”黙殺の音”低周波音 silent killer

サイト「黙殺の音 低周波音」http://yatanokarasude.gozaru.jp/tei/tei.htm

GHP(ガスヒートポンプ)による「騒音被害」が、「低周波音被害」へ進行中 2

2023-08-16 10:52:40 | GHP(ガス・ヒート・ポンプ)騒音

    

4)試運転?

その後2週間ぐらいはなんの変化もない日々が続いたが、ある日久々にGHPの音が聞こえてきたものの、これまでの3号機とは異なる音量と音色が響いてきたので確認してみると能力28kWの2号機からのものだった。いつの間にか3台それぞれに担当している部屋のステッカーが貼られており、1号機は1階のホールや保育室、2号機は厨房と事務室、3号機は2階全てという割り当てになっていた。そしてこの日は厨房設備の試運転を行っていたために2号機が動いていた模様。壁と階段に囲まれた狭い場所に無理矢理押し込んだせいで反射増幅されているであろう3号機に比べると音量は小さいが、比較対象がうるさすぎるだけであって低音の音圧は十分に大きかった。

その後別の日に最も大きい1号機の音も初めて聞いたが、能力71kWで搭載エンジンも2500ccだけあって地鳴りのような重低音に加えてウィーンウィーンという内部に巨大な蝉でも住んでるのかと言いたくなるような音が不定期に出ており呆れかえってしまったが、後に妙な音は1号機だけではなく2号機や3号機からも出ることを知る。どうも出力を絞ったときに出るような感じであり、2号と3号はプォーという警笛のような音であった。


5)防音、移設、撤去

翌々日、設備課の主任が防音壁の施工予定図を携えてやってきたが、コンクリートで作るのかと思っていたら「吸音材の付いた鋼板パネルです」とのこと。「そんなもので低音が止まるのか?」と問うと「現在シミュレーション中」だとか。「壁を建てて止まらなかったらどうするのか?」と尋ねると、「これでも最上級の対応であり、これ以上はGHPの存在自体を問うことになるので、撤去という次元の話まで行くと我々のレベルでは対処できない」と言う。「議会の承認を得る必要があるし、新しくしたばかりのものをなぜまた入れ替えなければならないのかという話になるから」と。自業自得なのだからそんなことはこちらの知ったことではないのだが、責任追及されると困る人が断固阻止するであろうことは想像に難くない。故に最初から一貫して移設なり撤去を訴えているこちらの言い分を無視して壁を建てる方向に進んだのだろうし。

「民家とは反対側の2階部分にあるテラスのような所へ置けばそれだけでも随分違っただろうになぜこちら側なのか」と言うと「強度が足りず無理だった」という。予算をケチったばかりに結局はこの有様で壁を建てることになったのだから最初からその予算で補強工事をすれば良かったではないか。そうすれば建物を一周するほどガス管を引き回す必要もなかったのだから。ランニングコストを減らす目的でGHPを導入したんだろうけども、「防音壁を建てることになってコストメリットが消し飛んだのではないか」と聞いてみたところ、「帳消しどころか足が出た」と言っていた。まぁどこまで本当かはわからないが。


6)お披露目

その二日後に大規模改修の第一号でモデルケースということで、報道向けの内覧会が行われたのだが、その際にちょうど東京ガスの人間がガスメーター周辺の点検をしていたので、「GHPを動かして報道陣にもこの素晴らしい低音のアンサンブルを体験してもらってお披露目に華を添えてくれ」と言ってみたが当然のようにGHPが稼働することはなかった。

その日の夕方に見慣れぬ人物二名がフェンス越しにGHPの周りをウロウロしており、何者で何をしているのかと尋ねると、納入業者であり市や工事業者からアドバイスを求められたので現場を見に来たと言う。稼働してもいないただ鎮座しているだけのものを見て何か意味があるのか?と言うと、敷地の中に入る権利がないので等と言って眺めるだけに終始して去っていった。お前らは一体何をしに来たんだよと。

翌日は近隣住民向けの内覧会があり園長と話をしたのだが、上記のことを告げると、その時間には園内に園長がおり「声を掛けてくれれば中に入れたし稼働させることも出来た」と言われ、件の二人組は最初から中に入るつもりも稼働音を聞くつもりもなく、単に見に来たという体裁を整えることが目的だったと考えざるを得ない。まぁ納入業者だというのなら迷惑千万な音がするのは把握しているであろうから改めて聞くまでもないことなのかもしれないが。園長もGHPの実物を見て、こんな大きな物を置いて大丈夫なのかと心配になり聞いてみた(現場監督に?市の職員に?)のだが「大丈夫です」と言われたという。まぁ確かに施設内部にはさして聞こえていないらしく、そちら側の観点からであれば大丈夫というのは間違ってはいないかもしれないが。木造家屋のこちらには盛大に突き抜けてきているけども。せっかく内部に入れたことでもあるし一度全力運転の音を確認したかったのだが、天井埋め込みのため室内機本体は天井の中であり強制運転スイッチのようなものは見当たらず目論見は潰えた。

初回の試運転時の音から察するにあれが強制全力回転数のはずで、それ以降は涼しいこともあり、設定温度を最低にしても温度差が少なく低回転で回っているようにしか聞こえず、騒音測定の際も同様だったので、どうにかしてパネルが閉まっている状態での最大音量を聞いてみたかったのだが。

