『明日は舞踏会』鹿島茂
(写真はネットより)
ロマンティックな題名だが、小説ではない。
大学の先生が学生に課題を出した。
一定の金額をもたせ、19世紀のパリで1年間どんな暮らしをしたかというレポートである。
持参したお金はすぐに使い果たすが、ギャンブルで儲けたうえ玉の輿に乗る者、
倹約をして半分残して帰ってきた者とさまざまだった。
しかし、レポートのほとんどに共通していたのは、“舞踏会へ行った”ことだった。
(写真はイメージ、ネットより)
そこから先生の検証が始まる。
修道院の寄宿生活から社交界、貴族の暮らし、仮装舞踏会、結婚と、文学作品『ボヴァリー夫人』や『赤と黒』などから解き明かされていく。
こういう本にありがちな難解さやまわりくどさがなく、読みやすく楽しい。
(写真はイメージ、ネットより)
色刷りの当時のファッション図がふんだんに入っている。
映画やドラマで、外出時の女性のスカートが長く、地面を引きずるようにして歩いていると裾が汚れるのではないかと、いつも気になっていた。
しかしこの19世紀のファッションプレートを見ると、外出着は少し短く、ちゃんとくるぶしが見えていて、どんな靴を履いているかも描かれている。
庶民のあたくしは、すっごく安心した。
夜会服なんかは、馬車でお出ましなのだから、やはり優雅に長く、裾をつまんで乗ったのだろう。
(写真はネットより)
中国訳も出ているようだ。
忘れゐてしかもなべてを喪へば問ふべくもなし「舞踏会の手帖」
(宮 英子)
別ブログから再掲。2012年09月16日 | 読書
昔「舞踏会の手帖」という名画があったらしい。
なにせ、この私でさえ生まれる前のフランス映画。
未亡人になった女性が、初めて舞踏会に出たとき手帖に書き留めた男性をそれぞれ訪ねていく、というロマンティックな設定であることだけは、知っていた。
(写真はネットより)
なぜこの本を思い出したかというと、ブロ友ミルフィーユさんのブログに、
宮英子の短歌が載っていたからである。
妻たりし母たりし世代遠く過ぎ一日また一日無頼に過ぎぬ
まさに、このとおりの日々で、婆でさえろくにできず、1日はあっという間に過ぎていく。
さらに、映画「舞踏会の手帖」の未亡人とやらは、36歳!
今なら、花の30代である。
なんとはるか遠くまで来たことよ。
←ツイートはプロフ窓下の鳩マーク
(写真はネットより)
ロマンティックな題名だが、小説ではない。
大学の先生が学生に課題を出した。
一定の金額をもたせ、19世紀のパリで1年間どんな暮らしをしたかというレポートである。
持参したお金はすぐに使い果たすが、ギャンブルで儲けたうえ玉の輿に乗る者、
倹約をして半分残して帰ってきた者とさまざまだった。
しかし、レポートのほとんどに共通していたのは、“舞踏会へ行った”ことだった。
(写真はイメージ、ネットより)
そこから先生の検証が始まる。
修道院の寄宿生活から社交界、貴族の暮らし、仮装舞踏会、結婚と、文学作品『ボヴァリー夫人』や『赤と黒』などから解き明かされていく。
こういう本にありがちな難解さやまわりくどさがなく、読みやすく楽しい。
(写真はイメージ、ネットより)
色刷りの当時のファッション図がふんだんに入っている。
映画やドラマで、外出時の女性のスカートが長く、地面を引きずるようにして歩いていると裾が汚れるのではないかと、いつも気になっていた。
しかしこの19世紀のファッションプレートを見ると、外出着は少し短く、ちゃんとくるぶしが見えていて、どんな靴を履いているかも描かれている。
庶民のあたくしは、すっごく安心した。
夜会服なんかは、馬車でお出ましなのだから、やはり優雅に長く、裾をつまんで乗ったのだろう。
(写真はネットより)
中国訳も出ているようだ。
忘れゐてしかもなべてを喪へば問ふべくもなし「舞踏会の手帖」
(宮 英子)
別ブログから再掲。2012年09月16日 | 読書
昔「舞踏会の手帖」という名画があったらしい。
なにせ、この私でさえ生まれる前のフランス映画。
未亡人になった女性が、初めて舞踏会に出たとき手帖に書き留めた男性をそれぞれ訪ねていく、というロマンティックな設定であることだけは、知っていた。
(写真はネットより)
なぜこの本を思い出したかというと、ブロ友ミルフィーユさんのブログに、
宮英子の短歌が載っていたからである。
妻たりし母たりし世代遠く過ぎ一日また一日無頼に過ぎぬ
まさに、このとおりの日々で、婆でさえろくにできず、1日はあっという間に過ぎていく。
さらに、映画「舞踏会の手帖」の未亡人とやらは、36歳!
