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アルファロメオと小倉唯

性犯罪とHENTAI

今日の記事はとっても長いです。ごめんなさい。

 

小見出しを入れて段落分けしたので、読みたいときに、読みたい部分だけお読みいただければと。

 

また、性に関することですので、不快だと思われたなら、読むのをやめて下さい。

 

ゴシップでなく犯罪かどうかの問題

 

芸人の松本人志氏にまつわる、性加害・性被害問題が大きな話題になっています。

 

能登の震災で、まだ行方の分からない人、避難所で寒さやひもじさに耐えている人がたくさんいる中で…

 

芸能の話題なんて…

 

と言う人が、もしかするとかなりいるかもしれませんが、それは間違いです。

 

これは芸能人のゴシップ=ラブアフェアの問題なんかではない。

 

(恋愛ゴシップは当人たちの個人的問題なので、それだけでスキャンダルと称するのはおかしい)

 

そもそも、それこそ「そこに愛はあるのか?」ということですし…

 

婚外性交の事案とかなら単に倫理の問題ですが、これがもし不同意性交なら、立派な「犯罪」です。

 

さらに一般人の性犯罪とは違って、社会的な地位・立場を利用しての性犯罪ならば、社会問題ですから…

 

ニュースにして、社会全体で、この際きちんと考える価値が十分あるものです。

 

単純な「芸能ニュース」ではない。

 

そこはジャニー喜多川事件と同じ。

 

しかも松本氏の場合は「手下」を使っての権力濫用、ということになる可能性があるので…

 

本当ならば人としてさらに卑怯であり、ホモソーシャルにおける人間関係の在り方の問題にもなります。

 

そして事実であるのなら、日本男性の、日本社会の中から出て来た「膿」ということになるので…

 

この際、きっちりとけじめをつけておいたほうがいいと思います。

 

昭和の行動規範はもう通用しない

 

また、法的な白黒が付く前に、国際的な商売をしているスポンサーが、早々に彼から離れてしまった。

 

この「事実」を見ることによって…

 

先進国での「世界標準」と今の日本人の意識との乖離について、認識する良い機会になるでしょう。

 

(実はこうしたことが変わったのは、先進国においても近年のことではありますが)

 

大企業の経済活動が国際化して、またIT革命によって情報が世界に拡散する時代になったことにより…

 

日本人も、この島国の中でしか通用しない、ローカルな行動規範に従うことはもはや難しくなった。

 

それを知る、良い機会でもあります。

 

そもそも、個人的な社会的地位を利用して、また性別による社会的権力の差を利用して…

 

現在の「先進国の行動規範」に照らせば「犯罪」になることを、男性が女性にすることは…

 

昭和から平成末までの日本では、ある意味「普通」のことでした。

 

それは単なる「イタズラ」「からかい」という言葉で済まされてしまうものだったり…

 

おじさん流の「コミュニケーション」として、なかば正当化されるものでした。

 

それを「昔はいい時代だった」と、個人的な感想を、陰でこっそり述べるだけならまだしも…

 

実生活上の行動や発言の規範として、セクハラや性加害を禁ずるのは認めないというならば、仕方ない…

 

そういう人は、国際的な付き合いが必要となる、現代の物や金の取り引き、ビジネスからは身を引いて…

 

インターネット=パソコンもスマホも捨てなければなりません。

 

社会全体として受け入れを拒否し、変わることを拒むのなら、もう、鎖国するしかないです。

 

みんなが思うより多い性犯罪

 

性加害・性被害というものは、自分の身近にはないもの、他人事と思っている人がいるかもしれません。

 

でもそれは、性加害・被害自体に、社会的な隠蔽への力が働くものだから、なのではないでしょうか。

 

性加害・性被害については「犯罪」という意識が、長い間社会の中にはなかった。

 

男というのは「そういうもの」だから、仕方がないのだ、とされてきた。

 

それどころか、加害者の方ではなく、被害者(おそらく99.9%女性)の方が…

 

「スキがあった」「だらしなかった」とか「誘うようなことをしていた」から悪いのだと言って…

 

逆に責められることがすごく多かった。

 

加害した男は「そういうもの」だから、それが自然のことなのだから、仕方ないと放免された。

 

それが、本当につい最近まで、この社会の実体だったのです。

 

だから性被害を受けたとしても、それが女性として「恥ずかしいこと」だとして、周りに話しても…

 

