ロックのアルバムにはジャケットデザインが秀逸なアルバムは実に多い。
色々なアルバムが思い浮かぶが、今これを書いてて真っ先に浮かんだのはレッド・ツェッペリンの4枚目のアルバムの内ジャケットのイラストだ。
見開きなので、サイズが大きい。
すぐ近くに岩山(?)、その頂上に魔法使い(神??)みたいな妖しい老人が立っており、手にはランプをぶらさげて、それをかかげて、遥か遠くを見下ろしてる。
で、その遥か向こうには、小さな山があり、意味ありげな正体不明の建物が立っている。
空は夜空。
ともかく、一度見たら忘れられない、印象に残るイラストだ。インパクト、大だ。夢にまで出て来た。何度も。
このアルバムには、「ブラック・ドッグ」「ロックンロール」などの彼らの代表曲が収められ、極めつけなのは「天国への階段」という最高傑作との呼び声の高い名曲まで入っていることだ。
まさに彼らの代表作とも言えるアルバムである。
私は高校の時、美術部にいた。水彩画を色々描いてた覚えがある。
当時の自分の作品は無くしてしまった(今思えば、保存しておけばよかった)のが残念だが、当時イラストを描くときは、このレッド・ツェッペリンの4枚目アルバムの内ジャケットのようなイラストをいつも描きたいと思っていた覚えがある。
なにかしら影響を受けていたように思う。
孤独感があり、どこか異様で不気味な雰囲気もあり、現実からかけ離れた不思議世界でありながらも、全体的には幻想的。
なにやら意味ありげで、メッセージも隠されてる感じで、暗示的でもある。
で、見るものの心の奥底に訴えかけてくるような「描き手の意思」も感じる。
そんなイラストだった。
70年代当時に公開された、レッド・ツェッペリンのライブ映画には、このイラストを実写で再現したようなシーンがあり、どうやらこのイラストで描かれた世界にはレッド・ツェッペリンはけっこうこだわりを持ってるんだなあと思った。
なにせ、映画でもハイライトシーンの一つだったから。
ある意味、ツェッペリンの目指す音世界のひとつを絵で表現した、シンボリックなイラストなのだと思う。
このイラストで目立つのはなんといっても手前の魔法使いみたいな老人だが、個人的にはその老人以上に気になるのが、遥かむこうに描かれている建物だ。
この建物はいったいどんな建物なのか。
この建物には一体誰か住んでるのか。それとも、誰もいないのか。
もし住んでるのなら、どんな人が住んでるのか。
また、そもそもなんのためにこの建物は建っているのか。
この建物と魔法使いとの関係は?
などなど、色々なことを空想させる、意味ありげな建物だ。老人がミステリアスなら、それに輪をかけてこの建物がミステリアス。
見てる人のイマジネーション、感受性を刺激してやまないイラストだ。
仮にツェッペリンの音源が収録されたレコードが入っていなかったとしても、このイラスト欲しさだけで買ってしまいたくなる作品。
で、壁などに飾っておきたい作品。
ある意味、私の中ではトラウマ的なイラストである。
ツェッペリンの音楽はハードロックというジャンルで呼ばれているが、その音楽性は非常に幅広く、「ハードロック」という一言では片付けられない芸術性がある。それは、楽曲だけでなく、こういうアルバムジャケットにも表れている。
このイラストを見た事が無い人、機会があったらぜひ一度見てほしい。素晴らしいです。
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