昨日は50年以上前に遊んでいた
友人宅を訪問したのですが、車
で立派になった道路を走ってい
たその道すがら、意外な標札に
気付きました。そこには考古学
資料館という矢印があリました。
そんな施設があったのと思いな
がら友人宅へ向かったのでした。
事前に電話連絡しておいたので、
友人は自宅近くの道路脇で出迎
えてくれて、私に気づくと車に
直ぐ乗り込んできました。何処
へ行こうか?と尋ねるので、先程
考古学資料館が近くにあったけ
ど知ってる?と尋ねると聞いた事
もないと言うので、2人して来た
道を戻り標識のあった所へ向か
いました。幹線道路から外れた道
へと誘導するその標札の指示どう
りに細い道へ入ると、やがて小高
い山へと向かいました。友人が
これって高校生の頃に自転車通学
していた道だと言って、往時から
の変貌振りに驚いた様子でした。
丁度この山を越えた所に我々の通っ
た母校があると教えてくれました。
私も自転車通学でしたが、その山
の反対側から学校を目指していた
のでした。曲がりくねった道を登
りながら駐車場という矢印のある
場所へ車を走らせましたが、目指
す資料館らしき建物は見当たらず、
駐車場に降り立って辺りを見渡す
と、鬱蒼とした木々の山の頂方向
にそれらしき建物を発見し、そち
らへ徒歩で向かう事にしました。
随分と遠い駐車場だと文句を言い
つつ老体に鞭打ち資料館へと急ぎ
ました。小高い山の中腹辺りにある
資料館は約35年前に建設されたそ
うで、我々が大学へ行く為に都会
へ出た後の事でした。未だ綺麗な
建物で時間潰しにはちょうど良い
施設でした。入館者は我々2人だけ
で、ゆっくりと展示物を見る事が
出来ました。市内で見つかった石器
時代の磨製石器を始め、時代を追っ
て縄文土器や弥生土器が出土してい
て、大量に埋納された銅剣や銅鏡な
ども展示されていました。古代史に
興味が出ている私はもちろん、全く
興味のなかった友人も、郷土の先史
時代からの歴史に目を凝らしていま
した。古墳も見つかっていて、その
時に発見された副葬品や遺骨も展示
されていました。県内では銅剣の数
がやたら多く発見されているので
古代ヤマト政権の影響が既に4世紀
にはこの地にも出ていた様子が分か
り、大陸の影響を受けた出土品も
多数展示されていました。
倭国大乱と魏志倭人伝に記された頃
に作られた高地性集落の遺跡も発掘
されており、自分達の住む直ぐ近く
に沢山の遺跡があった事に驚きまし
た。その頃に自分の祖先は何処に
いたのだろうと想像してしまいます。
来月からは東京の国立科学博物館で
特別展「古代DNA日本人のきた道」
が始まるそうです。私も日本人がど
のように形成されてきたのか古代史
を、特に天皇家の歴史に興味を持ち
勉強して、だいぶ自分なりに理解し
ていたつもりなので、地元の市が
運営する、誰も気づかないような
小規模な資料館といえ、この訪問も
偶然ですが大変参考となりました。
友人との久し振りの再会がこのよう
な形となったのも今の時代の反映で
すが、なるべく外部との接触を避け
ていましたが、友人との生の交流も
必要な事だと教わった１日でした。