かつて存在した私のHP「時代屋小歌」の音楽面での記事を復刻する別ブログ「時代屋小歌(音楽編)」の方で、このほど新たに1曲、自作曲の歌詞を復刻しました。
その曲は「あの店エレジー」という曲です。
こちら ↓
http://blog.livedoor.jp/syunka16-mymusic/archives/5118231.html
私のアコースティックユニット「時代屋」がちょくちょくライブをやっていた頃は、この曲は我々の定番曲のひとつでした。
今でもたま~にライブをやる時は、この曲はセレクトすることがあります。
私が自主制作アルバム「空を見ていた。」を制作した時、この曲もアルバムに収録するつもりでした。
でも、諸々の事情で(特に時間や製作費やスタジオの都合)、収録できず、次のアルバムに入れるつもりで「次のアルバムのメイン曲のひとつ」としてキープしておくことになったのでした。
ただ、次のアルバムの制作のメドは立っていないので、今にして思えば、無理してでも「空を見ていた。」に入れておけばよかったかな・・・という思いはあります。
昔自分が常連客として通っていた飲み屋が廃業してしまった時の寂しさを歌にしたものなので、自分としてはそれなりに思い入れがある曲です。
この曲は、なくなってしまったお店へのレクイエムみたいな存在です。
この曲を歌う時は、その「なくなってしまったお店」のことを思い出しながら歌うことがあります。
お店に続く廊下、店内の装飾、店内に流れていた音楽、そして常連たち。あいつも、あの娘も、あの夜も。そして、その中の自分自身も。
一方、そのお店以後にも、お気に入りのお店というのは出てきてますので、そういう店で歌う時は、そのお店へのエールのつもりで歌うこともあります。
私のお気に入りのお店には、ずっと続いてほしい・・そんな願いを込めて。
歌詞の内容的には、私には歌いやすい曲ではあります。
皆さんにも、お気に入りのお店というものがあったりしませんか?
その店は今も健在ですか?
そして・・・その店がある日なくなってしまったら、どんな気持ちになるでしょうか。
そんなことを考えながら、聴いてもらえたら・・・報われる(?)曲ではあります。
なお、写真はその店とは関係ありません。あくまでも、イメージです。
私にとって、「あの店」は、まだあります。
社会人として初めて勤務した東京新宿ゴールデン街にある、「あの店」です。
だんぞうさんによる楽曲は、客の立場から作詞された作品ですね。
私は、「バーのスタッフ」としての立場、或いは「新宿ゴールデン街に愛情抱いている旅人」としての立場など、様々な視点から作詩した作品があります。
だんぞうさんにとっての「あの店」も、私にとっての「あの店」も、場所や名前は違えど、情景や雰囲気は同じです。
私は、今でも「客として、あの店」に行くことは、たまにあります。
店の外見や内装などは、私が勤務していた頃のままです。
しかし、店のママは変わらずとも滅多に姿を見せなくなり、私と同期だったスタッフは1人も残っていません。
だんぞうさんの場合は、店そのものが消えてしまったのですよね。
それも「あの店」の常連客ともなっていれば、淋しさは想像するに余りあります。
心に大きな穴が空いて、今でも完璧には埋まっていない…。
「あの店の代わりになる別の店」なんて、それほど容易には見つかりませんよね。
鮎川さんの「あの店」は、ゴールデン街ですか。
なんか、シブいですなあ。
私も何度か行ったことはあります。
立地といい、飲み屋街全体の雰囲気といい、店の個性、店主のキャラクター、客層など、通好みの飲み屋街というイメージがあります。
鮎川さんも作詞をした作品があるなら、いつかメロディーをつけてみたらいかがでしょう。
きっと鮎川さんなりの曲ができると思います。
鮎川さんの「あの店」はまだあるんですね。
それって幸せなことだと思います。
私の「あの店」は、もうありませんから。
私の「あの店エレジー」は、私にとっての「あの店」の存在証明です。
郷愁というか、そこで自分が過ごしたなんとも言えない時間を思い起こさせます。
私の「あの店」は大学そばにあった喫茶店。
ストレートコーヒー以外のメニューはなく、もちろん軽食の類もありませんでした。
カウンターだけの薄暗い店内にはJAZZが低い音量で流れ、
1人でスツールに座りブラックのコーヒー飲んでいると
「お、俺って大人じゃん」なんて思ったものです。
でもそんな意気がった想いも徐々になくなり、私にとっては本当に居心地のいい店になりました。
私はコロンビアが好みで、いつも頼んでいたのですが、
1年ほど通ったある日マスターの方から「いつもの?」って聞かれた時は
なんだか嬉しいと同時に気恥ずかしかった事を憶えています。
コーヒーの香り、スタンダードのJAZZヴォーカル、缶入りピース、文庫本…
「あの店」で過ごしたコーヒー1杯の時間が、
あの頃の私の生活の一部になっていた事は間違いありません。
ブルースのほうがまだ近い気もしますが、ブルースと呼ぶほどの渋さではないので、あえてエレジーにしてあります。
捨丸さんの「あの店」は学生街の喫茶店でしたか!
いわれてみれば、学生時代には私にも馴染みの喫茶店はあり、サークル仲間の溜まり場になってました。
BGMがジャズだったなんて、オシャレで粋ですなあ。
そんな店でマスターに「いつもの?」なんて言われたら、気分いいでしょう。
気持ちはわかりますよ。
まさに、行きつけの馴染み店ですね。