「黙っていなさい」と、自ら隠し、泣き寝入りするよう勧められたり、命じられたりしたのです。

 

そうしてほとんどが隠蔽されて来たから「身の回りでは聞かない」ことのように思われるのです。

 

現実に私の身の回りでも、隠蔽されて来た性犯罪の話は、結構あります。

 

私の妻も、まだ幼児のころに、外で遊んでいるとき、知らないおじさんから…

 

「パンツの中に手を入れて、触られた」ことを鮮明におぼえているそうです。

 

そのときは、何をされたのか分からなかったのだけれど…

 

家に帰ってからそのことをお母さんに話したら…

 

「そのことは誰にも言っちゃ駄目よ」「忘れなさい」と、厳しく言われたそうです。

 

今なら「不審者が出た」として大問題になった……かもしれませんが、当時はそういう時代ではなかった。

 

「あの子は『変質者』にイタズラされた」ということになって…

 

「世間」から好奇の目で見られることの方を、妻のお母さんは恐れたのでしょう。

 

結果その「おじさん」は味をしめて、間違いなく、同じような犯罪を繰り返したことでしょう。

 

もしかしたら幼かった私の妻は、もう既に何人目か、何十人目かの餌食だったのかもしれません。

 

その犯人である「おじさん」は…

 

妻にも子どもにも、職場の人たちにも、そういう犯罪の常習者だとは、死ぬまで知られずに済んだ…

 

その可能性も、十分にあると思います。

 

そういう時代だったんです。そういう時代を生きて来た私たちだから、性犯罪に鈍感になったんです。

 

もしかすると私の母も?

 

ここで私が思うのは、性というものを「異常なまでに」汚らわしいものと考えている私の母のことです。

 

以前の投稿で、私の思春期の体験として、マスターベーションをしていることを母に知られたとき…

 

1mほどもある竹の物差しを出して来て、血が出るほど、めった打ちにされたこと…

 

そのショックで、中高生の間はずっと、女の人を性的な目で見ることが怖くなったこと…

 

19歳ぐらいまでは、性指向までが男性に向いていた(ホモセクシャルになった)ことを書きました。

 

また、父のいろいろな発言から類推するに、私が生まれてから後は、六十年にわたって…

 

うちの両親には、夫婦関係が全くなかった様子なのです。

 

(私は結婚してすぐに出来た子らしいのに)

 

父がEDになってしまったのではなく、母の拒絶のために、です。

 

また、年老いて八十代に入ってから、母は激しい嫉妬妄想を持つようになりました。

 

現実にはあり得ない、父と「愛人」との逢瀬のシチュエーションを頭の中で作り上げ…

 

父が「愛人」に家を譲り渡す画策をしていると主張し、またそれに加担したとして…

 

何軒もの不動産業者に怒鳴り込んで、大変な迷惑をかけました。

 

さらに、父が性病であるとしつこく主張し、複数の医師から「そういう事実はない」と言われても…

 

「お父さんとグルになって、どの医者もウソをついている」として…

 

夫が性病だと証言してくれる医者を探し回ったり。

 

(父がかかった帯状疱疹まで「汚らわしい性病」だと主張していました)

 

(帯状疱疹が性病なら、現皇后雅子さんも、性病だったということになります)

 

それは、ほとんど狂態と言って良いレベルのもので。

 

結果、これまた複数の精神科の医者から「妄想性障害」と診断されました。

 

脳梗塞で倒れて右半身不随になった結果、父から離れ、施設に入って女性だけの部屋に入った今は…

 

まるで別人のように柔らかな表情になり、落ち着いて穏やかに暮らすようになりましたが。

 

あれほどまでに「性」というものを母が異常に忌避し、恐れ、激しいこだわりを持ち…

 

最終的には、精神を病むほどまでになってしまったのは、なぜなのか。

 

すべてが落ち着いた今になって思うのは、もちろん想像でしかないのですが…

 

母がかなり重度の、性被害者だったのではないか、ということです。

 

 

それは母がまだ東京に出て来る前、実家にいたころ、幼少期か思春期に…

 

家族の誰かか、近隣に住む顔見知りの大人か…が加害者だったのではないか。

 

(田舎のことなので顔見知りでない人のわけはありません)

 

考えてみれば、私は母から、結婚前の若い頃や、子どもの頃の話というのを聞いたことがありません。

 

母の青春時代と、子ども時代のすべてが、完全なる謎のベールの向こうにあるのです。

 

