1001タイ映画、千夜一画 

タイ映画またはショートフィルム他で心の琴線に触れたアーカイブ。

House Gory 再編集でも日本向け商品は難しいかな..

2005-06-24 00:31:17 | タイ映画
この映画はラーマ五世時代の悪代官が次々と村の娘を妾にして好色に耽るというたぶん古典文学の底本による映画化作品かも知れないがもう少し確認したい。正妻で子供を産めなくたったクンジンが夫のために積極的にミヤノイ(妾)を斡旋するが、不文律は妊娠しないこと。運悪く妾が身籠もったら最後、硫酸を性器にかけて拷問した後に凄惨な死が待っているという残酷な内容。といってもRight Byondの作品なので、パッケージ以外はテレビ番組の時代劇のようなチープな映像ではなく本格的な商品に仕上がっている。やはりこれを芸術作品に昇華させるのは大島渚監督の「愛のコリーダ」のようにノーセンサーの性描写しか方法はないのかな。同作品でもカメラアングルやセットなどのセンスはこだわりが伝わって入浴シーンなどは充分に見応えがある映像だ。ただ、精霊が漂っているような空と大地と運河の自然や、憂鬱なまでの湿気と熱気など、映像テクニックに走り肝心な空気のような介在する何かが撮れていないし、古典民族楽器の調べに完全に負けている。ペンタトニックの調正の微かな引っかかりと弦のさわりが何か回り舞台の場を永遠に連続してその背後に隠れた正義と悪魔が葛藤しているようなカオス空間を演出しているにの古典音楽のパワーを実感する。

バンコクのFUJI SUPERでクンジンと久しぶりに出会って立ち話。クンジンというのは日本語でたぶん貴婦人のことだが、ラチャカン(公務員)が階級が上って大使や県知事などの要職に就任すると奥さんにクンジンという称号が与えられるが詳しいことは良くわからない。聞くところによるとクンジン・クラブというとこがあってボランティアなど社会活動があるというが、重ねて詳しいことは知らない。たまにFUJI SUPERでは買い物中に引き潮のように夕方の客足が途絶えるた。よく見ると隣でお肉を選んでいるのは皇太子の最初の奥方で、お付きの女史が買い物カゴをぶら下げて付き添っている。もちろん皇宮警察の厳重な護衛付きで気軽に声などとはもっての他。こうした王妃やお后を陰で支えているのもクンジンの役目でらしいが、詳しいことは重ね々知らない。

エンディングは奴隷解放の布告と勘違いするような国王による村民の自由解放と悪代官の終身刑。それで終わりかと思ったらエンディングスクリップと一緒に作品の撮影NG集とサービス精神に戸惑い。非道の悪代官がうら若き女性に鞭を打つシーンでは撲った後で相手を思いやり謝るシーンに興ざめ。やはりこういう時代劇で一番重みを失うのは、上半身裸の男達の姿だろうがこれがクールビズの原点かも知れない。このRight Byondは海外映画のタイ国内配給大手だが、エロチックな分野でのタイ映画製作でも力を入れている。つまり大手が進出していない分野でこれから外貨を稼げる可能性があるという読みで、海外配給では別編集もしてくれる。オーナ母娘はなかなかのビジネスウーマンで有名。Right Byondで関心したのはタイ国内配給VCDコンテンツでタイ語吹き替えとタイ語キャプション版と2Versionを発売していたこと。

Starring : Chutima Every, Tawatchai Minmookda, Kovit Wattanakul

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