クリスマスの危機を乗り越え
あたしらは高校3年の3学期を迎えた。
受験間近!!にも関わらず
本日は 舞戸学園全校生徒マラソン大会。
さむーい中に走るんはだるいだけやし
受験も目の前 風邪なんか引いたらシャレにならんと
3年生はサボる人は続出するんが定例やけど…
体育会系男子というのは…
体を動かすことが基本的に好きな人が多いらしく
あたしの彼氏の大谷様は張り切って参加してる。
あたしは どっちかってゆうと…
サボりたい組なんやけど のぶちゃんに脅され(笑)参加やねん
着替えてグラウンドで柔軟体操(ゆうても簡単なん)してたら
中尾っちと鈴木君があたしの名前を呼んだ
『こいずみーさぁーん』
『…小泉さん』
振り向くとニヤニヤと笑う中尾っちと
鈴木君に捕獲されとる(笑)大谷の姿があった
『小泉さぁーん。
大谷が今日10位以内に入ったらご褒美くれーって』
『はぁ なにゆうとんねん。そんな事ゆうてへん』
ご褒美ってなんやのよ(笑)
『なぁ のぶちゃんご褒美ってなんなんやろ』
『リサぁーそれはやっぱり熱いキッスとかちゃう』
『キ…キッスって』
『大谷くーん。ご褒美はリサからのキッスやでーがんばりやー』
『はぁー!!』
のぶちゃん何ゆうてんのよっ。
ゆうだけゆうてのぶちゃんは中尾っちの腕にぶら下がり
さっさと先に行ってしもた
気が付くと鈴木×千春組もいなくなってて
校庭にはあたしら2人が残されてた。
★★★
『えっと…あー大谷 おはよう』
『お…おぅ』
大谷とあたしは正式に付き合って5か月(途中別れてたけど)の
初々しいカップルさんやねん。
そりゃ1年の時から漫才コンビなんて言われて
ずっと一緒やからそこからの付き合いは長い。
あたしらが正式に付き合いだしてから
2人の事からかうクラスメートが増えた気がする。
公認カップルになったからやん
なんてのぶちゃんに言われたけど…
カップルというあまーい雰囲気はあたしらには皆無
『今日めっさ寒いやんな…』
『そりゃ小泉みたいな薄着しとったら寒いやろ…
ちゅうか何で半袖やねん。』
『あー長袖の体操服忘れてん』
『はぁ?』
『忘れたもん しゃーないやん。クシュンっ』
あたしがくしゃみした瞬間
大谷は着ていたジャージを脱いで手渡してきた。
『…これ 着とけ ドアホ』
『ど…アホって…』
そしたら今度は大谷が半袖やんか
あたしと違って受験控えてるんやから風邪ひいたらどうすんの
『大谷 ええよ。それあたしに貸したら風邪ひいてまうやん』
『だれが』
『大谷が』
『なんで』
『寒いやん』
『あんなオレはおまえとちごて鍛えてんねん。こんなんで風邪ひかん』
大谷曰くスポーツやってるから風邪なんかひかんって
(アホは風邪ひかんってゆうけど…)
『大谷ぃ 集合やってー ゴリがお怒りやでー』
中尾っちの呼びかけに大谷は軽く手をあげた。
『ほな がんばって走ってくるわ。小泉からご褒美あるみたいやし』
『えっ…いるん ご褒美』
『おう期待しとるで(笑)』
ちゅーは無理やけど
手をあっためるとかやったら大谷怒るかな?
END
<おまけ>
『リサーオレもご褒美の…』
『遥先輩にはあたしからあげますから』
『聖子ちゃん』
『ほら頑張ってきてくださいね』
とゆうたらのぶちゃんが怒ってましたわ(笑)