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野分

2015-09-09 11:41:27 | 日記
野分
大いなるものが過ぎ行く野分かな 高浜虚子
天気図に孫の住む町野分来る     拙

今年は大型とか特別心配な台風が数多く襲っている。七十年生きて初めてとか聞いたこともないほどの
被害とか 激甚災害の様子が毎回テレビで放送されている。映像を見るたびに台風の通り道に住んでいる人には同情を禁じえない。 

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2 コメント

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野分 (願船)
2015-09-09 15:32:00
   大いなるものが過ぎ行く野分かな 高浜虚子

 虚子らしい茫洋とした表現だと思う。頭上を過ぎ行く野分への畏敬の念のようなものを感じる。近頃は気象予報が正確になり、台風の大きさ、風力、進路、通過時間などが報道され、あたかも科学の力で自然現象をコントロールできるかの錯覚をあたえる。河川の決壊、家屋の浸水など災害の現状も人間が見るよりもリアルな映像を見せてくれるが、振り返って考えると、人間の力ではどうすることも出来ない災害を前にしてわれわれは無力を実感して項垂れるのみである。
虚子の時代には現在のような予報技術や災害報道が進んでいなかったと思う。人々は「大いなるものが過ぎ行く」と思って無事に通過してくれることを祈っていたのであろう。科学の発達した現代においても、その考えは同じではないかと感じるのである。

     天気図に孫の住む町野分来る  阿部

 作者の言うとおり『今年は大型とか特別心配な台風が数多く襲っている』状況である。阿部句では、「 天気図に孫の住む町」と「野分来る」を取り合わせた形で表現されている。テレビで報道される天気図によると、お孫さんの住む町が台風の進路に当っているのだ。俳句ではそれだけ表現しているのであるが、既に通過した地域における災害を考えながら、進路に当るその町やお孫さん一家のことが案ぜられるであろう。阿部句に特長的である社会性・時事性がこの句においても感じられました。
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ありがとうごぞいました (阿部)
2015-09-10 12:09:21
願船さん嬉しいコメントをありがとうございました。
孫の方は大丈夫でしたが、今度はこちらの番です。
いつも台風の進路には必ず親族の誰かがいますので、
年をとると杞憂が多くなります。はははは。
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