昔々…
あるところに それは それは かわいい…女の子が
『アホ!オレは 男やっちゅうねん…』
はいはい…
昔々 あるところに ちっこい男の子がおりました。
名前は あっちゃん…。
『ちっこいっちゅう 前置きは いらん…
それに あっちゃんゆうなっちゅうねん…』
もぅ…いちいち うるさいなぁ
とにかく そうゆうんが おってん
『みんなにわかるように 大谷って呼んでくれ…』
はいはい…
大谷は 一番末っ子だからと兄ちゃんにいじめられてました
『おぃ ミジンコ 夕飯 まだか?』
『オレは…ミジンコちゃう!! アホ遥…』
『大谷 掃除してへんな…ちゃっちゃとしいや…』
『ごめん 中尾兄さん』
『大谷…風呂 熱い…』
『ごめん 鈴木兄ちゃん…』
いつも こんな感じでした。
大谷の部屋は屋根裏…。
洋服もボロギレ…パンツなんか 一週間…
『そんなん いまは ええやろ!!』
いつもいつも 重労働を命じられて ヘトヘトの毎日でした
★★★
『遥 きてみ…』
『何々 中尾にいちゃん?・・・』
中尾にいちゃんのその手には…1枚のチラシが握られていた
『舞踏会のDM・・・』
そう 今日はは 年に一度の舞踏会。
お姫様にふさわしい王子様を 見つける日やねん。
『お姫様って めっちゃ巨乳らしいで…』
『中尾兄さんは…乳すきやからなぁ…オレは…女の子やったら』
『遥兄さんは…めんくいやから…オレは…別に…』
3人の顔が…三様に でれっと…にやける。
『巨乳で ボンキュッボーン…』
『ハーレム…』
『贅沢で 昼寝三昧…』
そして
『『『おっしゃあー!!』』』
3人は 慌てながら自分の部屋に飛び込み 舞踏会への洋服を吟味する。
『ええなぁ…舞踏会…』
大谷が招待状を手にして ふぅ…なんて ため息ロカビリー…
『なぁ 兄ちゃんズ…オレも いったらあかん…』
『『『あかん!!』』』
3人それぞれ 一番のエエ服を着て出てくる
そして 遥が大谷に命令する
『ミジンコ。ちゃんと 隅々まで掃除するんやで…
まあ オレが王子になったら…お前は召使にしたるわ』
『…召使ってなんやねん…』
『なんかゆうたか?』
『なーんも…』
大谷は 遥をにらみつけるけど…
遥は 今からの事で 忙しく 気になんかしてない。
『ほらほら 遥・鈴木 そろそろ時間や…いくで…』
『じゃあ 留守番頼むで ミジンコ…。』
ガチャン…
閉められたドアを 大谷は ぽつんと 見ていた。
たったひとりのお友達の…ねずみのコホリン…
大谷は 俯いて…呟く。
『オレも 行きたいのに… けどまぁ着ていく服なんかないけど』
♪ぴーんぽーん ぱんぽーん ずずずん…
『ん? なんやねん この音楽…』
窓から 空を見上げると なんと ほうきに跨った人が見えた
ガシャーン!!どっすーん!!
