今年最後といっても、もう2週間ぐらい前のこと。
窓辺の公孫樹が外へ出ようと誘ってくる。三本あるうちの一番日陰の樹は、遅く黄葉する。
別の道をとるつもりが、この紅が目にとまる。
毎年、行かずにいられない。
裸木も素敵。冬景色のいいところは、空がたくさん見えるから。
昔、満洲で匪賊(反満抗日軍)を退治するのは冬がいいとされた。見通しがいいから。
このベンチも好きだったが、最近は変な横木がついて、三人掛けを強制する、というか、ホームレスが横たわれないため。五輪めがけて、ここまでするのかと。
その人たちを収容する部屋とか食事を出すところはないのだろうか。
灯りが点っているのではなく、真昼の太陽を透かしているから。
最初の樹より日向にある。早く色づき、早く散る。
「遅く咲いた花は早く散る」という言葉を聞いたことがあるが、樹々はいつも自然の摂理に従っているようだ。