「立場が人を作る」の名言を頂き、杉山貞悦の名と杉山民謡会主宰の座を
受け継ぐことになりました。
民謡会での襲名は珍しく、北陸三県では初めてのことと聞いています。
昨年末に行われた襲名式と披露宴では、温かい言葉を多くちょうだいしました。
わたしにとって襲名は、人生最大の喜びであり、また不安にもなりました。
「不安と希望で・・・」という言葉を耳にする機会はありますが、わたしの場合、
今は「不安と不安」で胸がいっぱいです。ある日我に返って、何ということを
してしまったんだろうと、寒くなることがありました。
よく考えてみると初代はもとより、初代の師匠は兼六民謡会主宰、中村晴悦です。
わたしにとっては、雲の上のような存在なので、貞悦の名には重みがあると
しみじみ感じたのです。
都合の良い考え方をすれば、師匠方から支えていただき、今まで自分が得たものを
伝えながら、はぐくみながら、楽しく進んでいけば良いのではないかと思います。
そう自分で自分に言い聞かせ、前向きに歩んでいます。
おしかりを受けることもあるかと思いますが、古き伝統を守りながら、
わたしなりに若い感性を生かした「型破り」にもトライしていこうと思います。
そうすることで、若い方々にも民謡に興味を持っていただけるかもしれません。
今後、会員の方々と力を合わせ、微力ながら会の発展と民謡の普及に努めてまいります。「立場が人を作る」の名言にのせて頂きながら。
北國新聞 コラム・舞台より