なんとその人は 目の前のおっきな木に激突して墜落した。
大谷は すぐに家から飛び出た。
『いたたたたたた…』
『あの…自分大丈夫なん…』
大谷は その人の格好を見て驚く
とんがり帽子に…真っ黒なマントと 真っ黒な服。
これって なんか…
『魔法使い…みたいやんけ…』
その人は とんがり帽子を くいっとあげる。
なんか…髪まで まっくろな…男前。
『…ボクは 魔法使いだよ…。』
『へっ?』
男の名前は マイティ…一級の魔法使い。
よそ見してたら木にぶつかったらしい…
何事もなかったかのように すくっとたちあがって
大谷に 笑顔を 投げかける…
『さぶっ…さぶいぼでそうや…。』
『ボクは 君の願いをかなえに来たんだよ。大谷君…』
『な…なんで オレの名前…』
『君は 毎日毎日…このねずみのコホリンに餌をあげて
日々の不満や願いをぶつけていたでしょ…』
『…おぅ…今日も…舞踏会に・・・』
『だから さぁ目を閉じて…』
もう ややこしい説明は どうでもよくて…
大谷は 期待に胸を膨らませて ぎゅっと目を閉じる。
『テクマクマイティ テクマクマイティ・・・・』
んー どっかで聞いたような呪文はマイティが唱えると
大谷の洋服は…ボロボロのんから 王子様に代わっていく
靴は…ガラスの…。ではなくて…
『マイティ なんやねん…長靴…』
『ごめん大谷君 失敗した…。テクマクマイティ…
さぁ これでよしっと・・・。』
マイティは大笑いの後 ガラスの靴を大谷に履かせる。
あともう一度呪文を唱えると…
現れたのは 真っ白な馬…。
『わぁ…すげぇ…これ ほんもん?』
『大谷君…ひとつ注意…。これはすべて魔法の力だよ。
だから 12時お城の鐘が鳴り終わった瞬間に…』
『瞬間に…』
『すっぱだかに なるから 注意してね…』
『わかった ありがとう マイティ…』
大谷は 真っ白な馬に跨って…お城を目指した。
お城は 舞踏会で賑わいでいる。
リサ姫は…食傷気味で…椅子に座り込んで人々を見ていた。
いろんな人と踊ってみたものの しっくりいかなくて…
『リサ姫。如何ですか? お気にいる男はおりますか?』
『…あかん 全部 かぼちゃにみえんねん…』
『か…かぼちゃ…って まぁ そのうちやってきますよ。』
そこへ…
大谷登場。お兄さん達に見つからんように会場に忍び込んだ。
『靴…ガラスなんて 冷たいっちゅうねん。
へぇ…ここがお城ん中か…初めて見たわ(笑)』
その大谷の ちっこい姿を姫のリサ瞳が捉えた。
『なぁ… あたし…あの人と踊ってみたい』
『あのお方ですか…けれども リサ姫の身長とは…』
『ええから あの人 連れてきて…』
『あっ はい かしこまりました。』
執事が大谷に近づき 交渉する
リサ姫が階段から 降りてきて そっと微笑む。
『あたしと踊っていただけますか?』
『はい…喜んで…けど・・・』
『えっ…』
大谷は リサ姫の…その身長に躊躇した
どうみても自分の方が…ちっこい。
『いいえ…踊りましょうか』
『はぃ…』
まぁ そのへんは 丸投げして大谷は 姫と踊る。
身長は その凸凹でも 楽しいって思ったから…
『あ…あたし… あなた みたいな人…理想かも…』
『へっ…そうなん? 姫に そう言われたら…照れるわ…』
くるくるくるくる…ふたりは 踊る
楽しげに笑いながら…。
『あの…姫のお名前は…』
『あたしは…リサ…』
『リサ…って ぴったりな…名前やな…』
『えっ…』
2人は 見詰め合う…。
そして唇が 重なりそうに…なった。
『あっ 中尾兄ちゃんみてよ…アレ…』
『リサ姫と…なんやあの ちっこいん…』
『なんや 大谷に似とらん?』
3人は 顔を 見合わせる。
『うそー!!!』
♪リンゴーン リンゴーン
そのとき12時を知らす 鐘が鳴り響いた。
大谷はその鐘の音にあわせて…リサ姫から離れる
『ごめん…』
『…えっ…』
そして いそいで長い階段を駆け下りる
ここで全裸なんかになったら ええ笑いものや…
途中 ガラスの靴が脱げてしもた。
けど これは 魔法…
12時になったら アレもなくなる
だから…気にせんで ええねん
って 事で
転がりながら駆け下り 白馬に跨って家路を急いだ。
もう少しで 家…という所で魔法が解けた。
全裸…と
馬は ねずみのコホリン…。
『はぁ…姫…でかいけど…可愛かったなぁ…』
夜明け前に 3兄弟は帰ってきた。
『おーい 大谷起きてこい!!』
『ん…なに にいさん…』
目を擦ってウサギの抱き枕を持って大谷は現れる。
『ほら…こいつがお城に おるわけないやろ遥』
『そやんな…でも あいつ ミジンコに似てたわ』
『どこの王子なんやろ…
すっとおらんようになって…あのあとリサ姫泣いてたな』
そうです。
エエ雰囲気やったのに いきなり消えた大谷王子。
リサ姫は…自分の身長のせいで王子が逃げたと思ってました。
『姫…泣いてたんや…』
『ん? 大谷には 関係ないやろ…』
『そうやんな…』
★★★
そして1週間後。
