半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第69話

2022-02-18 07:53:13 | webブログ

バレエ教師の半澤です。

平日は朝は11時から初中級レベルのレッスン、水曜日、金曜日の
夕方5時20分は子供の初級、夜7時から中級レベルのレッスンです。
土曜日は朝11時からのレッスン、夕方6時です。ポアントもあります。
日曜日は朝10時から初級のレッスン、12時から初中級のレッスンです。
ポアントもあります。

皆さま、お待ちしております!

ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)

私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/

連絡をお待ちしてますね!

2022年12月27日(火曜日)寝屋川市民会館にて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。


Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

バリエーションは海賊よりガムザッティのVaです。
ダイナミックなジャンプを楽しみながら踊りましょう!
さ、やりましょう!

連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第69話
ショージは日本からイギリスに留学し、そこから
イタリアに来たのだが、ヨーロッパの色々な
バレエ団を実際に自分の目で見た時、ショージが
働いているイタリアの小さな田舎町のバレエ団との
大きな違いを感じた。

スイスやドイツの殆どのバレエ団は劇場の中に
稽古場を持ち、とても華やかな環境の中でプロ
ダンサーとしての仕事内容も大変充実していると
感じたのだ。また、給料の多さにも驚いた。
ショージは彼らの半分も貰ってなかった。 

そしてバレエ団の中で働くダンサーたちの精神面
の違いにも気付かされた。ショージが働くイタリア
のバレエ団は元々、バレエ学校から始まり、その
卒業生を使ってバレエ団が出来上がったのだ。
生徒がそのままプロとして僅かな給料を貰って
働いている訳だが、ダンサーたち全員は自分達の
先生であり、監督でもあるマリネルを極端に恐れ、
監督も子供をあしらう様な態度でダンサーたちに
接した。ショージはこのような環境が好きになれ
なかった。

この頃からショージは近い将来、今のイタリアの
バレエ団を辞めてスイスかドイツの大きなバレエ団
で活躍したい、腕を更に磨けばそれに見合った報酬
が貰えるだろう…と夢見るようになった。そして
武者修行して他の有名なバレエ団の素晴らしい
ダンサーたちを見ているうちに彼らにはあって、
ショージには無い、ダンサーとしての技術や表現の
違いにも気付いた。だがその違いをどう乗り越えて
いけば良いのか見当が付かない。

そんな中、ショージはロシアにまで潜り込み、
そのダンサーたちの素晴らしさや徹底された
教育に度肝を抜かされた。当時ロシアはまだ
共産主義国であり、日本人どころか他所の国の
人々をも絶対に寄せ付けない鉄のカーテンに
包まれた国であった。
 
それでも、何とか侵入に成功してその片鱗を
束の間だけ見ることが出来た。「ああ…僕も
ロシアで勉強がしたい…」そんな想いから
ショージが北欧で仕事を見つける事さえ出来れば、
いつかまたロシアに潜り込み、勉強が出来る日も
来るに違いない…と、フィンランド国立バレエ団
でオーディションを受けたのだ。駄目で元々の
気持ちで挑戦したオーディションは、意外にも
芸術監督に気に入られ受かった。しかし難問は、
ショージがまだイタリアのバレエ団と契約中で、
辞める手続きなど執っていない事であった。

勇気を出して監督に…

リハーサル後にランドルとロバートがバレエ団の
建物を出て行くのを確認してから、芸術監督の
マリネルの更衣室へ向かった。心臓が飛び出そう
なほど緊張した。何故ならショージは彼が怖い
のだ。威厳に満ち溢れ、絶対的な権力とパワー
を持ったそんな芸術監督の前で「ちゃんと話せる
のだろうか…」心配でいっぱいだった。

取り敢えずノックをすると中からイタリア語で、
「誰だ!」ショージは上擦った声で「ソノ、イヨ…、
マエストロ!ショージ!!」(私です、先生、
ショージです!)ショージたちダンサーは芸術
監督のマリネルをマエストロと呼ぶ習慣になって
いた。「ショージだと!?何をしている。中まで
入って来い!」初めて入るマエストロの部屋
となっているドアーを開けるとそこは長い廊下に
なっており、その先はカーテンで見えない。
ショージがこのバレエ団に来て以来、このドアーを
ノックしたダンサーを見た事がなかった。皆、
監督を怖がっているからだ。
(つづく)