知者は人を失わず、亦言を失わず
子 日わく、
与(トモ)に言うべくして之(コレ)と言わざれば、人を失う。
与に言うべからずして、之と言えば、言(ゲン)を失う。
知者は人を失わず、亦(マタ)言を失わず。
現代語訳
先生は おっしゃった。
ともに語るべき人に出会いながら語りかけなければ、
立派な人物を失ってしまう。
反対に語る価値のない人と語れば失言することになる。
知者は言うべき時をわきまえているので、
言葉も人も失うことがない・・・と。
参照
これまで敬愛できる人にどれだけ出会ってきましたか?
よき人物に出会えるかどうかは、自分次第です。
思慮がなく未熟であれば、人も言葉も失ってしまいます。
子 日わく、
知者は惑わず、仁者(ジンシヤ)は憂(ウレ)えず。
勇者は懼(オソ)れず。
現代語訳
先生は おっしゃった。
知者は(判断力があるので)迷うことがなく、
仁者は(広くゆたりのある心があるので)心配することがなく、
勇者は(強い心があるので)恐れることがない。
参照
知・仁・勇の三つは、君子の必須条件です。
豊かな教養があっても、
そこに思いやりの心がなくてはいけません。
そして身につけた教養も優しさも、
実生活で活かしていかなければなりません。
みなさんの周りにいる魅力的な人は、
この三つの要素のどれかを
きっと持っているのではありませんか。
私たちも君子に近づけたらいいですね。
お昼に 電話がありました・・・。
私の大切な 友人が、旅立った知らせです・・・。
この地に来てから・・・初めての友人でした。
ご主人は東京 I子さんは北海道、
お互い県外出身の事もあり、家族同士の付き合いでした。
私はその後、隣の市に引っ越しましたが・・・交流はつづいてました・
人に優しく なにも望まず 何も変わらず・・・質素な暮らしぶり・・・。
私達夫婦は、仙人みたいな夫婦だなって言ったりしてたものです。
そう~知・仁・勇のような人でした。
今は、月一で 私のほうから 電話をかける 唯一の友でした。
20日前に 元気に お話したばかりなのです・・・。
ここ 5~6年 めまいがひどく、外出は 出来なかったけど、
往診に 来てもらってたし・・・。
I子さんは、いくら 検査を勧められても 断固 拒否してたのです。
そして、病み上手の死に下手だねって 冗談言ってたのに・・・。
電話ではなく、もっと 頻繁に会いに行くべきでした。
色白でひっそり・・・いつも 椅子に寄りかかって優しく笑っていました。
たった、1歳上だけなのに・・・精神的に 頼りになる 友人でした。
私の 大事な人が、どんどん 遠くに行ってしまいます。
世相に疎い ご主人でしたが・・・知り合いもなく一人で見送ったそうです。
救急車で運ばれましたが、眠るように安らかだったそうです。
「僕ね、ちゃんと Iちゃんを お骨にしたんだよ」
絵を描く事しか興味がなかった 仙人です。
よく 頑張ったと思います。
とにかく・・・今日は とても 悲しくて辛いです。
学ばせてもらいました。
友達が居なくなるのは
堪らなく淋しいですね。
一昨年、高校以来の親友を
去年、竹馬の友を見送りました。
心の一部分を亡くしたのと一緒
思い出に浸ったら
又、少しずつ、前へ・・
しかないですね、姉さん、生きているものは。
厳粛なる独りぼっちで。
暫くは、その人の魂と一緒です。
生きてる限り・・・別れは仕方ないのですよね。
でも・・・分かってるけど 姉さんは悲しいです。
お二人は。東京でデザイン関係の仕事をなさってたのですが、都会の生活に疲れたそうです。
この地で ご主人は小さな会社の倉庫係に就職したのですが、真面目な仕事ぶりに 何度か昇進の話はあったらしいです。
でも、お二人は ささやかな生活を選んでいました。
公営住宅でしたが、伺うと 部屋の白い壁には、四季折々の和服を広げてインテリアにして とても 素敵な オシャレな暮らしでした。
ご主人は胃潰瘍の手術後、体力がなくなり、60歳で退職し・・・その後は 好きな絵ばかり描く毎日でした。
髪も伸ばして・・・本当に仙人みたいでした。
I子さんも、身体は丈夫でなかったけど・・・冬は 流行に関係なく 古いマント風のコートがとっても似合ってました。
お二人は、贅沢をしようとも したいとも思っていないようでした。
正直でお世辞を言わないし、凛としてて 私の憧れでもあったのです。
ご主人が・・・
「 僕の方が 先だと思ってたのに・・・」
力なく、言ってました。
慰める言葉は 見つかりませんでした。
何ごとも、I子さんを頼ってただけに、とても気の毒です。
今は 書類等の後始末で 大変みたいです。
私も体調を整えてから 会ってきたいと思っています。
そして・・・自分も 迷惑かけないよう いろいろ整理をと・・・改めて思っています。