そして翌週にはリニューアルオープンとなり仮設保育園から全員が戻ってきて営業再開になり、朝から2号機と換気扇も稼働開始したのだが、それまではずっと短時間の試運転のみだっただけに連続で何時間も浴びていると蓄積されるダメージも洒落にならない状態に。保育課も園内の職員もどちらかというと被害者的な立ち位置なので、こちらにも協力的であり、なるべく使わないように努めてはいるものの、厨房だけは使わざるを得ず朝から夕方まで止まることはなく、また厨房という場所故にサーモオフでエンジンが止まることも滅多にないため体が休まる暇もない。また調理人は外部委託だったことと厨房内部はうるさくないらしく情報共有も不十分だったようで、最初のうちは換気扇もGHPも遠慮無しに延々と稼働させっぱなしということが頻発し、改めて周知徹底を依頼したところ必要時以外は止めるようになったというハプニングもあったが。


7)つまりは防音壁

その後しばらくして防音壁の設置工事についての工程表を持って設備課主任と設備工事会社現場監督といういつもの事後報告コンビがやってきた。まずは基礎を拡張するために型枠を作ってコンクリートを流し込み、その後に壁の製作図を作成して製作を発注、出来上がってきたものを設置という流れで、実際に壁が立つのは1ヶ月後とのこと。「ほんとに止まるんだろうな?」と念押しすると、「専門業者も交えて進めてるので大丈夫なはずですが…」と言う。専門家が噛んでいるのであれば尚のこと止まらないのはわかりそうなものだが。やっぱりだめでしたという状態にならないとテコでも方針変更しそうにないので、あとは盛大に失敗してくれることを祈るのみのような状態に。

やはり数の力が足りないのが痛い。周囲は昼間は不在な家だらけであり、GHP1&2号機の真正面にあるマンションの住人も何の反応を示す様子もないことから、文句を言っているのが我が家だけという格好になっているため、市役所もまともに取り合うつもりが無いのだろう。

それから数日は特に変化はなかったが、現場監督と一緒に防音工事会社の人間と思われる人物が筐体周辺の寸法を計測しており、脚立を使っているのが目に入ったので、これ幸いと突撃して予てから気になっていた上部排気口からの音を確認させてもらったところ、改造車のような結構な音圧の脈動する低音が出ているのが確認できた。小排気量のくせに音だけは一丁前なみっともない改造車のようで、こんな音を出したまま平気で販売できるメーカーのおつむが理解できない。乗用車でこんな音を出していたらまず誰も買わないだろうに。そもそも筐体の上半分は天板のファンと前後の熱交換器とリザーバータンクだけであとはスカスカであり、排気管の途中に消音器を付けることだってできるはずなのだが。直管じゃないだけマシだろうとでもいうのだろうか。

GHPの音は基本的に筐体の下半分から出るエンジンのゴーという音とコンプレッサーのブーンという音、天板の排気口からのボボボボという音、そして筐体が激しく振動することにより外装パネルがブルブル震えて周辺の空気を揺り動かす圧力が織り成すハーモニーで構成されているのが再確認できた。あとは不定期に鳴り響く「ウィンウィン」や「クォォ」という音がアクセントを加えているが何かの演出のつもりなのか?聞かされている方は不愉快この上ないのだが。
聴感だと排気音は100~150Hz程度、筐体下部から出ている重低音は50~100Hz程度にピークがあるように感じられるが、全体から圧力を感じるように発せられている空気振動の周波数に関してはかなり低いという程度しかわからずちょっと判断が付かない。

しばらくして基礎の拡張が始まり生コンが流し込まれたが、その直後から響いてくる音に変化があり、ピークがより低い帯域にシフトして950ccの2号機がまるで1号機のようにドロドロとした重い音を発するようになった。土台が流動体で囲まれたからか、はたまた基礎の質量そのものが増えたことによるものではないかと思うが、日が経つ毎に元に戻っていったので、やはり前者の理由により共振周波数が変わったためではないかと思われる。この頃から筐体の下に挟んである防振架台が悪影響を及ぼしているのではないかと考えるようになった。

振動対策は強固な土台にメカニカルアースが基本ではないかと思っているが、スプリングとゴムによる架台によって本来は地面に逃げるはずであった運動エネルギーが遮られることで筐体に戻ってしまい、それにより一層筐体が振動し空気を震わせているのではないだろうかと。若しくは手で押すだけでグラグラと筐体が動くほど柔軟な架台に乗っているせいで制動をかける物が存在せず筐体が好き勝手に振動しているのか。その旨を現場監督に伝えて、架台を撤去して基礎に直接置くことはできないのかと聞いてみたが暖簾に腕押しであった。

そうこうしているうちに今度は家の裏手にある仮設保育園の解体作業が始まり、ボルトやナット、固定金具に屋根材など落とす投げるのオンパレードで衝撃音の嵐だわ自走式クレーンの稼働音はうるさいわで散々であった。これらはGHPとは関係ないので詳しくは書かないが、そこそこの大きさで排気量も結構なものであろうクレーンのアイドリングよりもGHPの方が低音の音圧は高かった。重機の稼働には届け出が必要なのに、それ以上に重低音が強いGHPは無届けで設置できてしまうというのもふざけた話だ。


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