『うわぁーーーー 何ここ めっさきれーおっきいー楽しげなもんもいっぱいやー』
『ほんますげー チラシ写真以上や』
『チラシ？』
『こないだ 巨大アミューズメントフロアオープンのチラシ入っとってん』
そこは 前にきたことあるボーリング場
今回リニューアルって事で5分100円でどのゲームしてもオッケーというんが出来たらしい。
『そんなん見つけてるやなんて 大谷かっこええー天才』
『そんなにほめんなって(笑) 小泉くん思う存分遊びたまえ』
『うん。』
まずは アイスホッケー。(名前はうろ覚え)これって東京フレンドパークでホンジャマカかゲスト相手に闘ってるやつ
めっさ白熱の試合展開。けどやっぱしあたし運動系のゲームは苦手で大谷が圧勝
んで 音ゲー。タンバリンでゴー。もちろん2人で協力プレー
海坊主の曲が入ってたら あたしら最強やのになぁ
そしてまってました あたし得意の格ゲー。見事な手捌きでコントローラーを操るあたしに大谷はやられっぱなし
『よっしゃ やったー3連勝』
『おまえめっさ強いなぁ… オレのん壊れてへんか…』
なんか あたしら待ち合わせの時の気まずさなんて吹き飛ばして 普通にたのしゅーに遊んでる。
『小泉 おもろいか？』
『うん めっさおもろーい。ここ大好きや 住みたい(笑)』
『そりゃよかった。チラシ見たときゲームいっぱいやから 小泉絶対ここ気に入ると思っててん』
『・・・大谷(そうなんや)』
なぁ大谷 ここは自分が来たいところやなくて あたしを連れて来たいところやったって思ってええん？
『小泉 もう一回勝負や』
なんか 大谷って凄い。
『やーん また負けた。ゆうくんつよーいんやもーん♪』
『えへへへ そっかなぁ』
斜め前のカップルさんが ラブラブに遊んでるん見て あたしは はっとした。
もしかしたら おデートやねんから 負けたほうが かいらしいん？
『小泉 何ぼーっとしとん 始まんぞ。』
『う…うん』
『次は 勝つで うぉーりゃー』
大谷は あたしの事思って おデートにあたしが喜びそうなところ選んでくれたのに
あたしときたら 手ぶらやしあほみたいにはしゃいで 格ゲー真剣になって
必殺技繰出して4連勝…。
最悪や…
★★★
あたしって最悪な彼女やん。
背でかいのは おいといて ちっともかいらしーない。
『はーーーっ』
『小泉 たのしゅーないんか？思いっくそでっかいため息ついて失礼なやっちゃな。』
大谷様のおごりで ワクド食べてたとき あたしは自分のあほさにため息ついてしもた。
『ちゃうねん。たのしいけど けどな… ごめん』
『いや たのしかったらええんやけど』
『ん』
『ほな もうちょっと休んだら次は 卓球しよか？』
大谷は やさしい。
こんなあほなあたしに怒ることも 帰ったりすることもなく 笑顔で遊んでくれてる。
しかも スマートにスムーズに… やっぱり コレって彼女いてたからなんかなぁ
『なー 大谷』
『ん？』
『あのさぁ 大谷って元カノとも おデートしたりした？』
ぶっ!!!
大谷は 飲んでたコーラを噴出した。
『なんやねん また急に何…『だってさぁーーーーあたしは今までの人生でデートなんかしたことないんやもん。』』
今日が正真正銘の初のデートやもん。
『どうたらええかわからんのに 大谷は こなれた風にスケジュールさり気なく立ててたり…』
『人を遊び人みたすにゆーなって…』
『遊び人金さん…』
『まぁ スケジュールゆうてもオレが行きたいところに連れてきただけやし 大げさやな小泉』
ウソや 大谷は どうしたらあたしが喜ぶか熟知しとるんやもん。
『でも あたしのハートはガッチリつかんだもん』
『あらあら つかんじゃいましたか(笑)』
しっかりつかんでガッツリゲットしとるやんかぁ。あたしなんか…大谷のハートの存在も見えんのに
『うん ずっこい あたしも大谷のハートつかみたい』
『アホか オレのハートは そうそう簡単につかまれんぞ』
にゅーーーーーー!!
なんやねん このちっこいおっさん。
『いたっ…あかん どっかで指切ってもた。』
大谷が どっかで指ひっかけてもたみたい。せや ここで彼女の出番や。
『大谷 あたしバンソーコ持ってんねん…』
『いや 小泉。』
『カバンに入れ・・・・・といたけど カバン持ってきてなかったぁ。』
『せやろなぁーええよコレぐらいどうって事ないし』
ばたんっ!!あたしは机に突っ伏した。
『イヤんなるわ あたしってなんでこんなに役立たずなんやろ…。』
『小泉 別にええやんけ いつも通りにしとったら そんなに何はりきってんねん。』
『だって…』
こんな時 大谷の元カノのかいらしーい子やったら『はい 敦士くん』なんてバンソーコすーっと自然に出てくるねん
なんせバスケ部のマネージャーさんやもん。なんならマキロンもシュしてくれるかもしれんやん
あの子 神崎さんやったっけ…
ちっこくてめっさかいらしかったなぁ
あんな気の利く女の子のあとが このでっかくて気もきかんあたしやなんて 大谷って不幸な子や。
『はー食った ごっそさーん。』
そっか気の利く女の子やったら ここは後片付け率先せんな。
『大谷様 あたし片付ける!!』
立ち上がって スマートに返却口に持ってこうとした時 なんでか椅子があたしのスカートのすそを掴んでて…
『おい 小泉』
『ひぇ゜ーーーーーーーーーーーー』
ガシャーン!!!
その場に トレイにあったもの全部ぶちまけた。
たまにスカートはいて たまに気きかせたら コレやもん あたしってあたしって…
『お客様 あとは片付けますから…ありがとうございました』
『す…すみません』
『アホ』
せやな 大谷あたしは アホやねん。
大谷今度こそ あきれたやんな。
もう卓球は ヤメ ココで解散。帰りの電車代は貸しとくわってゆわれるんやろなぁ
『小泉』
『は…はい(帰るんやんなぁ)』
『のど渇いた』
『えっ？ 今コーラ飲んだところやんかぁ』
『ええから 買うてきてくれ 小泉のおごりで 小銭は持ってんねんやろ』
小銭は スカートのポケットに2人分のジュース買うだけある。
『誰が そんな粋な計らいをしてくれと・・・・』
『うっさいなぁ この役立たず オレのハート掴みたないんか？』
『つかみますっ ガッチリつかみたいんでいってきまーす』
『はい いってらっしゃい(笑)』
