半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第84話

2023-11-10 07:57:54 | webブログ

バレエ教師の半澤です。

平日は朝は11時から初中級レベルのレッスン、水曜日、金曜日の
夕方5時20分は子供の初級、夜7時から中級レベルのレッスンです。
土曜日は朝11時からのレッスン、夕方6時です。ポアントもあります。
日曜日と祭日も朝11時から初級のレッスン、ポアントもあります。

皆さま、お待ちしております!

ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)

私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/

連絡をお待ちしてますね!

2023年12月24日(日曜日)枚方(ひらかた)芸術文化センターにて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。

Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

バリエーションは「海賊」から「奴隷のパドドゥ」のグルナーラのVaです。
男子も自分の好きなヴァリエーションしましょう!
さ、やりましょう!!

連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
グレゴリーのアドバイス
第84話
グレゴリーにあらましの経緯を話したところ、
「ショージ…ドイチュ・オパー・ベルリンが
どんなに凄くて君がどんなにそのバレエ団に
入りたいとしても、君は既にこのスウェーデン
のギョテボルグバレエ団と契約済みじゃあないか。
まして君はこのバレエ団から借金してそっち
ドイツにいる訳だろう?君の気持ちは分らなくも
ないけど、良い考えとは言えないな…」

ショージは何とかならないものだろうか…と考え
込んだ。「グレゴリー、こういう幸運は僕にとっては
最初で最後かもしれないんだ!例えば僕が借りた
お金をドイツから返すからという事だったら
どうだろうか…?」

すると「勿論、ショージが絶対にそうしたいなら
それもやれるはずだが、ショージ…、1つだけ
覚えておかなければいけないよ…仮にお金を送り
返したところで、スカンディナビアの法律上で
君は20年間スウェーデンどころか北欧の5カ国
でも仕事が出来なくなるという事を念頭に置かな
ければいけないよ。それでも良いなら、君の自由に
したらいいのさ。」

決断

膝が震えて止まらないショージは上ずった声で
辛うじて、「グレゴリー、僕はもう決めたよ…
スウェーデンに行くよ!こんな事で20年間も
スカンデイナビアに行けなくなるようなそんな
行動には出たくないし、ましてブラックリストに
なんて絶対に載りたくない。またスウェーデンで
何かと宜しくお願いね。ゴメンネ、突然馬鹿な
電話をしたりして。労働許可証が降りたら真っ直ぐに
スウェーデンに行くからさ、じゃあ、ありがとう!」

監督の部屋へと向かったが、ショージは「彼に何と
言ったら良いのだろう…?正直に全部話すのが一番
なのだろうか…」秘書室で「ハロー!」と挨拶を
すると、その奥の部屋で眼鏡を鼻の上にちょこんと
乗せて、何か読み物か書き物をしていたのか芸術
監督がショージに気付き、「あーこっちだ、こっちに
入って来なさい!」と手で招いた。ショージはちょっと
狼狽しながらオロオロと入って行った。まだ何と
話し出したら良いのか見当も付かなかったが
監督のゲルト氏が「んー、グッドダンサー、さて
話しに入ろう!そこに掛けたまえ!」

ショージはもう迷わずに冒頭から「大変済みません、
実は私は既に違うバレエ団と契約をしておりこことの
契約が出来ないのです。まさかこんなに凄いバレエ団
と契約が出来るなんて、思ってもみなかったのです。
それが判っていたなら始めからここに来たかったの
ですが…」

するとニコニコ笑っていた監督の形相が驚きの顔に
変わり「違うバレエ団!?そりゃ一体何処の
バレエ団だね?ドイツ中の全てのバレエ団と
私は繋がりがあるのだが…」 そりゃこんな
大バレエ団の監督をしていれば尤もであろう。
「実はスウェーデンなんです…」するとゲルト氏は
眉間に皺を寄せて、「スウェ…?まあいいか…。
契約済みならば仕方の無い事だ。そうか、ならば
分った…」ショージはこんなラッキーをみすみす
逃がすのは本当に辛かった。ショージは思った。
「僕の人生は何か神様に試されているのだろうか…?」

 不思議な事に、この時から半年後にショージの
無くなったバッグはスウェーデンのバレエ団に届け
られた。一通の手紙が添えられており「列車内で
無くされた荷物は東ドイツ人の駅員が窓から捨てた
みたいで、それを拾った東ドイツの住民が荷物を
駅に届けました。結果的にバッグの中のロシア語の
辞書と地図が幸いしたようです…。東ドイツでは
ロシア人を極度に恐れるためにロシア関係の物が
バッグの中にあって良かったですね…」 

ショージはその手紙を見て苦笑した。が、やはり
無くなった私物が返って来るのは嬉しいものだ。
バッグの中は半年前のタイツやら夥しい数の
汚れた靴下などその時のままであった。「よしっ!
見たかったものは全部見た。イタリアのスウェーデン
大使館からも労働許可が取れた!スウェーデンに
行くぞーっ!」
(つづく)