『大谷 今年も ありがとっ♪』
『な…なんなん急に…まだ今年は2週間弱あるんやけど…』
なんでもない夜のなんでもない電話。
バイト先から 暇やからって連絡くれた大谷に
(ほんまは あたしの声聞きたかったとか…)
あたしは ありがとうを告げた。
受話器の向こうの大谷は
きっといつもの笑顔で笑ってる
あたしの大好きな、あの笑顔。
目の前におらんくても 思い出すだけで
心がちびっとあったかくなる。
『ありがとうって ちびっと言いたかっただけ(笑)』
デヘヘ♪
『まぁ…オレも そうやから…今年もありがとうなっ』
『うん。』
あたしが答えると
『来年もこんなオレやけどよろしくお願いします』
大谷が 改めて言い直すような口調で、そんなことを言うから
あたしは 思わず丸めていた背中をぴんと伸ばしてしまった。
『こちらこそ、こんな ふしだらなあたしですが、よろしくお願いします。』
『あはははは ふしだらってなんやねん…』
『あー ちゃう ふつつかや ふつつかぁー。』
『はいはい。』
こんなあたしやけど…
来年も 再来年も ずっと ずっと…
end