普通の母親なら、少しは我が子に、そういう昔の思い出話をするものではないでしょうか。

 

また普通、地方から都会に出て来た人は、故郷を懐かしがったり、たまには帰りたがったりするでしょう。

 

うちの母には、そういうことが全くなかった。私を連れて実家に行ったのも、ほんの1~2度で…

 

まるで「里心」というのがない人でした。

 

そして、私が生まれてから今まで、母が故郷の宮城県の方言を話したのを聞いたのは、一度くらい。

 

実家に帰った数少ないときでさえ、完璧な標準語で話していました。

 

方言どころか、東北風のイントネーションさえ、完全に「殺して」生きて来た母でした。

 

これまた、考えてみれば不自然かもしれません。

 

やはり、昔「里で何かあった」ことを疑ってしまいます。

 

ほぼ一生涯、性に振り回され、性をたねに、精神を病むまでになった母について…

 

重大な性被害を疑うことは、そんなにとっぴなことではないと思います。

 

そうだったとすれば、その性被害が、本人の人生をまるごと不幸にしたばかりでなく…

 

家族や、そして周囲の多くの他人にまで、不幸や災厄をもたらし、社会に不利益を与えたわけです。

 

性犯罪というものが、世の人が思う以上に、罪深く、重大であることを思い知らされます。

 

イタズラなどという言葉で済まされるような、軽いものでは絶対にないです。重罪なのです。

 

情状酌量の余地はない

 

逆に、常習的な性「加害者」の例も、私の身近にあります。

 

大学時代、一番親しくしていた友達のうちの一人が、就職して大阪に赴任して。

 

初めて一人暮らしをすることになった開放感からなのか、あるいは寂しさからなのかわかりませんが…

 

通勤途中の電車の中で、痴漢をするようになって、その「戦果」を電話で私に、自慢し始めたのです。

 

もちろん「やめろ」「それは犯罪だ」と、そのたびにたしなめたのですが、聞く耳持たず。

 

相手は女子中高生ばかりでした。

 

彼はいわゆる「ロリコン」だったのです。そして「制服フェチ」でもありました。

 

彼は行き当たりばったりに、車内で身近に立った女の子に痴漢したわけではありませんでした。

 

駅のホームでターゲットを物色して、あらかじめ狙いをつけて、その子の近くに立つように努めて…

 

計画的に犯行に及んでいたのです。

 

「世間」はよく「派手な格好をしているから」「男を誘うようなことをするから」被害に遭う…

 

みたいなことを言いますけれど。

 

彼によると、それは大きな間違い、というか「全く逆」なんだそうです。

 

制服をきちんと、着崩さずに着て…

 

「まじめそう」で「おとなしそう」な女の子を、探して、選んでいるのだと証言していました。曰く。

 

「おとなしくなさそうな子は、もしかすると反撃して来たり、騒いだりしそうじゃん」

 

「まじめでおとなしそうな子が、恥ずかしそうにして耐えているのが、興奮するんだよ」

 

「慣れた女や商売女は興奮しない。清純な普通の女がいいっていう男は多いだろ。同じだよ」

 

「同じことやってる奴は、見ればわかるね。ああこいつもやってんなって」

 

「観察してると、他の奴もたいていは、まじめでおとなしそうな子を狙ってやってるよ」

 

「そういうことする奴ってたいてい気が弱いからさ、まじめそうな外見じゃない女は、怖いんだよ」

 

どうですか?

 

これが、本物の痴漢が実際に話した、彼らの性向・実態ですよ。

 

「スキがあったから」「誘うような恰好だったから」性犯罪に遭う、というのは全くの間違い。

 

というか、被害者に罪をかぶせるための、加害者側の言い訳でしかないんです。

 

反撃してくる心配がなく、うぶな感じの、固そうな人が、実際は狙われているんです。

 

性犯罪者というのは卑怯で、怯懦で、実は臆病な連中だということ。

 

性加害者に、情状酌量の余地はない。全くないということを知ってください。

 

ちなみに度重なる痴漢だけでなく、その男は、特に気に入った餌食の女子高生のストーカーになり…

 

しまいには、名前と家まで突き止めてしまいました。恐ろしいことです。

 

(持ち物や自転車に個人情報が書いてあったりした、セキュリティー意識の低い時代でした)

 

 

相当に近しい友達だったので、なんとか言葉で更生させようと、私は務めたつもりです。

 

