半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第64話

2020-06-11 08:31:34 | webブログ

おはようございます、バレエ教師の半澤です!再開です
平日の朝は11時から、夕方は5時20分から、夜は7時から
レッスンをやっております。
土曜日は朝11時から、夕方は6時からです。
日曜日は朝10時から、昼の12時からです。どうぞ宜しく
お願い致します。

ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)

私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/
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ルイースと写真.jpg






創業36年、本場博多のもつ鍋・水炊き専門店【博多若杉】


連絡をお待ちしてますね!

2020年12月23日(水)寝屋川市民会館にて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。


Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第64話
メモ帳を女子に差し出して、「劇場の場所を書いて
ください」と言った瞬間であった。女子の表情が
さっと変わり、ショージのメモ帳を女子が持って
いた鞄で隠した。その行動はまるでショージが恰も
出してはいけない物を出した事を叱るようで、そのまま
足早に女子は去って行ってしまった。

仕方無く今度は爺さんに声を掛けた。同じように
英語であったが、爺さんにはチンプンカンプンの
ようだ。だがこの爺さんはショージが迷っている
のを察知した。しかしショージが再びメモ帳を
出した途端、爺さんもやはり顔色が変えたが素早く
メモ帳を隠すと、辺りをキョロキョロしながら、
ロシア語で「駄目だよ!人前でこんな物出したら…
見られたら危ないじゃないか…!」ソ連では外国人
との紙のやり取りなどの行為は諜報活動とみなされ
スパイ容疑をかけられるのだ。

「ゆっくり喋りなさい、何処に行きたいのかね?」
ショージはしょんぼりしながらイタリア語で
「テアトロ…」(劇場)と言ったら通じた。「ああ、
テアトロか!劇場だね…?何処の劇場?え、キーロフ?
ああ、キーロフ劇場だね?よし、私に付いておいで」
爺さんはショージの手を引いて連れて行ってくれる
ようだ。
 
「ああ…良かった!!」ショージはその爺さんの服を
見ると、色がすっかり褪せて古びていていが、
アイロンはしっかり当ててあった。道行く沢山の
人々の服装にも色が無かった。鮮やかな色が全く
無いのだ。顔にも表情がない。活気もない。ただこの
限りないほど沢山の群衆はザッザッザッと歩いている
だけなのだ。爺さんはショージに何かを聞いて来た。
「何処から来たのか?と言っているのかな?ジャパン!」
と言っても通じない。

「ジャパンで駄目なら、ジャポン、ヤパン…駄目?
分からないか…にほん、ニッポン… 日本語で言って
分かるはず無いか…」だがそこで爺さんに通じたので
驚いたのはショージの方であった。「おー、ニッポン?
ニッポンスキーか?」爺さんは路面電車に乗ったり
歩いて公園を通ったり、その都度ロシア語で歴史やら
建物の説明などをゼスチャー入りで話した。
「ああ、なんと優しい爺さんなんだ」

キーロフバレエ団…な、中に入れてくださいっ!

爺さんが「着いたぞ…ここだろ?」「あっ、これだ!
写真で見たキーロフ劇場だ!そうです、ここです!」
ショージはフィンランドからバスでやって来る時に
バスの中にいた女の子から、少しロシア語を学んで
いた。「確か、ありがとうはスパシーバだったな…」
爺さんに「スパシーバ ボリショイ!」と言った。
するとその老人はニッコリと笑って手を振りながら
沢山の人の流れの中に消えて行った。大感謝だ。
 
ショージは早速、関係者入り口に回ってみた。4人
ほどの爺さんたちが門衛としてドアの前と内側に
立っている。ショージは英語で「私はバレエダンサー
です。中に入れてください」と言った。ここでも
英語は通じない。兎に角、何でも言ってみた。
「バレエ、バレエット、バリエ…」門衛の爺さんは
しまいには怒りだして、「うるさい!あっちへ行け!」
凄い剣幕の爺さんに追っ払われたショージは少しだけ
離れた所からその関係者入口を見ていると、次々
たくさんの関係者が入ろうとした瞬間を逃さず
ショージも一緒に混じり込んで入ろうとした。
と門衛の爺さんの一人に、「何してんだ、この~っ!」
と腕を掴まれて摘まみ出されてしまった。
(つづく)