やさしい夕日に包まれてちびっと冷たい風に吹かれながら
駅前のフェニックスの橋の上を大谷と歩く。
もうすぐ卒業式やなぁ・・・。
さっき あたしは人生の初体験。
美々ちゃんと一緒にモデル体験をした。
中原さん めっさかっこよかったなぁ・・・。
『なぁ 小泉もう決めたんか?』
『なにを?』
『進路。』
進路・・・。
高校卒業してからの進路。
『うん。もう決めた。』
『ふーん。』
あたし 今日の経験ではっきりとわかった。
洋服が好き。のぶちゃんや美々ちゃんおしゃれな女の子がかわいくなる手伝いをしたい。
だから・・・
『で 小泉 どう決めたんや?』
『えっとな…大谷のおよめさん♪になろっかなぁ』
『・・・キモっ『かわいい彼女がお嫁さんゆーてんのになによ ソレ。』』
キモなんて言いながらもちびっと大谷が赤くなったん見逃してへんけど・・・。
そんなん言わんとこ・・・。
大谷の頬赤いんは きっと夕日のせい
『あたし専門学校行って勉強する。』
『えっ?まさか モデルとか…』
『あぁ モデルはできひんよ。』
『あれは やめといたほうがええな。』
『あたしな おしゃれな女の子が かわいくなるお手伝いしたいねん。』
あたしの告白に大谷は とびっきりの笑顔を見せてくれる。
『ええやんけ ソレ・・・ふーん 小泉はスタイリストになりたいんか・・・』
『カタカナにせんといて はず・・・『あ--.-ほっ!!!』』
あたしの弱気の言葉に大谷の張り手が飛んでくる。
『いたっ!!』
『やるんやったら自信もってせぇ。おまえ根性あるからなんにでもなれるわ。』
『ほんまに?』
『おぅ ミクロティーチャーが保障したる』
なぁミクロティチャー。
あたし根性あるんやろそしたら『大谷のお嫁さんにもなれるんかな…』
end