関東地方も北部山沿いはすっかり紅葉が終わってしまったようですが…
平野部は今まさに色づいています。
ただ今日あたり、気温はかなり低くて、晩秋というよりはもう冬。
身の回りから聞こえてくる声は…
「今年は秋が短かった」
「いや過ごしやすい季節、という意味での秋は、今年はなかったと言いたい」
というのが多かったりします。
たしかに今年は、11月に入っても「夏日」を記録する日が続いたりしているうちに…
気が付いたらもう冬。
爽やかで過ごしやすい季節、という意味での秋は、実質1~2週間ぐらいしかなかったかも。
だらだらと引きずる晩夏の雰囲気から、一気に初冬になった、と思っても不思議ではない。
秋のおしゃれを楽しみにしていたみなさんも、秋服が活躍したのはほんの一瞬で…
あたふたと冬服を出して着ている感じですね。
夏から秋への衣替えをするかしないかのうちに、もう冬への衣替え。
四季がはっきりしていて、季節の移り変わりがじっくりと楽しめる…
というのが、日本のいいところ、ということになっているのに。
これから毎年、こんなことになってしまったら困りますね。
というか、自然環境が変わってしまいます。
今月の上旬に、老父が冗談で…
「そのうちに、この辺りの特産品がバナナやパイナップルになるんじゃねえか?」
と言ってましたが、冗談で済まされなくなってしまったりして。
ところで、日本で四季の移り変わりの風情が楽しめるのはいいところ、というのは本当ですが…
(少なくともこれまでは)
それが「日本固有の」自慢できるところで「外国には四季がない」と思い込んでいる人が…
ちらほらいたりするようです。
じゃあ、たとえば英語のFour Seasonsという単語とか…
ヴィヴァルディ(イタリア人)作曲の『四季』という曲はどっから来たんですか?と訊くと…
「……」
になってしまうんですが、それでも頑なに「海外には四季がない」と…
思い続ける人がいるみたいです。
いやそれは、熱帯・亜熱帯地方や、北と南の高緯度低緯度地方には、はっきりした四季がなく…
一年中暑い、あるいは雨季と乾季しかないとか、一年中「ほぼ冬」だったりしますけど…
地球上の中緯度地方には、乾燥帯もありますけれど、それなりに降雨がある地域なら…
世界中ぐるりと、四季のある地方が取り巻いているんですけれど。
この「海外には四季がない」という思い込みは、いったいどこに端を発しているのか。
個人的には十代のころから興味があったんですけれど…
ついに研究することもなく、この歳になってしまいました。
でも、半世紀経ってもまだ「四季があるのが日本の自慢」という人がいるのは…
人間の思い込みとか、俗説通説というものの、しぶとさを思い知らせてくれますね。
最後に、海外で見られる秋の美しい風景を置いておきますので、お楽しみください。
でも、もしかするとこうした他の国々でも、今は日本と同じように…
だんだん四季があいまい…というか春と秋がすごく短くなりつつあるのかも、ですね。
下のそれぞれの記事のうち、画面右側に薄く矢印が出ているものは…
複数枚写真がありますので、タップorクリックしてお楽しみください。
米国・バーモント州
米国・コロラド州
イタリア・ミラノ
イタリア・バヤルド(プレアルプス)
スイス(一部冬の風景)
フィンランド
気候変動で季節が壊れてしまわず、地球がいつまでも美しくありますように。