時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

世論は感情で動く

2019年03月22日 | 日々の、あれこれ

世論は感情で動く。

 

イギリスがEU離脱問題で揺れている。

思えば、イギリスが国民投票でEU離脱を決めた時、遠く離れた日本で私はその情報を耳にして「大丈夫なのかな?」「それでいいのかな?」などと漠然と思った。

もちろん国民投票でそういう結果が出たには、イギリスならではの事情はあったはずなので、日本人の私が気軽にどうのこのう言う筋合いはないと思う。

 

EU離脱が国民投票で決まった時、その理由や推移の要因について、巷で耳にしたのが「一時の感情論で国民世論が沸騰し、国の行方を決めてしまった」などの説。

とはいえ、それだけでもなく、EUに所属していることでエリート層や富裕層と庶民層との利益の格差問題、そして移民問題など、さまざまな理由があったとも聞いている。

なんにせよ、それはイギリスの国内事情に関することなので、私にははっきりとしたことは言えない。

 

いろんな理由があったにせよ、国民投票によって決められたということは、感情論も左右した部分はあったのであろう。

 

だが、実際にEU離脱が現実問題になってくるにつれ、そうすることによる様々な影響や、この先のデメリットも目の当たりにすることになり、EU離脱を決めた国民投票の結果に対する後悔の意見も目立つようになっているらしい。

なんでも、もし改めて国民投票をしたら、EUにとどまる選択肢の票のほうが勝つであろうとも言われている。

 

 

感情論というのは、勢いがあるし、爆発力もある。何か物事を動かすエネルギーにもなる。

ただ、怖いのは刹那的であるリスクもあると思う。

長期ビジョンというものがもしも感情論と相対するものであるなら、感情論で国の方針が動くと、感情論は仮にその場の「ガス抜き」にはなっても、その先の長期的なビジョンにはじわじわとデメリットを感じる結果になっていく場合もあると思う。

 

ガス抜きは必要だが、長期ビジョンも大事であるはず。

そのへんのバランスは難しいのであろうし、バランスを取ろうとすると、それを提唱する人は批判されたり悪者にされたりもすることもある。

ガス抜きせずに長期ビジョンだけで物事を進めていくと、ガスは溜まる一方。

で、たまりすぎたガスは、いずれ一体どういうことになるか。それは自明の理。

かといって、一時の感情だけに流されて鋭角的に方針を決めてしまった場合、感情論というのは勢いがあるだけに、それに対する反発も勢いづく。

反発もあれば反動もある。

そうなると、そこには大損失も生じかねない。

とはいえ、たとえ損失があっても、行動しなければいけないこともある。なぜなら、行動しないと、未来に・・・私たちの子孫たちに苦労をかけることになる場合もあるから。

 

感情論だけでいくのも、ガス抜き無視で長期ビジョンだけでいくのも、どちらも一方的な方針は危険であろう。どちらもいいことはないのでは。

 

感情論だけで国の方針を決めてはいけないと思うし、ガス抜きせずに国の方針を決めていくのもいけないのだろう。

納得と説得力のためにも。

どちらか一方だけで国の方針を決めてしまったら、危険だと思う。

 

イギリスは私にとっては親近感を感じる国のひとつ。

いつか行ってみたい国のひとつ。

なんといっても、あのビートルズを生んだ国だし、アメリカと並ぶ「ロックの雄」の国。

レッド・ツェッペリン、エリック・クラプトン、ピンク・フロイド、ローリング・ストーンズをはじめ、私の好きなイギリスミュージシャンは数えきれない。

また、子供の頃によく読んだシャーロック・ホームズの国でもある。

なので、個人的に憧れもある。

だからこそ、良い方向性に向かっていってほしい。

 

明治維新の時には、日本が大いに参考にした国のひとつでもあるのだから。

当時の日本は、イギリスから学んだ部分は多かったはず。

 

イギリスは、感情論で流されっぱなしになるような国ではないはずだ。

 

 

 


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4 コメント

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初めまして (lemonwater2017)
2019-03-23 04:32:39
全く世論は当てになりませんね。

でも主権在民だからその世論に従うしかない。混乱時は特にメディアが権力をふるいますから。

かのヒトラーも、第二次大戦時の混乱期には、1933年の国連脱退(95%支持)、1936年ラインラント進駐(98%)、1938オーストラリア併合(99%)でしたもの。
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Unknown (だんぞう)
2019-03-23 11:16:15
世論は特定の個人の意見ではなく、不特定多数の意見の集合体ですから、感情に任せて好き勝手なことを言えますよね。

だから、世論の通りに国策を決めて、その結果、国益に反する結果になっても、特定の誰かが責任を負うわけでもありません。

一時の感情にまかせた世論をそのまま国策にしてしまうと、自らの首をしめる結果になりかねません。

とはいえ、あまりに世論を無視した国策をとってしまうと、国民の支持を得られなくもなります。

バランスは大事だと思います。

バランスを欠いた国は、滅びに向かうと思います。
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Unknown (鮎川愛)
2019-03-23 21:57:10
世論、必ずしも正義に非ずですね。

特に前の御方のコメントにあるように、ナショナリズムという感情に基づく世論は、本当に極めて危険な兆候を孕んでいます。

今回、「イギリス、EU脱退問題」ですが、これもやはりナショナリズムという、極めて厄介な問題ですよね。

イギリス首脳部は、「アイルランド独立」は認めず、「EU脱退」は“世論”という大義名分を得て、推進のために勢いづいている訳ですよね。


日本でも、アジア侵略植民地化や対米英戦争開幕に対して、断固反対を貫いた有識者もいましたが、結局世論を楯にした政府・軍部の強引さには敵いませんでした。

現在、イギリスにおいて、優秀な理性を持つ有識者はいないのでしょうか?

尤もイギリスEU脱退問題の真意は、「イギリスはドイツを信頼していないから」という話を聞いたことがあります。

今回の問題は、今後とも徹底的に議論すべき問題ですね。
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Unknown (だんぞう)
2019-03-23 22:57:50
イギリスは、国民投票の結果による流れの揺れ戻しが来ているように見えますね。
どの選択がイギリスにとって一番良いのかは、私には何とも言えません。
第一、私は部外者ですし、、、。

ただ、EU脱退のような国の行く末を左右する問題を一時の感情論で決めてしまうのは心配ではあります。
それは、イギリスと関わる国にも影響ば出ると思いますし。

後戻りできない場所に行き着いてしまってからでは遅いでしょうし、、、。


イギリスが今でもドイツを信頼していないのか、あるいはそんなことはないのか、実際のところは日本人の私にはわかりません。
心の中で誰がどんな感情を持つかは、その人の自由だとは思いますが、どんな感情を持っているにせよ、イギリスのドイツへの対応は紳士的で大人の対応はしてると思えます。
そのへんが、さすがです。


西洋人は昔から、野蛮であることを軽蔑しますからね。国も人も民族も。
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