なに欲しいん? ③ リサside

８月３日誕生日当日

朝６時　真咲先輩から申し訳なさそうに電話があった。

『リサちゃんごめんクライアントがどうしても君じゃないとって…』
『えっ』

『とにかく今から会社に来てくれないかな?』
『はっはいっ』

そのクライアントさんは大層あたしをご贔屓にしてくれてて
今回はすべてあたしに任せてくれていた

今日は撮影日で真咲先輩が現場に行ってくれてたんやけど…
あたしがいないことが気に入らんらしいねん。

このままやと撮影できひんから
とにかく現場に来てほしい

とゆう緊急sosにせかされあたしは仕事場へ
今日の『大谷と一日ゴロゴロ』は必然的に中止になった。

仕事やもん…
しゃーないやんな。

涙を呑みこみつつ大谷にその旨を説明すると

『えらい頼りにされてんねんな。仕事がんばってこいっ』

って背中をぽんっと叩かれた。
(あたまは届かんとかゆうんは…(笑))

『うん。頑張ってくる』
『おぅ』

『ごめん。とにかく夕飯までには帰ってくるから…』
『おぅ　リサが帰ってきたらええもん食おうな』

『…ほんまにごめん…』
『アホか(笑)そんなん謝るとことちゃうやろ(笑)』

なんてめっさええ笑顔

後ろ髪引かれるというんはこうゆう事やと思う。


とにかくあたしは駅へとチャリンコを走らせた。