半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第78話

2020-01-25 08:48:17 | webブログ

おはようございます、バレエ教師の半澤です!

今日も休まずにやっております。どうぞレッスンに
いらしてください。

通常の平日は朝は11時から初中級レベルのレッスン、夕方5時20分は
初級、夜7時から中級レベルのレッスンがあります。
皆さま、お待ちしております!

ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)

私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/
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創業36年、本場博多のもつ鍋・水炊き専門店【博多若杉】


連絡をお待ちしてますね!

2020年12月23日(水)寝屋川市民会館にて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。


Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第78話
このソ連の地図はモスクワが中心点になっており、
ソビエトでしか買えない地図だ。一体何のために
持ち歩いているのか…それはいつかショージが
ソビエトに再び侵入するか、またはちゃんとした
正規のルールで入国するつもりだからであった。
共産主義国であるソ連。ショージの夢はレニン
グラード(現在のサントペテルスブルグ)の
バレエ団、もしくはバレエ学校に入る事だ。
ショージの頭の中にはいつもそれしかなかった。

列車は猛烈なスピードで進み、時間が暫く経つと
コンパートメントは少し窮屈になって来た。
ショージはビュッフェでたまにはコーヒーでも
飲みながら、ウォークマンに入っているカラヤンの
「アルビノーニ」の素晴らしい曲を楽しもうと、
コンパートメントを出た。大事なパスポートや金、
列車のインターレイルチケットなどは、ポシェットに
入れて腹の前にきつく巻いた。

コンパートメントの中に置いた大きなバッグは
そのまま、ショージの大事な席を他の客に
取られないように椅子の上に置いたままに
した。ビュッフェでは隣に身なりの良い老夫婦が
食事を摂っており、ショージは軽く頭を下げ
挨拶してから隣の椅子に腰掛けた。ショージは
初めてビュッフェに座った。金でいつも不自由
しているショージが何故かこの時だけはVIP
にでもなったような錯覚を覚えた。「こんな事も
滅多にする事じゃないから、コーヒーを十分に
楽しんで味わなきゃ!」

驚愕の景色…

コーヒーのマグカップに口をつけながら、
「な、なんだこれは…!?」窓に現れた異様な
光景に身体が凍りついた。それは列車がやけに
高い壁の間を潜り、暫くトンネルを通過し暗闇
を抜け出た後に突然と姿を現した。高い鉄塔の
上にサーチライトが幾つも付いていて、更に
高い櫓の上には人間が4,5人は入れるほどの
窓が付いた見張り台みたいな物があり、明らかに
その中には人がいてこちらを見下ろしながら
監視しているのが分かった。

「何なんだ、この光景は!これじゃあ、極悪犯人
を収容する北海道の網走の刑務所みたいじゃ
ないか!」電車はそこで一度、短時間の停車を
した。ショージはこの不気味な景観にしばし凍り
ついてしまったが、考えてみたら、電車の中で
共産主義国の東ドイツを通過出来るビザを
列車内で買わなければならないのだと言う事を
思い出した。

「コーヒーなんか飲んでいる場合じゃないかも
しれない…」ショージは急いで席を立ち、
コーヒーカップを置くと急いでビュッフェの
ドアを横に開いて出ようとしたその時、
ドアーの外側ではとんでもない事になっていた。
停まった列車の開いているドアーから
夥しい数の軍人がどやどやと雪崩れ込んで
列車の中に入って来ているのだ。軍服姿の
迷彩色の軍人やら、くすんだグリーンの警察隊の
姿らしき人々の腕に腕章を付けた監視官たちやら、
その総勢は列車の一両を丸々一杯にするだけの
人数でひしめき合っており、

その中の恐ろしい形相をした女性がショージを
後ろに突き飛ばし、ビュッフェに引き戻した。
「何が起こっているのだ…!?」恐ろしい形相の
女性検査官がドイツ語で低く押し殺したような
声で何か言ったが、何を言っているのか意味が
全く分らない。ショージは、「恐らく今は
動いてはいけない、このビュッフェから出ては
いけないのだろう…」と咄嗟に判断した。数人
いたビュッフェの人たちも、もう外には出られ
ないし、この恐ろしい女性検査官に無理やり
座らせられて、動く事さえ出来なかった。
(つづく)