最近、CDショップが次々となくなっていっている。
私の仕事先の街では、ついに1店もなくなってしまった。
私の知ってる限り、その町では少なくても以前は2店はあったのだが、そのうち1店がなくなったのは、去年だった・・と思う。
で、残されたもう1店も、今年なくなってしまった・・。
やはり、CDはもう売れない・・というのは本当なのだろう。
今はダウンロードが主流なのだろう。まあ、それは世の流れを見ていればわかる。
だが、欲しい曲や聴きたい音楽を入手したい時、ダウンロードだけでいいのだろうか。
私ははっきり言って、ダウンロードでは物足りない。
欲しい音楽は、ちゃんと形を伴った形態で入手したい。
単に曲だけが手に入ればいい・・というものではないと思うのだが・・。
大昔・・・アルバムというものは、ヒットソングの寄せ集めという形だった。
そんな中、ビートルズやビーチボーイズなどが、アルバムという形態の意義や意味を変え、芸術度を高めていった。
で、アルバムというのは、アーティストにとって、シングルではできない曲をやったり、ライブではできない曲をやったり、自身の音楽性を高めたり、その先へのステップにしたり、実験をしたり、自身の成長に欠かせない媒体だと思う。
ダウンロードが主体になっても、アルバムという形態がなくなってしまうことはないだろうが、今の流れでいくと、アルバムは昔のような、ヒットソングの寄せ集めみたいな存在に戻っていってしまうのではないだろうか。
そうなると、ミュージシャンは、シングル向けタイプの曲、ヒットソング狙いの曲しか作れなくなっていってしまうのではないだろうか。
アルバムの中で、色んな実験や、シングルでできない曲などで挑戦したり冒険したりするからこそ、それが後日のヒット曲に繋がる場合もあるはず。
よく、「アルバムの中の1曲」みたいな形容をする楽曲があるが、それは決してマイナスの表現ではなく、ミュージシャンにとっては重要な意味を持つ曲だったりするはず。
アルバムには、流れ・・というか、ストーリー性を持たせることもできる。息抜きの曲なんんかもあって、それはアルバムにメリハリを与える。
で、そういう曲を作ることで、ミュージシャンの才能の幅が広がったりもする。
すると、それは成長の糧にもなる。
ヒットソング狙いばかりの曲を作っていたら、才能の枯渇は早まるような気がする。
そうなると、ミュージシャンの寿命は短くなっていき、使い捨てにされるばかりになってしまいそうな気もする。
そうなると、音楽界全体の退化につながりそうな気がする。
進化のための媒体であったはずのアルバムが、退化していったら・・・アーティストや音楽の退化につながってしまいそうで、私は恐怖を感じる。
こんな恐さを覚える私は、おかしいのだろうか。
そんな意味でも、CDショップが次々となくなっていってる現状にも、怖さを感じる。
写真は、アルバムという表現形態の進化に大いに貢献した作品、ビートルズの「サージェント・ペパーズ」と、ビーチボーイズの「ペットサウンズ」。