★帰りたくない ① ★
★帰りたくない②★
『ただいま…』
恐る恐るドアを開けると 休みで家におるはずのリサがおらん。
テーブルには(出掛けてきます…)と置手紙
そのうち帰ってくるやろうと思ってた
思ってた
おも…
23時になってもメールも電話も伝書鳩もこーへん
まさか!!!
シンヤの所にでも行って…
って思った時
『…たーだーいまー…』とリサの弱々しい声がした。
☆★★
☆★★
『…えっと大谷 遅くなりました。』
『おぅ 遅かったなぁ…』
連絡もせんと…
なんて声が聞こえてきた気がする。
大谷 あたしの事見て…ないねん。
『ん…あ…茶子ちゃんの家 行っててん。』
『ふーん。』
あぁ右眉上がっとるぅ
めっさご機嫌わるい。
ほんまあたし大谷になにしたんやろ
ここ一週間の事を思い出して…
あかん… 心当たりがありすぎや
たとえばゴミ当番忘れてたとか…ご飯炊き忘れたとか
洗濯するときに洗剤…
頭抱えてたら ギロリと睨まれた。
ここはごめんなさいってゆうたらきっと丸く収まるはず
『大谷 ごめんっ!!!』
『はぁ 何がごめんや このうわきもん。』
『だ…だれが浮気もんなんよっ!!』
『おまえが…』
『えっ あたしっ!!』
いきなり浮気者扱いってなんなんよ。
『今日も茶子のとこ行ってたんちゃうやろ』
『いって…』
『もうええ 言い訳なんか聞きとぅないー』
なんなんこの不機嫌なおっさん。
人の事浮気もんとか
ほんまわけわからん。
『言い訳ちゃうよ。ちゃんと話聞いてぇやぁ』
『知らん。』
『大谷は学校で人の話はちゃんと聞くなっておしえてんのっ』
『そ…それは…』
『そうやなかったら話。聞いてほしい。』
言いながら瞳からはじわじわと涙が込み上げて流れてく
これは悲しい涙やなくて悔しい涙
ちゃんと向き合ってくれん大谷への抗議
『シンヤ…。』
『えっ』
『おまえの浮気相手の名前やろ…。』
『はい???』
いきなしそう切り出されて
あたしは思わず大きな声を出してしもた。
『リサがゆうた。寝てる時…寝言で…』
真顔で大谷はゆうけど
そんな名前に心当たりない…。な…なっ
『シンヤ?…あーーーーーーー!!!』
『どこのだれやそいつは!!』
シンヤ…
なーんや(笑)そんな事…(笑)
シンヤと聞いてなんだか笑いが込み上げる。
『何がおかしいねん。もしかして開き直りかっ!!』
『せ…せやかて あはははは…(笑)』
『リサっ』
大谷は怪訝な顔をしてあたしを見てる。
『あたし ゆうてもたんや シンヤって(笑)』
『お…おぅ』
大谷は あたしの反応にますます怪訝な顔をする。
ぎゅっ…
ソファーに腰掛けてる大谷の首に手を回し抱き付いた。
『アホやなぁ…大谷』
『なっ…』
『不機嫌やったんは…ヤキモチ妬いてくれててんや(笑)』
『そんなん…より誰やねん』
携帯から1枚の写真を選んで大谷に見せる
『これが シンヤ…ってゆうねん』
『えっ…こいつが…』
『そう 茶子ちゃんちのワンコのシンヤくんです。』
『ワンコ…』
呆気にとられてる大谷の姿が
なんか可愛くて愛しくて抱き締める腕に力を込めた。
『あたしワンコ苦手やけどこのこだけは大丈夫やねん』
『…』
『嘘やと思ったら茶子ちゃんにきいてな❤』
『ワンコ…って あははははは』
ふっと大谷の顔が緩む。
その瞬間ちゅっと大谷の頬にキスを落とした。
『茶子にゆうとけ…紛らわしい名前つけんなって…』
『はぁーい(笑)』
大谷が甘く笑う。あたしも笑顔になる。
不機嫌の理由はめっさ簡単。
付き合った当初よりヤキモチ妬きな大谷(笑)
理由がわかったら帰りたくないなんて思わんかったのに
ずーーーーーーっと悶々としてたんが
可愛いってゆうたら怒られるんかな
end
やっと、まゆどんもスッキリしたよ(^^)
よかったよかった(^o^)