でも、そこまでに至ったので、当然のことながら絶交しました。

 

絶交だけでなく、早く警察に通報するべきだったのですが、私はしませんでした。

 

そのせいで、何人の未成年の女の子が、その男の犠牲になったか。絶交した後も含めて。

 

ストーキングされた女子高生は、その後どうなったのか。

 

今ほど性犯罪についての社会の意識が高くなかった時代とはいえ…

 

元親友だったというだけの理由で、警察に通報しなかった私は、彼の共犯者であり…

 

私もまた、非人道的で、反社会的な行為をしてしまったと後悔しています。ここに懺悔します。

 

そして、女性の側が自衛するだけでは、現実の性犯罪は防げないということ…

 

性犯罪は一種のアディクションでもありますから、再犯率が非常に高いということ…

 

性犯罪者には今より重い罰を科すだけでなく、収監中の心理的な治療が不可欠だということを…

 

多くの人に知っていただき、その社会的重大さを、共有していただきたいです。

 

性を抑圧することが性犯罪を助長する

 

では、どういう人間が、性犯罪に手を染めてしまうのでしょうか。

 

私の「元親友」であった性犯罪者男性の場合には…

 

彼に聞いていた話では、非常に厳格な家庭で育ち、子ども時代から厳しいしつけを受けて来たようです。

 

親から異性との交際を一切禁止されて、学校も中高一貫の男子校に通ったとのこと。

 

性に関しては、かなり抑圧されて来たんだなという印象を、彼自身の言動からも感じました。

 

おかげで、女性に対する接し方を知らず、結果的にモテない人物でもありました。

 

彼の両親とも何度か会ったことがあり、話もしましたが…

 

父親が守旧的な考え方の持ち主で、男尊女卑の感覚を強く持っている人であることがうかがえました。

 

家父長制的な感覚が強く、家庭の中で、お父さんは絶対的な権威者、権力者のようでした。

 

(正直に言うと、彼の親も、彼自身も、今でいうとかなり「ウヨってる」人でした)

 

その抑圧的な性観念や、今でいう古い「ジェンダー観」が、彼の性癖・性向に影響していた気がします。

 

「厳しくしつける」ことが社会性を生むかどうかは置いておいて、性的に子どもを歪ませるというのは…

 

個人的に、かなり当たっているように思えます。

 

彼は、少女性愛、そして制服フェチという、変態的な性欲・性嗜好の持ち主でしたけれど…

 

女性、とくに「生意気な女」や、自立した女性、大人っぽい女性に対しては…

 

ほとんど、敵意に近いものを持っていました。

 

「女嫌い」「女性蔑視」すなわち「ミソジニー」の感覚が強かったと思います。

 

一方である種の女性=幼さや、清楚さ、従順さ、うぶな感じを持った女性に対しては…

 

尋常でない賞賛、憧憬に似たものを持っていました。

 

ただ、そうした女性に関しても、聖女の如く崇める対象と、犯罪対象として虐待する相手がありました。

 

その違いがどこにあるのかは、私にはわかりませんでしたが。

 

ただ、そこに親からの教育や、生育環境が影響していなかったとは、正直思えません。

 

少なくとも、その手の性嗜好や、性犯罪と、性抑圧的な教育・社会環境との間には…

 

かなりの因果関係があると思います。

 

ちなみに「HENTAI」という日本語は、外国でも通用するほど広く知られている言葉だそうです。

 

性に関する認知の歪みが、日本では特に顕著に見られることの、示唆ではないでしょうか。

 

少なくとも、日本人の性に関するイマジネーションが、世界的に見て突出していることは間違いないです。

 

そして、その、おそらく豊かすぎる性的なイマジネーションが、日本ほど「産業化」されている国は…

 

他に、世界のどこにもないと思います。

 

実際、日本以外の国で見る「性産業」は、単純に客とセックスする、というだけのものです。

 

もちろん「変態プレイ」の類が海外に存在しない、ということではありません。

 

それが「産業化」されている、というのが、日本独自のものだという意味です。

 

たとえば「SMクラブ」と堂々と名乗って商売している店など、海外で、公には見たことないですし…

 

性的な「商品」の販売側や、また客側までもが、いろんなコスプレをしたりして…

 

学校の生徒やら、ナースやら、その他もろもろの「シチュエーション」を作ったセックスプレイを…

 

性産業の「売り」にしている例など、まず日本以外では、あり得ないものです。

 

