すでにいろいろな方の着物ブログでも紹介されているので、こういう言葉を使うのは気が引けるのだが、やっぱり「すばらしかった!」
私の行ったのは最終金曜日の夜。会社が終わって駆け付け、着物ブログ仲間の黒猫さんと鑑賞。平日だというのに結構混んでいた。
アンティーク着物というと、作られた当時の技術を尽くした奔放な意匠をイメージするので、そういうコーディネートが多いのかと思っていたら、意外にもシックな男前着物が多い。そういえば、池田さん御本人がお召しの着物も、どちらかというとシックだ。
何かの表彰でご本人が誂えたという着物にはちょっと驚いた。紬に大きな松竹梅の洒落紋、しかも場所によって松、竹、梅と異なる紋で、「フォーマルには柔らかもの」というルールを完全無視(笑)。常識から解放された、自由な独自の美意識を貫かれている様子がうかがえた。着物も素敵だけれど、その凛とした生き方が展示から感じられたのが、私にとっては何よりの収穫だった。
そのほか、帯留やかんざしなどの小物もたくさん展示されていたが、どれも「いい仕事してますねー」と声をかけたくなるような品物ばかり。
ときどきお手頃な価格帯のアンティーク帯留などをのぞいてみるが、どうも食指が伸びないことが多かった。展示されていたものと比べると、緻密さやきめ細かさが違うのだ。おしゃれをしてはいるんだけど、足元を見るとタイツがたるんでいる感じ(おわかりいただけるかな?)。どうもぴしっとした感じがない。良いものというのは、それなりの緊張感を醸し出しているのだ。それは作った職人の心の持ちようを映しているのかも。
展示の中で、「これはぜひ自分でも取り入れたい」と思ったのは更紗の活用。
八掛けや振りの内側に更紗を使っていたり、無地の着物の部分に更紗をきりばめのようにあしらったり。更紗と無地を肩身がわりのように仕立てたものもあったっけ。
無地とのコントラストで更紗柄の魅力がより引き立つ気がする。更紗そのものには強く惹かれるものの、実際に着るのは個性が強すぎて難しいなあと、常々感じていたのだけれど、これならそれほど抵抗なく更紗を身にまとえる。
行かれた方は、「くれるといったら自分はどれを選ぶだろうか?」という妄想に必ずや走ったことと思う。もちろん私も例外ではない。初釜依頼、フォーマル熱が高まっていることもあり、抹茶色をベースにした油絵のような唐花模様の着物がほしいなあ。総絞りの夏の着物も素敵だったなあ・・・。
<同展示会図録より>
会場には同じように妄想しながら鑑賞している人もいて、私たちの後ろから回っているカップルも、これがいい、あっちがいいと会話していた。しかしふと振り返ってびっくり!
なんと男性と思っていたのは女性だったのだ。
いや、正確に言うと、綺麗にアンティーク(っぽい)着物を着て女装した男性だったのだ。身長だって180cmぐらいはあったのではないか?どこから見ても立派な男性…。
しかし、私は不思議と抵抗がなかった。むしろ共感を覚えたほど。別の場所で見たなら、抵抗感があったかもしれない。でも、あの日は、同じ「池田重子の世界」に魅了された仲間意識のようなものを感じてしまったのだ。それほど独特の美しい世界が展開されていた。
残念ながらこの日はさんざん迷った挙句、仕事で外出予定があったので着物着用は断念。あー、でも無理にでも着ればよかったと今更後悔。だって買ったばかりのイヤリングを落としてしまったのだもの。着物だったらしなかったのに。
私の行ったのは最終金曜日の夜。会社が終わって駆け付け、着物ブログ仲間の黒猫さんと鑑賞。平日だというのに結構混んでいた。
アンティーク着物というと、作られた当時の技術を尽くした奔放な意匠をイメージするので、そういうコーディネートが多いのかと思っていたら、意外にもシックな男前着物が多い。そういえば、池田さん御本人がお召しの着物も、どちらかというとシックだ。
何かの表彰でご本人が誂えたという着物にはちょっと驚いた。紬に大きな松竹梅の洒落紋、しかも場所によって松、竹、梅と異なる紋で、「フォーマルには柔らかもの」というルールを完全無視(笑)。常識から解放された、自由な独自の美意識を貫かれている様子がうかがえた。着物も素敵だけれど、その凛とした生き方が展示から感じられたのが、私にとっては何よりの収穫だった。
