内科の治療は投薬と検査が主体ですから
外科のように悪い部分を切除して根治す
るのとは違います。私の病気はリンパ球
免疫の疾患です。そしてステロイドとい
う特効薬があります。そもそもリンパ球
は外から菌(外来抗原)が入ってくると誰
でもですがヒトの身体はTリンパ球が
Bリンパ球を刺激してIgGやIgG4などの
抗体を産生し敵をやっつけてくれます。
ところが私の病気の場合はTリンパ球
がBリンパ球に対し自分をやっつけな
さいと命令(自己反応性リンパ球)して
自分の身体に対する抗体(自己抗体)を
作ります。例えば自分の胆管をやっつ
けなさいという命令を持ったリンパ球
が私の胆管に対して抗体を作ります。
そうするとそこで戦争がおこります。
この戦争を炎症といいます。胆管の
組織を見るとたくさんのリンパ球が
集まっています。炎症がおこってい
るわけです。でも戦争がずっと続く
と街が破壊されます。それと同じで
炎症が続くと組織が壊れる、場合に
よっては線維化という病変が出てき
て硬くなってしまいます。
これがこの免疫に対して、自分を免疫
してしまう病気、自己免疫疾患と云う
訳です。たぶんIgG4関連疾患もこの抗原
が少しづつわかってきたので、まだ自己
抗体は見つかっていませんが、自己免疫
疾患だろうと言われています。そうなれ
ば治療法はより明確になります。
以上のお話しは産業医科大学第1内科学
教授 田中良哉先生です。先生のお話し
だと今まで内科で自己免疫疾患に対し
て行なわれてきた治療は少量の副腎
皮質ステロイドや消炎鎮痛剤でこの
炎症を抑えよう、痛みを抑えようと
いうことをしてきたのですが、それ
だけでは良くならなかったのです。
戦争で火事がおこって燃えている。
そこへ水をぶっかければ火はおさ
まりますが、向こうから油をぶっか
けているのがいる。そこへ水をかけ
ればもっと火が拡がってしまうかも
しれない。だったら油を注いいでる
大元をやっつけなければいけない。
その油を注いでいるのがリンパ球、
自分を攻撃するリンパ球な訳です。
自分をやっつけるリンパ球を゙やっつ
ける。これが免疫を抑制する、つまり
免疫の異常を抑制するステロイドが使
われる訳です。ステロイドを大量に使
うというのはこの免疫を抑制すること
です。免疫の異常を抑制する為に充分量
の薬を使う。少量のステロイドをダラ
ダラと使うのではなく、充分量の薬を
使って免疫をまずきっちりと抑える。
これがプロの仕事で、その為にも専門家
へ行って欲しいと強調しています。
しかし使い過ぎると怖い副作用が出て
きます。私が住んでいるところには
大学病院は一つしかありません。プロ
がいるのかどうかも知りません。私の
主治医にお任せすするしかありません。
とにかく癌じゃなくてIgG4関連硬化性
胆管炎と診断してくれたのですから信
じるしかないです。私が出来る事とい
えば検査データを聞いたり、自分の尿
や便の色、毎朝起床時の体温をチェック
する程度です。それらを見たり聞いたり
して良くなっているのか一喜一憂する
毎日が暫く続きそうです。
説明がわかりやすくて、読ませていただきたました。たいへんでしょうが、それでも、感謝して明るく生活できたらいいのかもしれないですね。