空と無と仮と

沖縄タイムスの第三者委員会報告書について①

「新型コロナウイルス給付金等の社員不正受給に関する第三者を交えた特別検証委員会」
 
 ずいぶんと長い長いタイトルですが、沖縄タイムス元社員による持続化給付金の不正受給に対する正式な報告書ということで、2020年12月4日に公表されました。
 
 今回はこの報告書について自分なりの見解を、引用を交えながら述べさせてもらいたいと思います。

 なお、この第三者委員会による報告書の全文については、沖縄タイムスプラスで誰でも閲覧できるようになっているので、読んでみたいと思う方がいらっしゃるのであれば、各々沖縄タイムスプラスを参照なさってください。


 
 「本件は、元社員らが会社の業務に関係なく自ら職業を偽って給付金を不正に受給し、または貸付けを受けていたものであり、あくまで元社員らの個人的な問題であって、これらの者を雇用する沖縄タイムス社の法的責任が問われる問題ではない。
 しかし、だからといって沖縄タイムス社に一切の責任がないということにはならない。
 報道機関として国民の知る権利の一端を担い、不正を監視し正すべき立場にある新聞社において、個人的とはいえ在職中の社員らが不正な行為に及ぶことを防止できなかったことに対する社会的責任を痛感すべきである」

 上記は報告書からの引用です。

 一社員の不祥事が沖縄タイムス社全体の責任とはならないことについては、概ね同意できるところであります。
 このような一個人による不祥事、あるいは犯罪によって企業全体を責める、あるいは貶めるような風潮が時々見かけられますが、それは不祥事や犯罪に加担しなかった人々への「いわれなき差別」を助長するものであって、風評被害といった無駄で無意味な悪弊しか生まれません。結局は歪んだ正義感としかいえない行為でもあると思っております。

 しかし、今回は少し事情が違うような気がします。
 なぜかというと、沖縄タイムス社というのは「マスメディア」であるからです。仮にこれがマスメディア以外の企業だったら、いわれなき差別や風評被害が助長されること「だけ」を危惧いたしますが、沖縄タイムス社はマスメディアであるからこそ沖縄タイムス全体の責任でもある、あるいは社長以下役員幹部の責任を殊更に問うべきものではないかというのが、今回の事案における個人的見解であります。

 また、今回は持続化給付金の不正受給がクローズアップされており、それはそれで当然なことではあります。
 しかしながら不正受給が発端となって、この事案とは全く別の由々しき事態が、沖縄タイムス社という企業内に蔓延し露呈したのにもかかわらず、その面があまり重要視されていないではないかという、個人的な危惧も持ち合わせております。少なくとも報告書には反映されていないと思っております。
 ただし、これは沖縄タイムス社独特の由々しき事態というわけではなく、一般的な企業や団体組織のほか、他のマスメディアを生業とする企業にも当てはまる可能性が十分にあるということを付言いたします。

 なぜそのような見解になるかということを次回以降から説明いたしますが、その前に不正受給にいたった顛末や事情を予め提示してからのほうが分かりやすくなると思いますので、報告書の引用を随時しつつ、まずはそこから始めたいと思います。


次回以降に続きます。

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