そんなぐらいなら、クリスマスなんて無視する方が良かったのに。

 

 

 

昨今では、多民族化している米国や西欧では…

 

宗教の異なる人々への配慮から、Christ=キリストという言葉が入る…

 

「Merry Cristmas」というお祝いの言葉をやめて「Happy Holidays」とカードに書いてます。

 

そういう時代なんだから、キリスト教徒なんて人口の1%以下しかいない日本人の場合…

 

「クリスマスは必ず祝うもの」という強迫観念から自由になってもいいような気がします。

 

ただクリスマスがないと、多くの個人経営の洋菓子店の経営が成り立たなくなったり…

 

一番美味しい炭酸飲料と思っている「シャンメリー」のコダマ飲料さんが潰れちゃうから…

 

クリスマスの代わりに、何か「ケーキの日」みたいなのを作ってもいいかも。

 

 

 

いや…いずれにしても来年末には、日本の人が楽しいクリスマスを祝える環境でなくなるかも。

 

増税と物価高にあえぐ国民感情と、派閥の政治資金パーティーをめぐる「裏金」問題で…

 

支持基盤が盤石でなくなりつつある今の与党は、とりあえず改憲を急ぎ始めています。

 

とにかく「緊急事態条項」だけでもいいから、憲法の中に入れたいと。

 

緊急事態を発令していれば、国民の支持など皆無でも、現有勢力での支配は続けられる。

 

その他の、9条がどうしただの何だのは、どうとでもなし崩しにできるから…

 

とりあえず「緊急事態条項」を入れる案だけ、来年になったらさっそく国会で発議をして…

 

それは当然通るから、あとは「なる早」でメディアを通じて国民合意のキャンペーンをして…

 

国民投票で投票者の中の過半数を取って、来年中に大急ぎで公布してしまえと。

 

公布されたらこれまた「なる早」で施行に持って行って、施行後は、即緊急事態発令でしょう。

 

(現行憲法は公布から施行まで6か月かかりましたが、どうなるか)

 

そうすれば、議席の入れ替えのための、選挙も行われなくなる。

 

緊急事態なんて作り出そうと思えばどうにでも出来るし、延長に次ぐ延長も可能。

 

その時点で圧倒的な力を持つ政治勢力があれば、事実上の独裁体制の完成です。

 

来年の今ごろは、独裁政治への道筋がすっかり完成している可能性も高い。

 

その状態で、国際関係の動向や経済情勢も、ますますきついことになっている…

 

なっていなくても「大変なことになった」と報道されていることでしょう。

 

と考えると、来年のクリスマスを、私たちは心穏やかに、楽しくは迎えられないかも。

 

今年のクリスマスが、日本人にとって「最後のHappy Christmas」になることもあり得る。

 

クリスマスだけじゃなくて「もういくつ寝ると」やって来る、お正月もそう。

 

いや「あまりに悲観的」ではなくて、本当に十分あり得ることなんですよ。

 

この状況で「天下泰平」のままいられる方が、むしろ奇跡に近い幸運だと思います。

 

今日電車に乗る機会があって、坊主頭の、運動部と思われる高校生の集団を見たら…

 

この子たちが二十歳を過ぎるころには、国家安全保障のためという名目で…

 

その実米国の東アジア戦略と中国の海洋進出戦略との間に立たされ、他国の政治目的のため…

 

どこかの戦地に出征させられ「水漬く屍、草生す屍」になっている未来が、幻視されて。

 

それは同時に、まだ二十二歳の我が息子の未来でもあるのであって。

 

彼が研究者として国外に出るのは、もう、間に合わないような気がします。

 

前の戦争のときは、まだ戦争指導者にまともな「戦略」を持つ者もいたので…

 

理科系の学生は、兵器開発の要員にするため前線への出征が見送られましたが…

 

今の指導層は、生まれた時から甘やかされて育った二代目三代目政治家のぼんくらと…

 

ペーパーテストで勝つことだけに特化された、ロボット人間どもだし…

 

兵器はすべて米国製をお仕着せさせられるでしょうから…

 

理系の学生や研究者でも、お構いなしに前線に送って死なせるのではないか。

 

そんなぐらいなら、彼らが生まれて来たことが、果たしてよかったのだろうか。

 

うちの子も、この世界に生まれさせてしまって、よかったのだろうか。

 

そう思えて涙で目の前が曇りました。

 

どう頑張っても、金も力もない個人の発する警鐘には、頑として動こうとせず…

 

逆にカネをかけて、人気の有名人や、権威のある人物を動員して…

 

大きなメディアやネットを利用した広報宣伝には簡単に扇動される。

 

そんな多くの人々の姿をみていると、正直、絶望せざるを得ない。

 

本当の意味でのジャーナリズムは死に体になっているし。

 

諦めるな!と言われても「聞きますがどこに希望の兆しがありますか?」と返したい。

 

「では具体的に現代の大衆を、動かしてみてくださいよ。あなたできますか?」と。

 

世界の片隅の片隅で起きている、小さな良い動きも、大きな時代のうねりの前には…

 

結局、なすすべもなく押し流されてしまうことでしょう。

 

うちの息子が命を落とすようなことになったら、私はとても生きていられない。

 

世界全体も破滅でしょう。人類の文明は何千年、もしかすると何万年も後退するかも。

 

他ならぬ私たちの愚かさのせいで。

 

そんなことになる前に、永遠に目を閉じてしまいたい気さえします。

 

息子が恋人と幸せそうに過ごしている様子を見聞きするにつけても…

 

かえって胸が痛くなるばかり。

 

彼らを、バブルの時代を遊んで過ごしてしまった我々の悪行の犠牲にしてしまうのか。

 

まさに「親の因果が子に報い」です。昔の縁日の芝居小屋の台詞のように。

 

クリスマスも正月も、おめでとうなんて言ってられないです。少なくとも私は。


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コメント一覧

angeloprotettoretoru
@白鑞金さま。
こんばんは。
再就職というような大層なものではないんですよ。
ただ海外にいる友だちや知り合った人と一緒に、外国の出版社から著作を出さないか、という話になっているだけです。
うまく行くかどうかも不透明で…。
でもまた仕事をする流れになっているのは新しい動きで、ポジティブに捉えていいのではないかと思っています。
白鑞金
こんにちは。

>「聖夜」ならぬ「性夜」

流行りましたね。この種のギャグにはまいりました。

それはそうと再就職ご決定とのこと。虚業ばかりが幅を利かせる昨今すが、どうかお身体お大事にと願ってやまません。
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