八十八夜 2023-04-30 10:02:23 | 日記 陽に透かす八十八夜の種袋季語 八十八夜 立春から数えて八十八日目のこと。五月二日目あたり。昔から八十八の別れ霜といって遅霜を恐れた。これを過ぎれば気候も安定するため、農家にとって種まきなどの目安となる日である。いよいよ夏を迎える生命力に満ちた季語である。例句 八十八夜ちからのかぎり赤子泣く 沼館斐佐子
蓬 2023-04-29 07:18:49 | 日記 摘む人の少なくなりし蓬かな季語 蓬 キク科の多年草。山野に自生し高さ70~100cm。葉は菊の葉のように切れ込み、裏面に白い綿毛が密生し葉に香気がある。昼間は開いて光を受け、夜は閉じるので葉裏の白が目立つ。若葉を積んで搗いて餅に入れ、色や香気を楽しむ。古くは草餅、蓬餅を区別していて、草餅は母子草を搗いて餅に入れたものを指したようである。成長した葉は干して綿毛を集め灸に用いた。緑深く茂った蓬には生命力を感じる。蓬生(よもぎう)は蓬などが生い茂り荒涼たるさまを言う。歳時記抜粋。例句 おらが世やそこらの草も餅になる 一茶
春惜しむ 2023-04-28 07:41:34 | 日記 春惜しむ知ること多き余生かな季語 春惜しむ 過行く春を惜しむこと。「惜しむ」とは、或る良きものが今失われてしまうことを知りながらいとおしむことである。この「惜しむ」という心情が成り立つには次の条件が要る。①良きものであること②やがて失われること③失われることをしっていること④知っていながら愛すること。これにかなうのは、まず花、月。季節では春と秋。過ごしにくい夏と冬には言わない。人の命や人との交わりもまた惜しむべきものの一つにはいる。歳時記抜粋。例句 春惜しむ人にしきりら訪われけり 夏目漱石
花あけび 2023-04-27 07:40:45 | 日記 生垣の二人の話題花あけび季語 花あけび 通花(あけび)の花の傍題 通草はアケビ科の蔦性落葉低木で本州以北の山地に自生する。花は四月頃新芽と共に咲く。雌雄同株で、雄花と雌花が固まって房のように咲く。雄花・雌花共に紫色であるが、雄花は比較的色が薄く、三枚の花弁を持って柄の先に咲く。花が鮮やかなので紛れやすいが見つけると心惹かれる花である。歳時記抜粋。掲句 植えた覚えのない花が咲いた。多分からすが・・・。例句 垣ひそと通草の花の曇りかな 大森桐明
連翹 2023-04-26 08:04:24 | 日記 連翹や道案内は杖の先季語 連翹 中国原産のモクセイ科の落葉低木。イタチグサ、イタチハゼは俗称である。葉に先立ち葉腋に対生して黄色の筒状花をつける。漢名の連翹の「翹」は枝がすくすく伸びて花をつけていく形を鳥の長い尾に例えたものと言われる。枝が地に届くと、そこから根を出す。半蔦性の長い枝先まで、むせるような鮮やかな黄色い花わびっしりつけている様子は、春の象徴のような勢いがある。花が盛りをぎる頃から小さな葉が萌えだす。 歳時記抜粋。例句 行き過ぎて尚連翹の花明かり 中村汀女