お城から数人の家来が 大谷の家にやってきた。
『こほん… この家の男全員…は これだけで…』
『はい ぼくと 遥と 鈴木…この3人が舞踏会へ行きました』
そして…
家来は 一足の靴を取り出す。
『この 靴ですが…みなさんに 履いていただきたいのですが』
『この靴?ってガラスの靴ですやん?男の履く靴やないですよ』
遥は そうゆうて笑ったけど みんな真剣そのもの…
一人一人 その靴を試した。
『あかん…ちっこすぎる…』
『オレも無理や…』
『無理…』
3人とも 履けなかった。
家来は 大谷を見て…
『こちらの方も…一応…履いていただけますか?』
『けど…』
大谷は3兄弟をちらりっとみた。
家来は その視線を感じて 遥に聞いた。
『そこの男前の お兄さんいいですよね。』
『は…はぁ 多分無駄と思いますが…』
くるりと 遥から背を向けて 大谷にガラスの靴を差し出した
『はい…お願いします。』
大谷は 躊躇しながらも靴を履く…。
もちろん それは ぴったりで…。
『おーぉ!! 靴が入ったぞ…』
『うそーなんで 大谷が…!! 中尾兄ちゃんなんでやねん…』
そんな遥の叫び声は スルーされた。
『あなたが…あのときの王子ですね…。』
『はい…けど アレは仮の姿です。』
『仮の…?』
大谷は 家来に正直に マイティの魔法の事を話した。
『はい だからオレには…リサ姫に逢いに行く資格は
ないんです…。』
『大谷…。』
そのとき 家来の後ろにいた もう一人の人が…
大谷をいきなり抱きしめる。
『な…。オレは 男と そんな趣味は…ない!!』
抵抗したとき 甘い香りが大谷を包み込む。
『大谷…』
『もしかして…リサ姫…』
『…逢いたかった…。あたしの王子…』
『リサ姫…。ええん?オレは…こんなん…』
そう大谷王子は…今は みずぼらしい ただの大谷。
リサ姫とは 月とスッポン…。
身分違いもええとこやねん。
『…ええよ…。あたし…一目ぼれしたから…』
『リサ…姫…』
『それより 大谷は ええん…あたしでかいのに…』
『リサ姫こそ…オレ こんなにちっこいのに…』
『『ええよ…』』
そして2人は 熱い抱擁と…キス…。
その後結婚して 幸せにすごしましたとさ…
おしまい…
あるところに それは それは かわいい…女の子が
『アホ!オレは 男やっちゅうねん…』
はいはい…
昔々 あるところに ちっこい男の子がおりました。
名前は あっちゃん…。
『ちっこいっちゅう 前置きは いらん…
それに あっちゃんゆうなっちゅうねん…』
もぅ…いちいち うるさいなぁ
とにかく そうゆうんが おってん
『みんなにわかるように 大谷って呼んでくれ…』
はいはい…
大谷は 一番末っ子だからと兄ちゃんにいじめられてました
『おぃ ミジンコ 夕飯 まだか?』
『オレは…ミジンコちゃう!! アホ遥…』
『大谷 掃除してへんな…ちゃっちゃとしいや…』
『ごめん 中尾兄さん』
『大谷…風呂 熱い…』
『ごめん 鈴木兄ちゃん…』
いつも こんな感じでした。
大谷の部屋は屋根裏…。
洋服もボロギレ…パンツなんか 一週間…
『そんなん いまは ええやろ!!』
いつもいつも 重労働を命じられて ヘトヘトの毎日でした
★★★
『遥 きてみ…』
『何々 中尾にいちゃん?・・・』
中尾にいちゃんのその手には…1枚のチラシが握られていた
『舞踏会のDM・・・』
そう 今日はは 年に一度の舞踏会。
お姫様にふさわしい王子様を 見つける日やねん。
『お姫様って めっちゃ巨乳らしいで…』
『中尾兄さんは…乳すきやからなぁ…オレは…女の子やったら』
『遥兄さんは…めんくいやから…オレは…別に…』
3人の顔が…三様に でれっと…にやける。
『巨乳で ボンキュッボーン…』
『ハーレム…』
『贅沢で 昼寝三昧…』
そして
『『『おっしゃあー!!』』』
3人は 慌てながら自分の部屋に飛び込み 舞踏会への洋服を吟味する。
『ええなぁ…舞踏会…』
大谷が招待状を手にして ふぅ…なんて ため息ロカビリー…
『なぁ 兄ちゃんズ…オレも いったらあかん…』
『『『あかん!!』』』
3人それぞれ 一番のエエ服を着て出てくる
そして 遥が大谷に命令する
『ミジンコ。ちゃんと 隅々まで掃除するんやで…
まあ オレが王子になったら…お前は召使にしたるわ』
『…召使ってなんやねん…』
『なんかゆうたか?』
『なーんも…』
大谷は 遥をにらみつけるけど…
遥は 今からの事で 忙しく 気になんかしてない。
『ほらほら 遥・鈴木 そろそろ時間や…いくで…』
『じゃあ 留守番頼むで ミジンコ…。』
ガチャン…
閉められたドアを 大谷は ぽつんと 見ていた。
たったひとりのお友達の…ねずみのコホリン…
大谷は 俯いて…呟く。
『オレも 行きたいのに… けどまぁ着ていく服なんかないけど』
♪ぴーんぽーん ぱんぽーん ずずずん…
『ん? なんやねん この音楽…』
窓から 空を見上げると なんと ほうきに跨った人が見えた
ガシャーン!!どっすーん!!