今なら、花の30代である。
なんとはるか遠くまで来たことよ。
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鹿島さんの本、面白そうです。ぜひ読んでみます。
「舞踏会の手帖」何度も観ました。ちょっとロマンティック過ぎるけど、もちろん失望もあったりして~~。そう、主人公の女性30代なんですよ!30代でもう~~。今ならさしづめ60代後半か70代というところでしょうか。それを考えると今という時代の女性の若さをつくづく感じます。私もそろそろ舞踏会の手帖のお年頃?
私は、一度も見たことがなく、
話だけで60前後と想像していました。
36歳、今なら手帖なんかいりませんよね。
難病というか老化もある現在、
会いましょう、と言われると、
困ります。
砂かけババあなんですもの。
バーチャルで時代考証を重ね 物価や人間関係まで掘り起こさないと生きてはいけないですね
ウイーンなどでは 毎日 舞踏会が行われていたのでしょう シュトラウス一家が無数のワルツを作曲してます
ウエーバーも同じ゜時代でしょうか 舞踏への勧誘 などが浮かびます
私だったら やはり舞踏会ばかり出入りして やがて野垂れ死にかな?
女性を求めてではなく 音楽にどっぷり入りそうです
昔 舞踏会の手帖を見ました
「明日は舞踏会」は・・・
今なら素敵なラブストリーになりそうですね。
そして・・
「舞踏会の手帳」は・・・
ちょっと妖艶な昼メロみたいな感じ(≧▽≦)
本当は・・・
どちらも由緒正しい物語なんでしょうけど
育ちがあまり良くないsatochinであります
こんばんは。
発想は面白そうですね。
過去に自分を置いて、どんな生活をするのか?
自分なら社交界も舞踏会もないフランスの田舎で暮らしたい。そこなら自分を置いて想像ができそう。
華やかな世界はどうも苦手です。
この本読む資格なしですね!
ルノアールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」
映画ではつゆさんも書いている「舞踏会の手帳」、オペラ「仮面舞踏会」(ヴェル›ディ)
芥川龍之介の「舞踏会」などなど。
舞踏会は華やかに見えて奥深いところは闇。
これは偏見ですが・・・
明治初期の鹿鳴館は一見きらびやかですが、
人間のドロドロした嫌な部分が垣間見える場所かな。
19世紀の経済情勢を自ずから調べないと。
これは、たぶんフランス文学の講座だと思いますが。
舞踏会というと、ウィンナワルツですね。
あれも、上流階級のものだったのが、
世界の不穏な空気に庶民も踊りだしたようです。
なにか幕末の「ええじゃないか」のよう。
「赤い靴」のように、最後まで踊れたらいいですね。
田舎に住みたいというお気持ち、わかるような気がします。
若いころ、フランスは農業が盛んで、田園風景が素晴らしいと聞いて、一時、フランスの田舎に憧れたことがありました。
今? やっぱり全部使いこんでギャンブルで取り返したうえに、玉の輿に乗りたいですね。
実際は、玉の腰でヒーヒー言っていますが。
若いころはロマンスとしてしか読んでいませんでした。
映画『舞踏会の手帖』は、戦前の昼メロですね。
観たいなという気持ちと、
36歳の未亡人と聞いたら、
も、ええか、って、気持ちもあります。
今日もです。
絵と映画とオペラ、小説をお挙げになりましたね。
するするっと出てくるあたり、さすがですね。
舞踏会は、もともとは上流階級の親付き合コン。
あるいは、政治上の駆け引きの場。
鹿鳴館ももちろん!
闇の部分より成り立っていたと言っても、
過言ではないでしょうね。
ただ、これに刺激されて、アンドレ・リュー演奏のショスタコーヴィチの「セカンドワルツ」
さらに聴いてしまいました。
単なる音楽やダンスは、いつでもいいものですね。