時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

顔パックが怖かった

2012年09月09日 | 懐かしい系、あれこれ

子供の頃、母親が三面鏡にむかって化粧をしてる後ろ姿を見ることは、多かった。

女の人のする「化粧」というものが、めんどくさそうだし、大変そうだなあ・・と、よく思った。

なぜ女の人は、そういう面倒くさそうな作業を、時間かけて、しかもしょっちゅう、するんだろう・・と思うと、少し不思議だった。

化粧というものが、どんな手順で、どんなことをしなければいけないのか、男の子である私にはさっぱり分からなかった。

それでも、普通の化粧なら問題なかったのだが、たった一つだけ、どうにも苦手だったものがある。

今思うと、それは化粧というより、肌の手入れであったのだろうが、子供にとってはどれも「化粧」でひとくくりにして捉えていた。

で、その苦手だった「化粧」の一つは・・・なにやら怖かったのである。

見た目にも、そんな作業をしてどこか「きれい」なんだろうと疑問に思えて仕方なかったものだ。

それは

 

「顔パック」であった。

 

 

もし、この「顔パック」の部分だけが、夜暗い道で、ぽっかりと宙に浮いて、こちらをジ~~ッとにらみつけていたら・・などと思うと、ゾッとした。

 

なにせ、顔パックをした母の顔は・・

 

素顔がスッポリ隠れてしまっており、母の顔の面影みたいなものはなく、ただただ・・・モンスターの顔のように思えたからだった。

それは、ミイラ男のようでもあり、見ようによっては怪盗ファントマを連想したりもした。

ファントマは決して恐怖もの作品ではないような気もするが(なにせ、、まだ見たことがない)、当時の私の幼心にはファントマの顔は怖かった。

 

その後何十年かして「犬神家の一族」が映画化された時、スケキヨの顔を見て、幼い頃に見た母の顔パックを思い出したりもした。

他には、かつてブログでも取り上げたことのある、楳図かずお先生のコミック作品「肉面」。(ちなみに、こちらです→http://blog.goo.ne.jp/banbo1706/e/f9ab2c8e6a494b7269129fd27d8ec35c )

そして極めつけは、幼児体験で見た「顔のない目」という映画の記憶。 この映画もまた、ブログで取り上げたことがある。(ちなみに、こちら→http://blog.goo.ne.jp/banbo1706/e/12aeafcf15c4efba5780e6adab722472 )

 

その他にも、今なら色々思い浮かぶものはあるが、どれにしてもどこかモンスターじみていたり、怖い系のものばかりだ。

それらのどれもが、顔パックから連想されてしまったのだった。

こうなると、私にとって少し不気味に感じないわけがない。

 

なので、なんでこんなお化けみたいなマスク状のものをつけるんだろうと思うと不思議だったし、顔パックをしてる時の本人は、自分の顔を鏡で見て怖くないのかな・・などとも思ったもんだった。

 顔パックした状態で、いつもと変わらぬ感じで家族に話しかけてくる母であったが、私は気持ち少し「引いて」いたかもしれない。

中身はいつもの母でありながら、顔だけは異形の者っぽく見えたから。

母は、自分が顔パックしてるということを忘れて、話しかけてきたのだろう。

そのへん、本人と、本人以外の感じ方のギャップだったのだろう。

 

もしも顔パックした状態で、来客があったらどうするんだろう。

その状態で応対するのだろうか。

顔パックした状態で、家族以外の人に応対するのって、少し恥ずかしくないのかな・・とも思った。

 

なんていうか、・・顔パックは肌のようにも思えたので、顔パックをとる時って、まるで顔の皮を剥いでいるような気もした。

こうなると、そのまま「肉面」であり「顔のない眼」そのものだ。

なまじ「肉面」や「顔のない眼」という作品を子供の頃に読んだり見たりして知ってたから、しかもそれらの作品がトラウマのように私の心の中でくすぶっていたから、なおさら顔パックには怖さを感じたのだろう。

 

顔パックは肌の手入れなどには欠かせない手段なのだろう。

今では、そのへんのことは分かってはいる。

だが・・・私は子供の頃にみた映画や漫画のせいで、顔パックをした顔は・・苦手だった・・・。

いや、苦手とか「嫌い」とか、そういう感情よりも、やはり「不気味」だったという感覚が一番しっくりくる。

母はしょっちゅう顔パックをしていたので、私はその後だんだん「顔パック」した顔には免疫はできていったし、今では子供時代のような不気味感はないけれど。

あ・・でも、もしも・・見知らぬ町で、見知らぬ人が、顔パックしたまま歩いていたり、初対面の人がいきなり顔パックで現れたら、不気味には思うかもしれない。←まあ、そんなケースは普通はないだろうけど(笑)。

ホラー映画には、色んな「名物モンスターキャラ」が登場してきているが、顔パックもまたホラー映画のキャラには似合いそうな気もする。

 

顔パックをしてる時の気持ちって、どんな気持ちだろう。

顔パックした自分の顔を鏡で見ると、どんなことを思うのだろう。

そのへんは、顔パックをしたことがない私には、どうにも分からないのだ。

 

子供の頃、顔パックした母の顔を見て、少し怖さを感じた人・・・いませんか?

それとも・・子供時代に母親の顔パックが不気味に思えたのは、私だけ??

 


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