なんとその人は 目の前のおっきな木に激突して墜落した。
大谷は すぐに家から飛び出た。
『いたたたたたた…』
『あの…自分大丈夫なん…』
大谷は その人の格好を見て驚く
とんがり帽子に…真っ黒なマントと 真っ黒な服。
これって なんか…
『魔法使い…みたいやんけ…』
その人は とんがり帽子を くいっとあげる。
なんか…髪まで まっくろな…男前。
『…ボクは 魔法使いだよ…。』
『へっ?』
男の名前は マイティ…一級の魔法使い。
よそ見してたら木にぶつかったらしい…
何事もなかったかのように すくっとたちあがって
大谷に 笑顔を 投げかける…
『さぶっ…さぶいぼでそうや…。』
『ボクは 君の願いをかなえに来たんだよ。大谷君…』
『な…なんで オレの名前…』
『君は 毎日毎日…このねずみのコホリンに餌をあげて
日々の不満や願いをぶつけていたでしょ…』
『…おぅ…今日も…舞踏会に・・・』
『だから さぁ目を閉じて…』
もう ややこしい説明は どうでもよくて…
大谷は 期待に胸を膨らませて ぎゅっと目を閉じる。
『テクマクマイティ テクマクマイティ・・・・』
んー どっかで聞いたような呪文はマイティが唱えると
大谷の洋服は…ボロボロのんから 王子様に代わっていく
靴は…ガラスの…。ではなくて…
『マイティ なんやねん…長靴…』
『ごめん大谷君 失敗した…。テクマクマイティ…
さぁ これでよしっと・・・。』
マイティは大笑いの後 ガラスの靴を大谷に履かせる。
あともう一度呪文を唱えると…
現れたのは 真っ白な馬…。
『わぁ…すげぇ…これ ほんもん?』
『大谷君…ひとつ注意…。これはすべて魔法の力だよ。
だから 12時お城の鐘が鳴り終わった瞬間に…』
『瞬間に…』
『すっぱだかに なるから 注意してね…』
『わかった ありがとう マイティ…』
大谷は 真っ白な馬に跨って…お城を目指した。
お城は 舞踏会で賑わいでいる。
リサ姫は…食傷気味で…椅子に座り込んで人々を見ていた。
いろんな人と踊ってみたものの しっくりいかなくて…
『リサ姫。如何ですか? お気にいる男はおりますか?』
『…あかん 全部 かぼちゃにみえんねん…』
『か…かぼちゃ…って まぁ そのうちやってきますよ。』
そこへ…
大谷登場。お兄さん達に見つからんように会場に忍び込んだ。
『靴…ガラスなんて 冷たいっちゅうねん。
へぇ…ここがお城ん中か…初めて見たわ(笑)』
その大谷の ちっこい姿を姫のリサ瞳が捉えた。
『なぁ… あたし…あの人と踊ってみたい』
『あのお方ですか…けれども リサ姫の身長とは…』
『ええから あの人 連れてきて…』
『あっ はい かしこまりました。』
執事が大谷に近づき 交渉する
リサ姫が階段から 降りてきて そっと微笑む。
『あたしと踊っていただけますか?』
『はい…喜んで…けど・・・』
『えっ…』
大谷は リサ姫の…その身長に躊躇した
どうみても自分の方が…ちっこい。
『いいえ…踊りましょうか』
『はぃ…』
まぁ そのへんは 丸投げして大谷は 姫と踊る。
身長は その凸凹でも 楽しいって思ったから…
『あ…あたし… あなた みたいな人…理想かも…』
『へっ…そうなん? 姫に そう言われたら…照れるわ…』
くるくるくるくる…ふたりは 踊る
楽しげに笑いながら…。
『あの…姫のお名前は…』
『あたしは…リサ…』
『リサ…って ぴったりな…名前やな…』
『えっ…』
2人は 見詰め合う…。
そして唇が 重なりそうに…なった。
『あっ 中尾兄ちゃんみてよ…アレ…』
『リサ姫と…なんやあの ちっこいん…』
