なぁ…
明日大谷とお出かけやねん。
世界陸上のチケット手に入ったから行こうって誘われてん。
あの…屋上でのキス…以来ふたりっきりで出かける
大谷がどんな意味でキスしたんかはわからへん
もしかしたら花火の眩しさに目がくらんで
うっかり…
あぁ…もーーーーー考えたら頭ぐるぐるしてきた
大谷の気持ちはわからんけど
あたしはキスされて嬉しかった。
世界陸上行こうって誘ってくれてうれしかった。
明日はどんな洋服…どんな靴なら
この通天閣なでか女が可愛くみえるんやろとか
髪型も どうしたらええん?とか…。
考えながら…
眠りに落ちた らしい
★★★
♪おきーーぃーリサーおきぃー さっさとおきーーーーーー!!♪
高校卒業記念にのぶちゃんにもろた特製目覚ましが鳴り響いて
あたしは すこーーーーしだけ意識を目覚めさせた。
『あー。あと5分…』
5分5分10分とソレ何度も…何度も繰り返して…。
次に時計を見たら…
『なにーーーーなんで こんな時間なーん』
てな時間になっていた。
急いで身支度を整えて…
首には 大谷から貰ったウサネックレスをかけた。
鏡の前で にこっ…なんて笑って くるっと一回転。
『完ぺきや(笑)』
そう今日のあたしは 最強完ぺきや。
カバンの中には 飴ちゃんと バンドエイドets
パンプスも下ろしたての新品。
さぁーーーいってくるー って時。
玄関先で 隆人によばれた
『姉ちゃん…これ忘れとるやろ?』
『これって?あたし なんか忘れてた?』
『ほら…これ…。』
隆人の手をみると あたし名義のICOCAカード
説明しよう ICOCAカードとは
JR西日本が発行するCharge式ICカード
JR 近鉄 地下鉄 南海等 ぴっとするだけで電車が乗れるスグレモノや
(Charge忘れたらあかんよ)
しかもJR系列のコンビニで使えるねん
って
それは 置いといて 一応隆人に お礼ゆうとこっ
『あっ忘れとるとこやったわ~ありがとう』
あたしは 隆人からICOCAを ぶんどり 手に持ったまま
ダシュで玄関を飛び出した。
『遅刻は あかんねん!!!!!』
★★★
『あかん!!! 遅刻やぁ-------』
改札をICOCAで すり抜け地下鉄の階段をあわてて下りた。
電車の発車音が する中おっきな声で叫ぶ!
駅員さーん あたしその電車に絶対 乗りますぅ!!
せやからとまっててーーーーーーー
よいしょっと長い手と足のアーチを生かし滑り込む
『駆け込み乗車は ご遠慮くださぁーーい。』
駅員さんの放送でみんなの目があたしに注がれた。
その視線から逃れてドアに寄りかかり息を整え
うさぎのペンダントの位置をなおした。
『はぁ…しんどかったぁ…』
けど電車に間に合ってよかった。
実は大谷とは長居競技場で待ち合わせやねん。
これって なんかデー…
ぶるんぶるんっ!!!
甘い空気にありそうな自分にカツを入れるために
首を左右にふった。
せやねん…これは…
(デートとは…ちゃう…)
本日のチケットは 大谷が心配して二人分も持ってくれている。
小泉に渡してたらなんか心配。って どんだけ信用してないんよ
って 楽しく お話して ええ感じやった。(はず)
けど…なんかこの間から
大谷お怒りモードやねん。
何怒ってるん?って 聞いても 知らんわ あほっ とかいわれる。
だから…それだけがめっちゃ悲しい。
思い起こせば…
この間 あたしの誕生日に 大谷っちは・・・めちゃくちやええもんくれた
うさぎのネックレス(大谷の趣味ちゃうらしい)
と …と… と…
チュ~ チュ~ チュ~ 2回も ちゅー…
あたしと大谷は キスをした。
あれは… なんなんやろ?
大谷 曰く熱ないって…
あたしも やけくそじゃない…
まさか あたしと 大谷はあのキスで付き合…って
そんなん言われてないし あれはなんの ちゅー?
あ~わからん!!!
大谷がわからん !!!!
頭を抱えて自問自答しても答えはない…。。
あかんそんなおセントは置いといて 今は とりあえず 急がんと・・・。
遅刻やね~ん。
誰か この電車 特急にしてぇーーーーー。
★★★
電車が 長居競技場の駅に着く。
ここから…走って…
もう少しだけ歩こっと結構距離あるし
大谷が見えたら全速力で走ったらええねん
丸いオブジェの前で 大谷と待ち合わせ
時間確認したらあたしもう30分も…遅刻やんか…。
『あかん!!約束の時間過ぎてる~』
あたしは 走る走る 走る…
たどり着いた…待ち合わせの丸いでっかいオブジェの処にちっこいん(笑)おる
なんかうれしいなあ…待ってもらうん
(なんて 怒るやんな…)
最後のダッシュの威力で 大谷の前に到着した
『ごめん!!遅れて』
『おそようございます。』
大谷が ほんの少しむくれている。
『お前 遅れるんなら 一言メールぐらい 入れろや あほっ…』
『あーぁ ごめん。メールねぇー(笑)』
『何回も 電話したっちゅうねん…。』
『ほんま ごめん。携帯に電話…って えっと携帯…。』
あたしは 携帯…って その前に なんや 腕とか手とか やけに軽く…
あたしの手には ICOCA…のみ…。
って 事は もしかして…。
大谷を ちらっと 見る。
『あっ…鞄忘れた。携帯もカバンの中…。』
『?』
大谷は 不思議そうに あたしを見る。
あたしも自分が 不思議で しょうがない…。
で…ひとつ思い出した。
このスカートのポケットに…あるねん。
『ポケットに…小銭ならある』
『おまえはおっさんか?今からパチンコか』
(大谷 今のパチンコは小銭では できひんで…。)
あたしは こそっとため息をつく。
あかんなぁー あたしって 女の子度 やっぱり低い…
あんなチュ~とか したあとやから
可愛く時間より はよきて大谷待ちたかった。
『ごめーん 小泉待った?』なんていわれて…
『今 来たところやから 大丈夫やで…』なんていいたかったのになっ。
でも
大谷と一緒に居れるんなら 遅刻も…愛嬌やわ
ぼーっとしている あたしに 大谷が声をかける。
『もう…オレのおごりでいくぞ。わすれもんしたあほ(笑)
ぼーっとしてたら おいてくでぇ…』
『あーーーー そんなん いわんと…まってぇや大谷』
あたしは 大谷と一緒に競技場の中に入った。
★★★
その頃…
リサが 玄関にカバンを忘れているのを 隆人が見つけた。
『カバン忘れてって・・・あほ姉ちゃんにICOCAわたしといてよかったわ
今日一緒におるひと めっちゃ苦労しとるやろな』
と つぶやいていた。
END
おろしたての靴は靴擦れするよー(笑笑)
と思う2014年秋(笑)
きっとローラーシューズを履いて…
へんわっ(笑)