秋紀 芳慧 (Yoshie Akinori)

[kho of aza]について part2

ようやく作品の全体像の形ができてきました。

構成などはおおよそのものは想像してはいましたが、稽古場で栃本に踊らせながら制作していくと作品自体が変化し、その様相をあらわにしてきました。

栃本はのびやかな動きが特徴のダンサーですが、それを分断する振りが盛り込まれています。切断面にそのクウが見えるかもしれません。
クウはのびやかな観ていて心地いいものではなく、人間のもつありきたりな人情のようなものはないように感じます。
そうしたどこか予想されたものが断ち切られるというものを現在模索しております。

実際ダンサーを立たせて稽古していくといろいろなものが見えてきます。クウとお題をつけてつくったものが様々な様相を帯びていくのを見ることができます。そうあったらいいなというものが消えてしまっていき、それは突然変異と化したキマイラのように感じることがあります。

また空(kuu)というものは生き物だということに考えがおもむいていきました。死んだところには空間といった概念はないように感じます。

時折小説をぱっと開けてみるのですが、最近目にしているのがヘミングウェイの短編小説「嵐のあとで」です。この小品の冒頭の部分ですが、誰の目線で書かれているのかよく読まないとつかめないと感じます。主人公の目線かと思えば他者の目線の口調もあったり、一般的な解説のような目線と、一文の中にめまぐるしく変化しているように感じる部分があります。そういったことに強い刺激を受けます。

音響制作も佳境を迎えています。大まかな部分はほぼ出そろいました。細かい部分などを作っていく作業に現在入っております。

残りの日々で変化していくのが収集つくのか、今から緊張と楽しみがまだらになった日々を意識しながら過ごしています。







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