壁があるから前進できる

2007年10月15日 | Weblog
僕が禁テレビを始めた日(8月12日の記事参照)最後に見た全英オープン。
そのときのバンカーショットが頭をよぎる。
あれはまさに巨大な壁だった。


テレビをなんとなくつけてみたら
偶然、上田桃子と横峰さくらがプレーオフをしてるところだった。
す、すげ。

1ホール目、
横峰にわりと長い距離を沈めバーディーを取られ、
唇をかんで、顔を歪めながら、芝を読む上田。

この表情だと外しちゃうかなぁと僕は思っていたけど、
長い息を「すぅーっ」と吐いて、落ち着いて決める。

2ホール目は着実に打ち重ねた横峰に対して、
1打目を左に外してしまう。
上田は心がザワついてるのが明白だった。

2打目をグリーン直前のガードバンカーに落としてしまう。

あの全英と同じような絶対に前には打てない位置。
真横に出さなくてはいけない。

誰しも「無理っ」と言いたくなるような位置。
全英での彼女は「無理っ」と言ってしまっていた。

でも、今日は違った。

横峰は2打でグリーンに乗せているので、
完全に勝ちがなくなり、
上田の心が折れている事は明白だったが、
彼女はけしてギブアップすることなく打ち続けた。

上田の打った、どう考えても入らないアプローチショットに対して、
ギャラリーの何人かが「入れ~」って叫んでいた。

その気持ち、良く分かる。


その声援に、ふがいない自分を責めるように、再び唇をかんだ。

目頭が熱くなってはいたけれど、
けして涙を見せる事はなかった。
ほんとにがんばったなと思う。

なんかえらっそうで気に入らない奴だと思っていたけど、
上田桃子は負けても、人を惹きつけるゴルフをする。
もっと、強くなって、世界の舞台で優勝して笑顔を見せて欲しい。

壁があるから前進できる。
その弱さも強さも、自分に投影できるからかな?

今日、上田桃子ファンになりました。