半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第75話

2018-04-02 13:15:56 | webブログ
おはようございます、バレエ教師の半澤です!
http://hanzanov.com/ ホームページ
http://hanzanov.com/official/オフィシャル ウエブサイト)
皆様、2018年12月26日(水)に私の発表会があります。
もし、良かったら出演してみませんか?バリエーションでも良いですし、
グランパドドゥでも良いですよ!もちろんコンテンポラリーでも
良いですし、オペラでも舞台で歌います?
どうぞ、どんどん出演してください。
私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

連絡をお待ちしてますね!!
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/
朝は11時から初中級レベルのレッスン、夕方5時20分から初級レベルの
レッスン、夜7時から中級レベルのレッスンがあります。
皆さま、お待ちしております!

Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

日曜日のバリエーションは「眠りの森の美女」よりオーロラ三幕からの
ヴぁりえーしょんです。
皆さんと一緒に学びましょうね。
ではクリスタル・ルームでお待ちしておりますね
連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

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その買うを、もっとハッピーに。 | ハピタス

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
ディレクターが舞台に上がって来た…!
第75話
真っ青な眼で瞬きもせずに、ディレクターである
ウルフ・ガッド氏はショージの眼を真っ直ぐに
見つめたが、深海の様な瞳が怖い。しかしその
刹那、ニッと笑うと、「合格だ~っ!君を我が
バレエ団に迎えよう!これから直ぐに事務局に
行き、契約書にサインしてから日本で労働許可証を
申請する事になる。となると今が11月だから…
労働ビザが降りて君の仕事の開始は来年の8月の
半ばになるだろうか…?」

ショージはディレクターの言葉を全部聞き終わる
前に、「ちょっと待ってください、私は今すぐに
仕事が必要なのです!日本に帰るお金など持って
いませんし、日本で申請しなくてもイタリアに
2年働いていたからイタリアで申請出来ます。
今から働かないともう食べて行けなくなるの
です!」すると今度はメガネをかけた金髪
クリンクリンの秘書が「今からって、それでは
ボーナスが出ないわよ?このバレエ団では
12ヶ月の雇用期間と13ヶ月分の給料という
契約になるのだから、12ヶ月に満たない方には
ボーナスは出せませんが…」

ショージは即答した。「ボーナスは要りません…。
お願いです!食べて行けるだけの給料が出るのなら
それだけで結構です。今直ぐに仕事がしたいの
です!」ショージの言葉にすかさず秘書が、
反論しようとするのをディレクターが手で
押さえ、「それは私にとっても願ってもない
事だ!よし、善は急げだ!事務局に行こう!」
 
秘書は目をパチクリさせながら、3人で劇場を
出た。劇場から歩いて5分ほどの街の中心地に
事務局はあった。その厳重な門を潜ると更に
奥に進んで行き、一面ガラス張りのひときわ
美しい部屋でタキシード姿の老人が他の人たちと
話し込んでいる。

ディレクターと秘書、そしてショージは待つ事
10分。ディレクターはその老人の前では、
非常に丁寧な挨拶をした。そしてショージに
英語で「この方が我々の劇場の支配人だよ」
と紹介した。タキシード姿の老人…いや、
支配人は優しい眼をしているが、ちょっと
珍しそうにショージを見た。

支配人はパーフェクトな発音の英語でショージに
「よくいらしてくれました…」そう丁寧に言うと、
今度はディレクターとスウェーデン語で話し出した。

1986年11月中旬 契約書にサイン!

早速、支配人とディレクターのウルフ・ガッド氏
の立会いの下で、契約書にサインをした。契約も
無事に済んだ。危機一髪のところであった。
これほどの危機感は今までで1番だった。
しかしこれからイタリアに、再度戻らなければ
ならない。労働許可証の申請のためだ。

普通ならば日本に帰って申請しなければならない
ところをイタリアで済ませられるのはとても
有り難いのだが、それでも労働ビザを取得する
までに数週間は掛かり、もう財布の中を覗いたら
そんな長い日数を暮らせるだけの金の持ち合わせ
が無い。 ガラス張りの部屋から丁寧にお辞儀
して出ると、支配人は優しく笑顔でショージたちを
見送った。

ショージはこの時点からショージのボスになった
ディレクターに聞いてみる事にした。 「あの、
お願いがあるのですが…、」前を歩くウルフ氏と
金髪の秘書が足を停めて振り返った。「何だい?」
ショージは躊躇いながら、「給料の半分を前借
させて頂けませんでしょうか…?」これには
秘書がびっくり仰天して金髪の髪をゆさぶり、
ブルーの巨大な眼をおよそ顔半分位までに見開き
ながら、「な、なんですって!?」
(つづく)