そこに日本社会独特の感覚、性的な歪みがないとは、私には思えないのです。

 

サブカルの中に潜む性加害

 

さらにぶっちゃけてしまうと、マンガやアニメなど日本のサブカルが、世界で圧倒的な力を持っている…

 

その裏にも、日本人と日本社会独特の、性に関する「歪み」が反映している気がしています。

 

それが、他の国の人々の中にも潜在している「HENTAI」性を魅了する…のかもしれません。

 

「お前だってアニメとか見るのに天に唾するようなこと」と言われてしまうかもしれませんが…

 

本当にそんなことも考えたりするのです。自分も含めて日本の多くの男性について。

 

特に、性的な表現が極端なサブカル系画像を、ゾーニングすることにさえ拒否反応を示し…

 

女性の性的搾取を批判する種類の女性たちを「フェミさん」などと呼んで、敵視するオタク男性には…

 

強い病理性を感じざるを得ないです。

 

私たちの国は、実を言うと、世界でもぶっちぎりの「変態エロ大国」であるのかも。

 

そのことと、日本のジェンダーギャップの大きさが、世界でも非常に高位に来ること…

 

男尊女卑の思想がまだまだ強い社会であることの間には、ある程度、関係があるようにも思います。

 

それも考慮に入れた上で、サブカルを嗜む者は、性加害や、性的搾取といったギルティなものと…

 

常に隣り合わせであると、意識していないといけないのではないか、と思うのです。

 

車でもスポーツでも、文学や絵画や音楽でさえ、趣味となり得るものはおしなべて、節度を失ったり…

 

客観的な視点や他者への影響を無視すれば、反社会性を帯びたり、当人にとっての害毒になるのですが。

 

ともあれ、サブカルの中の「HENTAI」的な要素が、個人の中の性嗜好であって…

 

産業的かつバーチャルに処理され、しかもゾーニングが確保されているうちは…

 

問題がないとは言いませんが、そこまで深刻ではないのかもしれません。

 

ただそれが、フィクション=作り物のイマージナルな世界に留まらず…

 

現実の世界に漏れ出し、不同意のもとで実行されるとなると、重大な犯罪になるのです。

 

ホモソーシャル集団のクソな団結

 

さらには、有名であることや、権威、権力があることを傘に着てそれが行われる場合…

 

また、同質な性別と立場と価値観とによって繋がれた集団=ホモソーシャルな集団の論理が介入し…

 

性にまつわることが、その集団の結束を固めるための、一種の「儀式」として行われる場合があります。

 

 

私も若いころ(週刊誌時代)上司と後輩にだまされて「ただ飲むだけだから」と言って…

 

外国人が売春をするクラブに連れて行かれたことがあります。

 

事実を知って、買春はいやだということで、私が帰ろうとすると…

 

「ここまで来たからには帰さない」「女を買わないと仲間じゃない」「裏切り者だ」と言われました。

 

一緒に買うことが「職場の秩序であり、団結になるんだ」とまで説得されました。

 

仕方なく、正規のお金を払って、タイ人の若い女の子とラブホテルに入って、でも性的なことはせず…

 

彼女と一緒にウォークマンで、片耳ずつイヤホンを分け合って、タイの音楽を聴いたりして過ごして…

 

(結局イチャコラしてんじゃん、と言われそうですが、彼女がぜひそうしたいと言ったので)

 

そのままタクシーに乗せて彼女を帰したことがありました。

 

「あなたはいい人ね。お金もらわなくても友達になりたい。これで上がりだからうちに来る?」

 

と誘われましたけど、お断りしました。

 

ちなみにその上司は、その後、その会社の取締役になり、後輩は週刊誌の編集長になりました。

 

ほんとに、クソな社会ですね。

 

こういうのは、その社会集団全体の深刻な病理であって、ぜひとも「治療」されるべきものです。

 

語るに落ちてしまった事案

 

裁判で既に決着がついた、伊藤詩織さんの性被害事件と、政治権力による隠蔽やメディア人による擁護…

 

五ノ井里奈さんが告発し、これも裁判で決着がついた、自衛隊内での性的虐待事件…

 

などなど、いずれも日本社会の病理を映し出したものでした。

 

そして、まだ法廷の場で白黒はついていないものの、渦中にある松本人志氏の疑惑に関して言えば…

 

同意、不同意の問題以前に、そもそも松本氏と吉本興業との、当初の説明によれば…

 