そのほか、帯留やかんざしなどの小物もたくさん展示されていたが、どれも「いい仕事してますねー」と声をかけたくなるような品物ばかり。
ときどきお手頃な価格帯のアンティーク帯留などをのぞいてみるが、どうも食指が伸びないことが多かった。展示されていたものと比べると、緻密さやきめ細かさが違うのだ。おしゃれをしてはいるんだけど、足元を見るとタイツがたるんでいる感じ(おわかりいただけるかな?)。どうもぴしっとした感じがない。良いものというのは、それなりの緊張感を醸し出しているのだ。それは作った職人の心の持ちようを映しているのかも。
展示の中で、「これはぜひ自分でも取り入れたい」と思ったのは更紗の活用。
八掛けや振りの内側に更紗を使っていたり、無地の着物の部分に更紗をきりばめのようにあしらったり。更紗と無地を肩身がわりのように仕立てたものもあったっけ。
無地とのコントラストで更紗柄の魅力がより引き立つ気がする。更紗そのものには強く惹かれるものの、実際に着るのは個性が強すぎて難しいなあと、常々感じていたのだけれど、これならそれほど抵抗なく更紗を身にまとえる。
行かれた方は、「くれるといったら自分はどれを選ぶだろうか?」という妄想に必ずや走ったことと思う。もちろん私も例外ではない。初釜依頼、フォーマル熱が高まっていることもあり、抹茶色をベースにした油絵のような唐花模様の着物がほしいなあ。総絞りの夏の着物も素敵だったなあ・・・。
<同展示会図録より>
会場には同じように妄想しながら鑑賞している人もいて、私たちの後ろから回っているカップルも、これがいい、あっちがいいと会話していた。しかしふと振り返ってびっくり!
なんと男性と思っていたのは女性だったのだ。
いや、正確に言うと、綺麗にアンティーク(っぽい)着物を着て女装した男性だったのだ。身長だって180cmぐらいはあったのではないか?どこから見ても立派な男性…。
しかし、私は不思議と抵抗がなかった。むしろ共感を覚えたほど。別の場所で見たなら、抵抗感があったかもしれない。でも、あの日は、同じ「池田重子の世界」に魅了された仲間意識のようなものを感じてしまったのだ。それほど独特の美しい世界が展開されていた。
残念ながらこの日はさんざん迷った挙句、仕事で外出予定があったので着物着用は断念。あー、でも無理にでも着ればよかったと今更後悔。だって買ったばかりのイヤリングを落としてしまったのだもの。着物だったらしなかったのに。
今日は池田さんの展覧会へ足を運ばれたのですね。しかし、女装した男性のかた・・・よくアンティークのきものの寸法が着こなせましたね。お直しに出してしっかり着ているのであれば、よほどのきもの好き?いえ、女装好き?なかなか乙な光景ですね(笑)
言われてみれば、彼(彼女)の着物の反物は、どうやって調達したのでしょう?反物からオーダー?洋服生地でつくられたのかもしれません…いずれにしても執念です。
いつも着物のお手入れを御願いしている悉皆屋さんでは時々インドから輸入した更紗で帯や着物を創作してるんですよ。今度そのへんもよく見ておこうかな、と思いました。
イヤリング残念!気に入ったものに限ってなくしちゃうんですよね。
更紗など、外国の布を利用した裏やコート類、私も見習ってみたいものがたくさんありました。
それにしても女装した男性・・・お姿を見てみたかったです。
何だか面白そうなお店ですね。私は翌日の染色教室の工房にあったのが染めている途中の更紗の反物で、目が離せませんでした(^^ゞ
キケーン。
今回、粋なコーディネート比率が高かったのは主催者側の狙いなのかどうかはわかりませんが、池田重子せんせも進化し続けられているのかもしれないですね。またこの先も、どんなコーディネートを見せていただけるのか、楽しみです。
今回は入り口から半分くらいが男前着物でしたね。
前回は入り口からすぐにアンティークバリバリだったのに…。
今回が最後かも…っていうのは分からなくもないです。
出しつくしちゃったのかもしれませんね~。
>今回が最後かも・・・
えー!ショック。着物キャリアの浅い私は、これまでの展示を見ていないので、もっと見たいです。
・・・でも池田せんせのお年を考えたら無理からぬ話かもしれないですね。着物ファンはどんどん広がっている印象なので、同じものでもよいから、何度でも見せてほしいものです。