「ふぁあああああーーー」
昼下がり午後の授業ほど眠いもんはない。
なんせ腹も満腹…。
冬とはいえ日当たりのええ窓際の席…。
「ふぁ…」
あくびが出てもしゃーないやんけ…。
それに…
前に座っとる小泉の奴…。
今日はいつもと違う髪型で…
体育の時なんか男たちが「あれええよなー」なんて話とった。
なんかかわいいらしい
「かわいい…か…」
髪先は振り子
オレはちびっとだけ居眠りしてしもた。
♪キンコーンカーンコーン
授業終了のベルと同時に小泉に声をかける
ちょうどっちゅーかタンミングよく 振り向いた小泉の…髪
ぴしっ!!!!
「いたー!!!」
「あっ ごめーん 大谷あたったーーー?「あたったーちゃうわボケ」」
小泉の髪の先がちょうど頬をかすめた。
それが思いのほか 痛かった
「だから ごめんって…」
「ごめんですんだらな…っちゅうかなんでそんな髪型しとんねん」
いつもはサラっとおろしとるはずのストレートの髪
今日はポニーテール…
小泉が動くたびに毛先がゆらゆらと揺れる
「今日は なんかはねてたしまとまらんしぃーーー体育あったし…それに…」
毛先を指でくるくると触りながら
「ちょっとでもかわいく…ならんかなぁって」って呟きよった。
誰に対してかわいく見せたいねん。
そんなんせんでも…
「はぁ おまえがポニーテルなんかしてもな かわいくなんかならんわ(笑)」
「そ…そんなんっ」
ちびっとだけ泣きそうになっとる小泉の顔見たら
チクっと心が痛んだ。
「ご…ごめ…「どーせあたしなんかがこんな髪型してもかわいないもんっ大谷に…」」
乱暴にゴムを解こうとした手を止める。
「…いや あのな…小泉」
「なによーー かわいないんやろ もうほどくもーん」
ちゃうねん ちゃうって落ち着け
「あんな…。」
オレは小泉の耳元で囁く
「…かわいいと思う」
end
<おまけ>
「リサー あんた顔真っ赤やで」
「大谷 じぶん顔まっかやけどどうしたん」
「「ほっといてくれーーーー」」
これからも更新楽しみにしていますU+2764U+E3A