「そういう集まりがあった」という事実さえ一切ない、ということだったはずです。

 

ところが「手下」としてその場を仕切った、とされる後輩芸人が出してきた、当時のLINEの内容に…

 

「とうとう出たな。」と松本氏自身が、肯定する内容の「X」ポストをしてしまいました。

 

少なくとも、そういう「場」自体が、現実にはなかったという説明は、これで虚偽だったことになり…

 

「語るに落ちる」行為を、松本氏はやってしまったことになります。うっかりミスでしたね。

 

女性側の同意があったか、なかったか、などに関わりなく…

 

そこには、少なくとも、松本氏による自らの「権威」の濫用の意思と…

 

ホモソーシャルな集団による、一種の「団結の病理」が介在したことがはっきりしたわけです。

 

それは、違法であろうと、合法であろうと、それとはかかわりなく…

 

国際的な「倫理基準」に反するものであって、国際舞台で商業活動をする大企業にとっては…

 

受け入れられないものだというのは、確かなことです。

 

もはや、裁判を起こす起こさないの問題や、法定での審理がどうなるかを待たずして…

 

松本人志氏が、大手企業の「スポンサーがつかない」芸能人となってしまったことは…

 

動かしようのないことになりました。

 

松本氏を擁護する人々には、なぜか自称保守、右派の人が多いようですけれど…

 

右だ左だの問題ではなく、国際的なビジネスルールが、松本氏に「NO」を突き付けたと言えます。

 

こうなると「ガイジンは全部サヨク」ということになってしまうのでしょうか。

 

やっぱり、いろいろ変わった性癖があったり、ジェンダー問題で世界基準と齟齬がある日本は…

 

「お国柄」を守りたいのであれば、鎖国する…しかないのかもしれません。

 

スマホやPCなんかなくたって、何なら、あらゆる電気機器やらクルマやらがなくたって…

 

米国の「アーミッシュ」みたいに、幸せに暮らしている人は、地球上に少数ながらいるのですから…

 

鎖国もいいかも、ですね。私はごめんこうむるので、さっさと逃げ出すことになると思いますが。


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コメント一覧

angeloprotettoretoru
@みどりさま。
子どもに対する際に、保護者が性に関して極端に抑圧的であるのは、一種の虐待になり得ますね。
私も異常に性を忌避する母から、広い意味での虐待を受けたと思います。
(本当は性に関してだけではなくて色々虐待といえる扱いを受けたのですが)
そういう虐待行為は、世代を超えて連鎖して行きがちでもあります。
変態性欲については、他者への加害に繋がらなければ確かに問題化することではないですね。全ての人が、何がしかの変わった?性癖や嗜好を、大なり小なり持っているものでしょうし。完全に「健全な」性嗜好、性指向というのはどんなものなのか、果たしてそんなものがこの世に存在するのか、という問題もありますし。
ただ小児性愛者や、過激なまでにサディスティックな性嗜好にとらわれた人が、他者への加害を一切せずに自分の性嗜好を満足させるのは、かなり困難なことにも、個人的には思えます。
みどり
こんばんは。
お母さまのこと、性加害を受けていた可能性、確かに考えられることだと思います。
ずいぶん昔のことで詳細は忘れたのですが、あるワークショップで、一人の女性が話されたことを思い出しました。
彼女が言うには、女性が暴力的に犯される映画だったか、ドキュメンタリーだったかを見てしまい、それ以来、嫌悪のあまり性的なものが受け入れられなくなったそうです。
その人は結婚して二十年以上経つのですが、夫とは一度もセックスしたことはなく、また事前にそういう約束で結婚したそうです。
聞いていて、その人自身が性加害を受けたわけでもないのに、ずいぶんと頑なだなと当時は思いました。
今考えると、もともと性に対して抑圧的だったのだと思います。

それとは別に、私は〝変態〟そのものに対してはセクシャリティの多様性としてあれこれ言うつもりはありません。それはクイアーセオリーの話です。
ただ、他者を巻き込む犯罪は、まさに犯罪で全く別の話です。
サブカル等の表現物でも、犯罪を犯罪として描かず、お楽しみとして描いたものは、個人的には表現の自由の埒外にあると思っています。
サブカル周辺のいわゆる知識人的な人でも、そこのところが曖昧な人が多いのはちょっと問題だと思います。
angeloprotettoretoru
@紅葉さま。
男とはそういうものだから仕方ない。諦めろ。忘れろ。これは男が性加害をやりたい放題できる世の中を保持するための洗脳のセリフだったんですよ。日本だけじゃないです。
多分何百年何千年と続けられた洗脳の。でも、もうそろそろ人類も進歩していいのではないの?ということで世界は変わっています。日本も変わらないと「野蛮国」のレッテルをはられます。
1948219suisen
@angeloprotettoretoru とても勉强になりました。

