自分での見立ての通り、やはりブレーキを引きずってました。
ホイールの過熱だけでなく、強く制動すると微妙に片利きする感覚があったり、燃費が落ちてたりしたから……やっぱりそうですよね。
社外部品で直せないことはないけれど、修理代が、金額的には難しいところ。
なにしろ金欠なので。妻と話し合って、直すか手放すか決めたいと思います。
30年連れ添った相棒と別れるとなると、文字通り手足をもぎ取られるようなつらい思いがありますが。
(同じ車に30年乗り続けた経験がない人には分からないかも)
でも、それほど金がないんだからしょうがない。はぁ……
私の人生も、30年間続いたひとつのステージが終わった、ということなのかも。
ここらでひとつ、これまでの愛車遍歴を振り返ってみるのもいいかもですね。
普通自動車運転免許を初めて取ったのは20歳のときだから、かれこれ運転歴は39年になります。
免許取ってすぐ手に入れた車は、いとこから諸費用以外は「ただで」譲り受けた、トヨタの初代カローラでした。
色は違うけど(茶色?あずき色?)こういう車です。
これが実にひどいオンボロでね。古かったからしょうがないけど。
まずアライメントが狂っていたんでしょう。とにかくまっすぐ走ってくれない。
その上ハンドルの遊びが多すぎたので、それはそれは、怖いこと……笑
外板もサビだらけで、トランクは腐食して底に穴が開いていて、ゴルフボール大以下のものだと道路に落っこちちゃいました。
「直せよ」と言われるかもしれませんけど、まだ学生だったし、だましだまし乗ってました。
当時の仲間が乗っていた車も、親の車じゃないのは酷いやつばっかりで。
黄色いホンダアコード(CVCC)に乗ってる友達もいましたけど…
みんなでドライブに出かけて、どこも壊れず無事に帰って来たことがないというぐらいで、私のカローラよりもポンコツでした。
で、大学出て就職したら即、ローンを組んで車を買いました。
こちら。フォードフェスティバ・キャンバストップです。色は白。
(画像は拾い物ですごめんなさい)
チャラチャラしてますよねー。笑
フォードと言ってもバッジがフォードなだけで、実質マツダの車。輸入車じゃないです。
エンジンは4気筒DOHCだけどあんまり速くないし、運転して面白くもないし、乗ってた期間は短かったのに、結構故障したし。
いい思い出はない…というかほとんど何も印象に残ってない車ですね。
で、2年足らずですぐに買い替えて、こちらに。
プジョー205GTI。初めての外車。フランス車です。
当時私はモータースポーツ大好き人間で、プジョー205ベースのラリーカーが強くて。
WRCやパリダカで活躍していたイメージがあったので、これを買いました。
ハンドルは右でしたけど、パワステじゃなかったし、クラッチも渋滞すると脚がつりそうになるほど重かったです。
そこそこ速かったし、コーナリングはほとんどロールしないで、オンザレールで曲がる感じで。
なかなかに男っぽいというか、ハードボイルドなやつでした。
これに乗っている間に、国内A級ライセンスをとって、マーチ使ってツーリングカーレースで遊んでました。
アメリカのレーシングスクールに通って、あちらのベースフォーミュラのライセンスも取りました。
当時はお金あったんです。
バブル全盛期だったし。
社会のためにならないお仕事(芸能マスコミ系)してたのもあって。そういうブルシットなお仕事ほど、お金は儲かるんですよ。
自分で言うのもなんだけど、仕事できたし。
でも、そんな世の中間違ってるし、自分がダメになる、ということで自主的に辞めましたけど。
このころから愛車に名前をつけ始めて。
今の妻と付き合い始めたら、彼女が付けるようになったんですが。
「プーちゃん」と呼んでいました。笑
プーちゃんも、結構あちこち壊れて手がかかりました。
前輪のサスペンションのストラットが突然破断するという、深刻なトラブルもありました。
急にワイパーが折れて、ぐちゃぐちゃな動き方をし出したり。その動きの面白さに思わず笑っちゃいましたけど。
露天の駐車場に駐めてたんですけど、雨が降った翌日は必ず、後席の床に水がたぷんたぷんに溜まってたし。
彼女(現妻)と一緒に、プラコップなど使って、一生懸命水をかき出してから乗っていました。
文句を言いながら、そういうのもなんとなく楽しかったりしましたけど……
