ネット社会は、私たちの国にさまざまなマイナスの影響も与えたと言われますが…
特に深刻なのは、差別、ヘイト、誹謗中傷が、広く、しかも簡単に世の中に拡散され…
それが他の人の考え方や心象に、大きな影響を与えてしまうようになったことです。
弱い者いじめをする人間や、マイノリティ差別をする人間は、昔からいました。
でも、そうした人間の暴言も昔はせいぜい、飲み屋での与太話や「床屋談義」で済んでいました。
それが今はネットというものがあるせいで、すごく多くの人の目に耳に届く、大きな声になってしまい…
情報を受け取った人に影響を与えて考えを変えてしまったり…
もとからそうした差別意識、嗜虐意識をもっていたひとに対して…
「ああこういうこと言ってもいいんだ」
「叩いたら気分がスッとしそう」
という考えを起こさせてしまうようになった、と思います。
おかげで、特にヤフーコメントの世界や、5ちゃんねる、ツイッター、YouTubeのコメント欄は…
しばしば地獄の様相を呈しています。
もう、見ているだけでメンタルをやられて、まともな人間…
少なくとも差別やいじめが嫌いな人は、体調を崩してしまうぐらい。
でも、ネット世界が荒れたり、人間の醜悪な部分が露呈してドロドロになってしまう理由は…
ネットに「匿名性」があるということ。
それから、自分と同じ差別意識や、弱い人を虐待したいという志向を持っている人間と簡単に出会えて…
そしてお手軽に「集団リンチ」が行えるツールだということでしょう。
つまり、ネットそのものが悪いのではなくて、その人がもともと持っていた、心の闇を増幅させ…
広く世の中に向かってさらけ出すことができる道具だから、ということ。
結局ネットが荒れるということは、その社会の人心が荒れているということの、反映に過ぎないのです。
ネットが地獄の様相を呈するというのは、その社会に住む人の心の中に、地獄が存在するということです。
我々の社会のネット空間が醜悪になるというのは、我々自身の心に、醜悪なものが潜んでいるから。
それは、ネットがあろうがなかろうが変わらないもので、何かの機会をとらえて、噴出しかねないものです。
現に、差別やヘイトなどのネタをデジタルコンテンツとしてYouTubeに上げたりすると…
再生回数が簡単に爆上がりして、結果、お金が儲かってしまうという。
今の日本社会では「差別は儲かる」のです。
要するに、そういう過激な人権侵害を自分からする勇気がない多くの人の心の中にも…
実はそれに同調し、喜んでしまう、醜い差別意識があるということです。
加えて問題なのは、そうした差別、ヘイト、誹謗中傷の類をネットに書き込んだり動画を上げたりするのは…
表向き、そのツールを利用する際の「規約」で禁止されているにも関わらず…
ほとんど、アカウント停止などの処分に繋がらない、ということです。
AIの監視があまいということだけではないですよ。
YouTubeやツイッターなどであまりに酷いものを見て、きちんと運営に報告して、内容と問題点を指摘しても…
「あなたのご指摘は、厳正な検討の結果、規約に反しているとは判断されませんでした」
と運営から返事が来る、という経験、私自身が、もう嫌になるほどしています。
そうしたネットメディアの運営は、差別や、ヘイト、誹謗中傷に対しては極めて寛容なんです。
それでいて、たとえば政府に物申す的なことを普段から言っているアカウントは…
ある日、突然運営から凍結されたり。
(反ワクみたいなことは、厚労省の厳しいお達しがあるのか、すぐに凍結、停止命令が出ますが)
自由で公正な言論空間という触れ込みでいながら、全然公正でも公平でもないんです。
これ、やばくないですか?
正直言って、かなり政治的。それも、尋常ではなく偏って政治的。
それが、今の日本社会の真の姿なんです。
こんなんで、怖くはないですか?
「差別なんてどこの国にだってあるだろう」
と?確かにそうです。
でも、よそ様はよそ様で解決すること。
アイツだって悪いことやってるんだから俺だってやっていいだろう。とはならないでしょう?
隣のうちの不祥事は、隣がどうにかすること。我が家の不祥事は、我が家で何とかしないといけないこと。
違いますか?
……ということを、語っているYouTube動画がありましたので、リンクしておきます。
時間があるときに、ぜひご覧になってください。