『女王たちのセックス』エレノア・ハーマン(高木 玲訳)
ネットより借用(図書館で借りて読んだので)
なんともすごい題名だが、けっしてそうではなく(なにが?)、ヨーロッパ史の流れや国と国との政治関係が分かりやすい。
つまり王妃という地位にある女性の男性関係を知ることで、その国の歴史を知ることができる。
中世から二十世紀のダイアナ妃に至るまで、なんともお元気なお妃さまたちである。男性なら“お盛ん”だと言われるものだ。古い時代にあってなお、お盛んに過ごした彼女たちに拍手を送りたい。
しかし、古い封建社会であったればこそ、顔を見たこともない他国の王あるいは皇太子に嫁がざるを得なかった女たちが自分に正直になったとき、比類のない恋が生まれ、熱く燃えあがる。
王妃であるから、王がおバカさんだったりすると、自ら権力をもち、寵愛する男に高い地位を与え、国の政治まで変えてしまう。
寵愛された者は、威張るだけの凡庸な男もいれば、志高く国を治める男もいた。王妃以外に女をつくる男もいれば、アントワネットの相手フェルゼン伯爵のように一途な愛を抱いた男もいた。
面白かったのは、十八世紀のロシアが偉大なる田舎であったことだ。
欧州に追いつけ追い越せと、宮殿が造られ、都市が整備されていくが、その人間関係のすさまじいこと。
なんだかんだと言っても、古今東西、男と女、権力の興亡はあり、歴史は繰り返されるということか。
(昔のブログより再掲。2013年11月07日 )
その後、「王たちのセックス」もあると知り、これは購入して読んだ。
男性の場合は、権力争いも女漁りも当たり前という観念からか「女王たち…」ほど面白くはなかった。
「デユ・バリー夫人の居室を訪れるルイ15世」1874年、ベンツア・デユドロ作
寵姫たちの肖像画がとても美しい。
シンプソン夫人やカミラ夫人になると写真である。
肖像画は、画家の理想も加味されていたかも、とふと思う。
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日本の戦国時代から徳川まで多くは政略結婚。
日本もヨーロッパも同じですね。
縁戚関係があれば戦わないという不文律がありました。
当時、ヨーロッパは権力を持った国は少なく英国が支配。
英国のビクトリア王女が結婚したときもドイツから次男を迎え入れた。
ドイツ王室も元をたどればれば英国王室の血が混じっています。
どこかの国の王子が英国王女と結婚したくても王女がイエスと言わなければできなったようです。
日本と違うかも知れませんがこれも政略結婚。
『女王たちのセックス』
題名にドキっとしましたが
政治的な要素が含まれているようですね
王さまは王妃以外に
たくさんの側室を持ち
日本もそうでしたが
大奥の側室もすごい数でしたね
人口の事を考えると
1夫1妻でいてほしいですね
イギリスとフランスの系図が付いていて、それを眺めないと、頭に入らないほど、複雑に絡み合っています。
アントワネットやエリザベート(シシー)皇后のハプスブルク家は{戦争は他家にまかせよ、汝は結婚せよ」という家訓だったそうですし。
中身は、ちゃんとしたドキュメンタリーで、とても分かりやすく、読みやすい本でした。
そう言えば、大奥もすごい数でしたね。
一夫一妻制で守られてきた私たちは運がよかったのかもしれません。
今後は、それすら崩れそうな気配です。
興味深い本のご紹介、ありがとうございます。
一夫一婦制は、近代以降の国家による管理システムですものね。
昨今の不倫の話題をテレビで見るたびに、
「一夫一婦を誓っちゃったけど、やっぱりむり~」
と言ってるようで、
歴史も短いし、根付いてないから、無理もないかなぁ、なんて思います。
女性の不倫が取り沙汰されていますが、
男が何人もの女を相手にするなら、相手になる女も同じ数だけいるわけで。
一昔前のように、商売女だけ、というわけにいかないでしようね。
プーチンも意外に長く座っているので、陰での攻防は凄まじいでしょうね。