私を含めて私の年代は男とはそういうものという先入観を植え付けられていたから、そんなものだと諦めているところがありました。

が、やはり可怪しいですよね。

それがこういうふうに言えるようになって日本の国も変わったという感慨を抱きました。

性は、あまり抑圧すると、返って逆効果になるということもよくわかりました。

私は中高一貫の私立女子校に通いましたが、校則が非常に厳しかったせいか、返って反発する子もいました。殆どの子は大人しかったのでしたが。
angeloprotettoretoru
@チョウザメさま。
痴漢が趣味...というのは、女性を嫌だとか怖いとかいう感情を持たない「モノ」の一種だと思っている人間の発想ですね。
性的な欲望を満たしてくれる物体だと思っているのでしょう。良くてペット、という感覚。
何をどうやったら、こういう認知が歪み切った人間が出来上がるのでしょう。
もっともこういうのは、最近現れた人種ではなくて、昔からいるのですけれど。妾を「囲う」とか、ムスメを「手込めにする」とか、すべて女性をモノか動物と思っていればこその発想です。
人類(男)を新たな発達段階に導くのは、容易ではないかもしれませんが、歪んでいない認知力を持った男性が女性と協力して、やっていかないといけません。
チョウザメ
おはようございます。
この国は性犯罪に甘い国ですね。
痴漢は犯罪ではなく趣味と考えている男性が一定数存在していてその集合に属している男が痴漢になるのだと思います。
80年代から90年代にかけて男性向けの雑誌ではサブカル系の文化人まで動員して「痴漢のススメ」「痴漢のやり方」などという内容の記事が掲載され、
痴漢という性犯罪をまるで武勇伝のように語る風潮があったことを覚えています。
最近でも「痴漢と女装では、家族や周りの人に知られた時に痴漢よりも女装の方が恥ずかしい」などと、
心身共に傷つけられた被害者が存在する性犯罪である痴漢と趣味である女装を同列に並べ、どちらがより恥ずかしいか、などと犯罪被害にあった女性に全く無関心な自己中心的なメンタリティーを露呈していて読んでいて気分が悪くなりました。
ちなみにこの発言をした人物はフェミニストから、
「女性の性被害に対する想像力が欠如しているあなたに女装をしてほしくありません」と批判されてました。
私も同意見です。
世紀が変わって20年以上経過しているのに痴漢を性犯罪ではなく趣味の一種だと思っている輩は早くいなくなってほしいです。
食人や生贄をする人達がこの世からいなくなったように。
angeloprotettoretoru
@m-fluteangel16さま。
コメントありがとうございます。
書いていただいている通り、性犯罪の問題は、人権の問題です。人権の価値が広く認められていない社会だからこそ、性加害がこれほど低く見積もられてしまうのです。
受けた被害を話せる仲間がいて、心の傷の正体と本質とを理解することができて、本当に良かったですね。
私の母は、おそらくですが、そうした機会がないまま一生を送ってしまった、気の毒な女性だったのだと思います。痛ましいことです。
妻の場合は、何があったのかさえ分からないほど幼過ぎたことで、トラウマを避けられたのでしょう。もう少し時期や、または状況が違っていたりしたら、私とは結婚してくれず、息子が生まれることもなかったでしょう。騒いだりして殺されてしまったかもしれません。本当に恐ろしいことです。
m-fluteangel16??
私が言いたいことを書いてくださってありがとうございます。
私が9歳の時に痴漢をされた時に真っ先に感じたのは「恥」の感覚です。そして悲しみ。罪悪感。
怒りはいくら待ってもやって来ないのでした。そして誰にも言わなかった。
みんなが私を責めると思い込んでいました。
私自身が社会の洗脳を受けてしまっているのだと気づいたのは大人になってできた話せる仲間のおかげです。
お母様のこと、心が傷みます。
早くに誰かに話されていられれば…と仕方ないことを考えてしまいます。
カナダでは、性犯罪の被害者に、即刻カウンセラーが国費で派遣されます。
日本は本当に人権後進国だと思います。
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