投資家の目線

投資家の目線948(空飛ぶガラクタF35)

 F35の性能が疑問視されている。”F-35 fighter jets ‘mission capable’ only 55% of the time, watchdog report finds”(By MATTHEW ADAMS STARS AND STRIPES • September 21, 2023)によれば、2023年3月の平均稼働率55%は、ミッション実行可能率を85%~90%にするという目標を下回っている(The 55% average availability rate as of March 2023 is below the goal of a mission-capable rate for different versions of the aircraft of 85% to 90%.)。国防総省のメンテナンスデポが不十分であるため、交換部品の73%をサプライヤーに返送する必要がある(73% of replacement parts must be sent back to suppliers because the Pentagon’s maintenance depots are inadequate,)。稼働率が低い中で出動回数を維持しようとすれば、より多くの機体の導入を必要とする。機体数が想定より多い場合、整備士やサプライヤーの手は足りるのだろうか?

 

 さらにエンジンにも問題を抱えていて、レーダーや他のコンポーネントの冷却を支援するための整備点検で、今後数十年間で380億USダラー追加でかかるという(F-35 engines are being overlooked and could lead to an extra $38 billion in overhauls in the next few decades to help cool radar and other components of the fighter jet.)。F35は値段とスペックは高いが、欠陥が多い(『F35戦闘機 欠陥873件 うち「安全性に影響」13件』 2020/2/5 しんぶん赤旗)。「イランは4月、同国の技術者たちがF35の探知だけでなく、個々のF35のレーダー信号も特定できる最新のレーダー技術を開発したと発表した」(「【解説】F35はなぜ世界で最も高価かつ最も問題のある戦闘機とみなされているのか」 2023/9/21 SPUTNIK)。先のしんぶん赤旗の記事でも、「飛行速度がマッハ1・2を超えると機体のステルスコーティングに損傷が加わる」という「ディフェンス・ニュース」電子版の記事を引用していた。イランはドローン先進国であることなど、その技術力は侮れない。イランにとってF35は、もはやステルス戦闘機とは言えないかもしれない。

 

 日本が次期戦闘機を共同開発する相手の英、伊はユーロファイタータイフーンを独、西と共同開発した実績がある。F35に大きな問題がある以上、スペックの高さを競うだけではない真に実用性のある戦闘機の開発は必要なのだろう。

 

追記:

2023/12/8

鹿児島県沖で墜落したオスプレイの墜落事故に関し、米空軍特殊作戦司令部は「潜在的な設備の問題で事故が起きた」と声明を出した(「米軍、オスプレイを全世界で飛行停止 機体に問題示唆 」 2023/12/7 日本経済新聞電子版)。もはやオスプレイは欠陥機と呼ばざるを得ないのではないか?近年の米国製兵器は、アイデアはおもしろいものの、実用性に欠けるものが多いのではないか?

 

2024/2/28

ドイツ製のレオポルトに続いて、米国製のエイブラムス戦車もロシア軍に破壊された。

 

「レオパルト戦車8両破壊」 ロシア、2日連続で「大攻勢を撃退」と主張    2023/6/6 産経ニュース

ロ軍、ウクライナで米製戦車を初めて破壊=ロシア設置当局 2024/2/27 ロイター

 

英国の空母クイーンエリザベスは、プロペラシャフトの不具合でNATOの合同演習を欠席。

 

「演習に出られません」英空母「クイーン・エリザベス」出航前日に故障発覚! 代役は?2024/2/7 乗りものニュース

 

NATOの兵器でロシア軍の兵器に太刀打ちできるのだろうか?

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