で、その彼女と結婚して、すぐに買ったのが「メメ」だったわけです。
妻がもともとアルファ好きで、いちど試乗だけしてみようとディーラーに行って(当時は大沢自動車が売ってました)…
乗ってみたらわずか10分ほどで、アルファツインカムエンジンとハンドリングの気持ち良さに惚れこんじゃって、購入となりました。
その時点では、まさか30年も乗り続けるとは思ってなかったですけれど。
ディーラー系工場の整備員のレベルの低さには悩まされましたけど…
何度も言っている通り、メメはほんとに手のかからない、超優等生で。
20年ぐらい乗った段階まで完全ノートラブルで、故障したのはパイオニアのオーディオシステムと、デンソーのカーエアコンだけ。
信じられないでしょ。
でも本当なんだから仕方ない。
イタ車だって個体が「当たり」で、ちゃんと定期的に整備して、油脂類など換えるものさえ換えていれば、全然故障しないんですよ。
こうして振り返ると、自分が日常使うために買った車で、故障で悩まされなかったのってメメが初めてだったんですね。
まあ、あとは最近中古で買ったペッピーノが「当たり」っぽいですかね。
でも妻が、左ハンドル&マニュアルのメメの運転はどうしてもきつい、というのでセカンドカーに買ったのがこれ。
ルノーのルーテシアです。色はグリーンメタリックでした。
写真は海外仕様で、クリオという名前のものですけど。
(年式も微妙に違うかも)
私はたまにしか運転しなかったですけど、妻はそれなりに気に入っていたみたいです。
ただ妻に言わせると、とにかく「遅い」というのが難点で。
今考えると、最初からエンジンの調子がいまいちだったのかも。
その上、ミッショントラブルやらブレーキトラブルやら、しょっちゅういろいろとありました。
で、2年半ほど前ついにエンジンが完全にご臨終となってしまって、廃車になりました。
その代わりに迎えたのが、2か月前まで一応うちの車庫にあった、ロロ=アルファロメオ2.0JTS スポーツワゴン。
この子も最初からエンジンの調子がいまいち。
三菱が開発したGDIの技術を取り入れ、アルファが改良して作った「JTS」エンジンは、評判がよろしくなくて。
カーボンがエンジン内に溜まりやすく、プラグなど補器類にも付着して、性能劣化が早いとされています。
メメの「純正アルファツインカム」と比べたら、なんとも凡庸でつまらないエンジンでした。
すぐに、エンジン系の警告灯が点いて、うるさい警告音がビービー鳴って気が散るし。
(イグニッションコイルを取り替えたら一時的によくなりましたけど)
その上、セミオートマミッションの「セレスピード」にトラブルが多く、ギアがNに入ったままになる症状が。
何度かいろんな直し方をしてみたのですが、結局解決せず。
その上後席からガソリン臭が。これはフューエルポンプが駄目になって燃料が漏れだしていたんです。
JTSエンジンのカーボン(煤)問題、セレスピードのギア抜け問題、フューエルポンプの劣化問題…
中古の同型車の、三大欠点がすべて出てしまったというわけで…
ロロも2年足らずでドナドナになり。
工場の話では、全部直すとこの型の車としては売り物にならないくらい経費が高くつくため、結局廃車にするしかなかったそうです。
で、7代目に迎えたのが、現在メインで使っているペッピーノ=アルファ156 2.5V6 Q2となったわけです。
こうしてみると、39年前の初代カローラから、壊れがちな車ばっかり多いですね。笑
優秀なのは30年も維持できたメメと……まだ2か月ではありますけど、ノートラブルのペッピーノだけ。
「イタフラ」の、しかもけっこう古い中古を多く選んでるからそうなるんだよ、と言われるかもですけど。
まあでも、ここまでなんだかんだ楽しいカーライフでしたよ。
「プーちゃん」から以降は、みんなきらりと光るところを、どこか持った車たちだったし。
ロロだってハンドリングは面白かったから……故障がちの上に何の心に残る点もなかったのは、フェスティバだけだったなと。
もうこの先何年生きて、免許を保持できたとしても、所有するガソリン自動車はきっとペッピーノで「打ち止め」でしょう。
生き物の、心臓の鼓動を感じさせるような、筋肉の躍動を思わせるような……
そんな、内燃機関特有のワクワク感を味わえる時代も、あとどれくらいでしょうか。
その最後の1台がアルファであることは、幸せなことだと思っています。