◎息子が負う重い責任
息子がアパートに帰って行きました。
25日に帰省したから、今回は11泊12日の実家滞在でした。
そのうち実家で夕食を食べたのは1回、父方の祖父の家が2回、母方の祖母の家が1回、私との外食が1回。
そして6回は、地元の小中学校時代の友達との飲み会と、高校時代の友達との飲み会、大学の友達との飲み会。
今回も、友達から呼ばれての「お座敷がかかった」日が、全体の半分以上を占めました。
友達が多くて、飲みの席での座持ちがいいので、引っ張りだこなのはご同慶なのですが…
これだけ長く帰省していて実家での夕食がたった一回、というのはすごいです。
ただ今回は、いつもの長期帰省のときみたいに、夜半過ぎまで飲んで深酒をするということは一度もなく。
酒量は控えめで早々に帰宅。
珍しいねと言ったら…
今やっている研究のプロジェクトで、彼しかわからない部分、彼しかできないことが多々あるので…
息子が長期離脱すると、国費までつぎ込んでやっている重要な創薬プロジェクトがストップしたり…
最悪の場合、とん挫しかねないと。
そうなると莫大なお金と、何十人という研究者が年単位でやってきた努力が水の泡になるばかりか…
その薬で命が助かったり、苦しみから逃れることができるはずの、病気の患者さんを救えなくなると。
「だから僕はいま、身体を壊すわけにはいかないんだよ」と。
あの若さでそこまで重要な仕事を任されているとは、思いませんでした。
そして、ちゃんと研究者としての責任を自覚してやっているんだなと。
実家にいる間も、昼間はPCを使って、やらなきゃいけない仕事をしていました。
彼も成長しましたね。
◎1万キロノートラブル
で、今日は息子と一緒に、大量の本やらPCやらの荷物を、ペッピーノさんでアパートに送り届けて来ました。
そのペッピーノさんは、ついに納車以来の走行距離が1万キロを超えました。
正確に言うと1万と300キロ余りです。
昨年2月7日に納車されたので、11か月弱で、1万キロ走ったことになります。
その間、車検整備に入庫し、それ以外に1回オイル交換しましたが、それ以外はマエストロS君の世話になることなく。
完璧なノートラブルで1万キロ以上を走ってくれました。
高速を使っての長距離ドライブ、というのはめったになくて…
ほとんどがゴーストップの多い都市部の一般道だったのを考えると、決して良い使用条件ではないですが…
それで、車歴17年を超える古い車が完全ノートラブルでいるのは、立派だと思います。
腕利きのマエストロが納車前整備をきっちりやってくれていたこと…
燃料ポンプや、タイミングベルト、オルタネーターなど替えるべき大物パーツが一通り交換を終えていたこと…
などの条件があったのはもちろんですが、ペッピーノさん自体、素性のいい「当たり」の個体なのでしょう。
そうは言っても、前任車のメメだって、車歴17年ぐらいの時点ではノートラブルだったのですから…
アルファロメオ=イタリア車は壊れるのが普通、というのが…
実態とかけ離れた都市伝説であるのは、やっぱり確かではないでしょうか。
「イタ車は壊れる伝説」は、よほどのはずれ個体を引いた人の愚痴が、尾ひれを付けて出回ったこと…
車検整備以外は、オイル交換さえせずにいるような、無知で常識のないオーナーがいること…
(そういう使われ方をしてきた車が、はずれ個体の中古車になります)
ディーラーや個人の整備工場が「イタ車だから壊れるのは仕方ないんです」という、甘えた口実を使って…
いい加減な整備をしていることなどが「神話」を作り上げたんじゃないかと思います。
それにしても、メメの場合は故障とまではいかなくても…
天候?気圧?何だかわからない要素によって、上機嫌な日と、少しだけ機嫌の悪い日があって。
それがまるで生き物(馬みたいな)のような感じで、そういう所も愛着のもとになっていたのですけれど。
ペッピーノさんの場合は、そうした「その日の機嫌」といったものさえなくて。
本当に日本車と全く同じように、いつでも正確に、同じ調子で律儀に働いてくれる車です。
かといって面白さが半減するわけでなく、エンジンの音や、コーナリング時の手ごたえ、サスの動きなど…
走りのあらゆる要素が、ドライバーの「官能を刺激してくる」何ともにくい味付けになっているところは…
やっぱり、クルマと運転が心から好きな人たちが作った車、ということを実感させてくれます。
デザインも気に入っているし。
本当に買って良かった。
◎他の車と比較はしない
そして他の車と比較する気にはならないです。ペッピーノさんには100%満足。愛しています。
これは個人的な考えでしかないですけど…
自分の愛車のスペックを問題にしたり、他の車と比較するのって、愛がないことなんじゃないかと。
男性の場合…
自分の恋人とか妻の「スペック」についてあれこれ問題にしたり、他の女性と「比較」するのって…
本当に彼女や妻を愛していたら、やらない事なんじゃないかなと。
愛車についても、そうなんじゃないかと私は思うわけです。
女性で言えば、自分のパートナーより美しいひとや、賢いひと、仕事のできるひと、などは世の中にたくさんいて…
それぞれ賛嘆の対象にはなりますが…
それでもやっぱり、自分にとっては「この人」が一番だなと。
だから浮気はしないし、したいとも思わない。
車も同じなんじゃないですかね。
ペッピーノさんは、たまたま丈夫で手がかからないですけれど…
自分の車への愛があったら、手をかけるのを厭うのは、どうなんでしょう。
パートナーの健康に気をつけてあげて、もし病気になったら医者にみせたり、看病したりは当たり前です。
病気になってしまったパートナーに「文句を言う」ような人は、冷酷な人間ですよね。
車だって病気になることはあります。
愛車が病気になったら、文句を言うのではなく、心配してあげて、手当をするのは当たり前だと思うのです。
車に全く手をかけず、ほっぽりっ放しにするような人は…
自分のパートナーにも、手をかけず、ほっぽりっ放しにしがち…だったりしないのかな、なんて思ったり。
まあ、実際のところは、世の中そんな男や女だらけではあるのですがね。
◎エコカーは本当にエコ?
ともあれ、ペッピーノさんが丈夫でいてくれるのは助かります。
どんどんハイブリッドや電動の車が増えているご時世ではありますが、買い替えは考えていません。
古い車を廃車にして新しく作られたエコカーに乗ることが、必ずしもエコでないかもしれないという現実もあります。
たとえば、南米チリのアタカマ砂漠に代表される、発展途上国の荒れ地や海岸、川沿いが…
実は、世界の先進国から出る廃車や、車の解体に際して出る様々なゴミの「最終処分場」になっていて…
「車のゴミ」から漏れ出る有害物質で、生態系が破壊されたり、近隣の町の人が健康を害したりしています。
また、新しい車を作る際には、大量のCO2が出ることも避けられません。
そういう環境リスクをカットすること、それもまたエコなんじゃないかと思います。
だからペッピーノさんをできるだけ大事にして、長く乗りたいと思います。