そうかん日誌 ~Du 11eme arrondissement de Paris

タイトルを「りょうかん日誌」から「そうかん日誌」に変更しました。

木魚を打つ速さの話

2019-06-06 | Weblog
先日、寮生諸君に木魚を打つ速さについて指導する機会がありましたが、参考のために、ちょうど去年の今頃になるか、他のところに投稿した記事をここにも掲げておきます。現在、「目安は1秒に2回程度(♩=120)」といっているのは、以下のような理由によります。

・・・・・・・・・・・・・・

寮内の木魚や鐘などの鳴らしものを打つ係は、法要によって替わる当番制になっていますが、今年度はどういうわけか、打つ者打つ者、皆、木魚が走りがち。

私は、木魚の速さは、本山で自分の身にしみこんだテンポを基準にしていて、それに照らして速すぎると思ったら、その都度注意するのですが、これがなかなか直らない。「これぐらいの速さだよ」と、パンパンパン・・と手を鳴らしても効果はいまひとつ。寮生の誰も、まだ本山には行っていないので、その場のリズムを教えるのは意外に難しい。


どうにかそのテンポをうまく伝えられないか、と思案するうち、心臓マッサージ(胸骨圧迫)のテンポを『うさぎとかめ』(「もしもしかめよ・・」)のリズムで教えられたという人のことを思い出した。

そうだ、なにかの歌でテンポをつかませてみるというのはどうだ。・・というわけで、適正なテンポで、しかも全寮生が知っているような曲を探そうということになるわけだが、その前に、まずどれくらいのテンポで木魚を打つかということを数値的に確定しておこうと思い、所有している本山の朝課の音声データを何回も聴き込み、ドンドンドンドン・・という木魚の音は、1分間に110回(♩=110)から120回(♩=120)程度であることが多いということを割り出す。元本山役寮など、複数の坊さん方にもこのことを確認したが、様々なケースがあるが、概ねそれくらいの速さでよかろうとの同意を得た。

このデータを元にして、このテンポに合致して、なおかつ学生も知っているような曲(私のようなオヤジが選ぶので範囲はかなり限られて来るが)をピックアップしてテンポを実測して記録し、以下の結果を得た。

『サザエさん』のオープニング(「おさかなくわえた・・」) ♩=120
『となりのトトロ』から『さんぽ』(「あるこう・・」) ♩=120
『恋するフォーチュンクッキー』 ♩=120

以上の3曲のテンポであれば、一応許容範囲内ということになる。
ちなみに、テンポが速過ぎる例として以下の曲も拾った。

『アナと雪の女王』(「ありのままの・・」) ♩=136
『恋』(『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌) ♩=160
『前前前世』(『君の名は。』の主題歌) ♩=190

以上のような結果を寮生に伝え、「この曲くらいのテンポで打つように」と指導したところ、効果はあったようで、しっかりレンジにはまって来ました。やっぱり音楽はユニバーサルランゲージだな。これまでは『前前前世』(♩=190)くらいのテンポで打っている者もいたのだが、それではいくらなんでも速すぎるだろうよ・・。

法要に関することを伝授するのに流行りの歌など引き合いに出すのはよくない、というご意見もあろうかと思います。ご批判は甘受しますが、法堂で俗謡を歌うわけではありません。曲はいわば跳び箱の踏み切り板のようなもので、対象は学生であることもあり、分かり易さを優先して、方便としてこういった方法を試みてみた次第です。

一連の作業を行うにあたっては、YouTubeで曲を検索したり、スマホのストップウォッチやカウンター(数取機)アプリを利用したりしましたが、こんなことが誰にでも簡単に出来る時代になりました。まあ、こうやっていろいろ工夫しながら人にものを教えるのも、自己満足に過ぎないかも知れませんが、ある意味楽しいことではあります。


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