『なんや 大谷に似とらん?』
3人は 顔を 見合わせる。
『うそー!!!』
♪リンゴーン リンゴーン
そのとき12時を知らす 鐘が鳴り響いた。
大谷はその鐘の音にあわせて…リサ姫から離れる
『ごめん…』
『…えっ…』
そして いそいで長い階段を駆け下りる
ここで全裸なんかになったら ええ笑いものや…
途中 ガラスの靴が脱げてしもた。
けど これは 魔法…
12時になったら アレもなくなる
だから…気にせんで ええねん
って 事で
転がりながら駆け下り 白馬に跨って家路を急いだ。
もう少しで 家…という所で魔法が解けた。
全裸…と
馬は ねずみのコホリン…。
『はぁ…姫…でかいけど…可愛かったなぁ…』
夜明け前に 3兄弟は帰ってきた。
『おーい 大谷起きてこい!!』
『ん…なに にいさん…』
目を擦ってウサギの抱き枕を持って大谷は現れる。
『ほら…こいつがお城に おるわけないやろ遥』
『そやんな…でも あいつ ミジンコに似てたわ』
『どこの王子なんやろ…
すっとおらんようになって…あのあとリサ姫泣いてたな』
そうです。
エエ雰囲気やったのに いきなり消えた大谷王子。
リサ姫は…自分の身長のせいで王子が逃げたと思ってました。
『姫…泣いてたんや…』
『ん? 大谷には 関係ないやろ…』
『そうやんな…』
★★★
そして1週間後。
お城から数人の家来が 大谷の家にやってきた。
『こほん… この家の男全員…は これだけで…』
『はい ぼくと 遥と 鈴木…この3人が舞踏会へ行きました』
そして…
家来は 一足の靴を取り出す。
『この 靴ですが…みなさんに 履いていただきたいのですが』
『この靴?ってガラスの靴ですやん?男の履く靴やないですよ』
遥は そうゆうて笑ったけど みんな真剣そのもの…
一人一人 その靴を試した。
『あかん…ちっこすぎる…』
『オレも無理や…』
『無理…』
3人とも 履けなかった。
家来は 大谷を見て…
『こちらの方も…一応…履いていただけますか?』
『けど…』
大谷は3兄弟をちらりっとみた。
家来は その視線を感じて 遥に聞いた。
『そこの男前の お兄さんいいですよね。』
『は…はぁ 多分無駄と思いますが…』
くるりと 遥から背を向けて 大谷にガラスの靴を差し出した
『はい…お願いします。』
大谷は 躊躇しながらも靴を履く…。
もちろん それは ぴったりで…。
『おーぉ!! 靴が入ったぞ…』
『うそーなんで 大谷が…!! 中尾兄ちゃんなんでやねん…』
そんな遥の叫び声は スルーされた。
『あなたが…あのときの王子ですね…。』
『はい…けど アレは仮の姿です。』
『仮の…?』
大谷は 家来に正直に マイティの魔法の事を話した。
『はい だからオレには…リサ姫に逢いに行く資格は
ないんです…。』
『大谷…。』
そのとき 家来の後ろにいた もう一人の人が…
大谷をいきなり抱きしめる。
『な…。オレは 男と そんな趣味は…ない!!』
抵抗したとき 甘い香りが大谷を包み込む。
『大谷…』
『もしかして…リサ姫…』
『…逢いたかった…。あたしの王子…』
『リサ姫…。ええん?オレは…こんなん…』
そう大谷王子は…今は みずぼらしい ただの大谷。
リサ姫とは 月とスッポン…。
身分違いもええとこやねん。
『…ええよ…。あたし…一目ぼれしたから…』
『リサ…姫…』
『それより 大谷は ええん…あたしでかいのに…』
『リサ姫こそ…オレ こんなにちっこいのに…』
『『ええよ…』』
そして2人は 熱い抱擁と…キス…。
その後結婚して 幸せにすごしましたとさ…
おしまい…