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空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン

2024年07月17日 | 日記
★取材レポート★

日本での展示は約30年ぶりとなる、ジャン=ミッシェル・フォロンの大規模展覧会が
東京ステーションギャラリー(東京・丸の内)で開催中です。



フォロンは、20世紀後半のベルギーを代表するアーティストのひとりですが、
日本では知らない人も多いかもしれません。
フォロンの作品にしばしば登場するリトル・ハット・マンは、フランスのテレビ番組でも放映され、当時のフランスの子どもたちは日頃から親しんでいたようです。



フォロンの描くリトル・ハット・マンは、フォロンの分身でもあり、何にでもなれる存在です。
今回の展覧会では、観覧者のよき道連れとして登場します。
プロローグ「旅のはじまり」、第1章「あっち・こっち・どっち?」、第2章「なにが聴こえる?」、第3章「なにを話そう?」、エピローグ「つぎはどこへ行こう?」と展示会は構成されています。



フォロンは、自らを"AGENCE DE VOYAGES IMAGINAIRES"(空想旅行案内人)と名乗っていました。
展示会場では、フォロンが実際に使用していた名刺も観ることができます。
展示会場で、観覧者は想像力をはたらかせ、能動的に自由に考えることができます。
決まった解釈を必要としないのがフォロン流だからです。



フォロンの作品の魅力は、グラデーションや滲みなどを駆使した美しい色彩にあります。
"空想旅行案内人"の名の通り、地球上から宇宙まで、空想の世界が描かれています。
しかしその作品をよく見ると、人類が抱えている出来事や私たちのシビアな問題に、真っ直ぐ視線が向けられているのがわかります。



フォロンは、私たちの悲劇をポジティブなエネルギーに変えてゆきます。
観覧者は、フォロンの作品を通して希望を見出す旅を体験することができます。
フォロンの作品の多彩な魅力、奥深さを、幅広い人が楽しむことができる展覧会です。

(記事中の写真は全て「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」内覧会時に撮影したものです。)

空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン
【会期】2024年7月13日(土) - 9月23日(月・振休)
【会場】東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1-9-1)
【詳細は公式HP】https://www.ejrcf.or.jp/gallery/

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■アートツリー出版社の写真雑誌『PHOTOSAI』Vol.45に展覧会情報を掲載しています。



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